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Yasukatsu Matsushima

Author:Yasukatsu Matsushima
1963年琉球石垣島生まれ。石垣島、南大東島、与那国島、沖縄島にて育つ。

その後、東京、グアム、パラオ、沖縄島、静岡、京都、滋賀にて学び、働き、生活する。

著書に『沖縄島嶼経済史―12世紀から現在まで』藤原書店、2002年
『琉球の「自治」』藤原書店、2006年
『島嶼沖縄の内発的発展―経済・社会・文化』(編著)藤原書店、2010年、
『ミクロネシア―小さな島々の自立への挑戦』早稲田大学出版部、2007年
『琉球独立への道』法律文化社、2012年
『琉球独立論ー琉球民族のマニフェスト』バジリコ、2014年
『琉球独立ー御真人の疑問にお答えします』Ryukyu企画、2014年
『琉球独立宣言ー実現可能な5つの方法』講談社文庫、2015年
『民際学の展開ー方法論・人権・地域・環境の視座から』(編著)晃洋書房、2012年
『琉球列島の環境問題ー「復帰」40年・持続可能なシマ社会へ』(編著)高文研、2012年
『3・11以後何が変わらないのか』(共著)岩波書店、2013年
『島嶼経済とコモンズ』(編著)晃洋書房、2015年
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『東京沖縄県人会五〇周年記念誌』の発刊

東京沖縄県人会の50年記念誌が発刊され、目次は次の通りです。東京において琉球人が琉球のことを常に考えて、戦後どのように生きて来たのかを知る上で貴重な本だと思います。


『東京沖縄県人会五〇周年記念誌』


目 次 

『五〇年誌』刊行にあたって

東京沖縄県人会・五〇年通史 
 東京沖縄県人会の結成/復帰後、東京沖縄県人会の活動/八〇年代の東京沖縄県人会/

 東京沖縄県人会のパワー全開/新しい県人会を目指した一〇年間の活動/沖縄ネット
ワーク確立への取り組み/財政再建と芸能公演の五年間/健全財政を維持しつつ創立
五〇周年へ

歴代事務局長が語る
県人会創立五〇周年にあたって(大城辰彦)
県人会「五〇周年記念誌」刊行によせて(上地 哲)

県人会の私の五年(阿佐伊孫良)
事務局長に携わって(入澤 紀)
事務局長回顧(浦崎武夫)

東京沖縄県人会との歩み
資金繰り余話
県人会の会計を担当して

『おきなわの声』に携わって
『おきなわの声』に関わって一三年
『おきなわの声』創刊から縮刷版まで

女(いなぐ)ぬ腹(わた)や黒縄ん朽(く)たしゅん||在京沖縄女性の活動
 大正期の「あけぼの会」から昭和「戦後」期の「あけぼの婦人会」へ/在京学生と映画
「ひめゆり塔」/

ひめゆり平和祈念資料館の建設募金活動/県人会青年部と創作芝居
『マリーとヘンリーのマスカレード』/「東京おきなわ女性の会」/「華咲かさ女の心||
いなぐぬ会」/みるくの会〔弥勒世を創る沖縄女性の会〕

故人追悼
 新崎盛敏会長の思い出/山口國雄会長の思い出/弟思いだった山口國雄さんを偲ぶ
 竹田定雄さんを偲ぶ/山城文盛さんを偲ぶ/松本三益さんを偲ぶ/高田利喜雄さん
を偲ぶ/川平永介さんを偲ぶ

エッセイ
 沖縄を平和の天地に/瀬長のおじさん/私たちの活動と沖縄県人会(東京八重山郷友
連合会)/血縁、地縁、志縁による郷友会(東京久米島郷友会)/東京・西表島郷友
会員の想い/栃木沖縄県人会の活動



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奄振法延長へ奄美市で総決起大会

6月25日の南海日日新聞に奄振法延長に関する記事が掲載されていましたので、ご紹介します。


二〇〇八年度末で期限切れとなる奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長要求郡民総決起大会が二十四日、奄美市名瀬の奄美文化センターで開かれた。

政党や産業界、労働団体、青年ら各界の代表が意見発表。雇用の創出や高等教育機関の設置、海上輸送費の軽減策などの要望が相次ぎ、奄美の自立的発展に向けた特別措置の必要性を強調した。

 総決起大会は十五年ぶり。奄美群島市町村長会、奄美群島広域事務組合、奄美群島市町村議会議長会、奄美群島振興開発特別措置法延長要求民間団体協議会が主催。会場は群島民の熱気で包まれた。

 奄美群島広域事務組合管理者の平田隆義奄美市長は現行法下での取り組みを評価しつつ「厳しい条件下で自立的発展の基礎条件は確立したとは言い難い。人と自然が織りなす癒やしの島・奄美の創造を目指していくため、法に基づく特別措置と時代の変化に即応した施策を」と法延長による支援の必要性を強調した。

 伊藤祐一郎知事は「今後の重点施策として地域の特性を生かした農業振興、豊かな自然と個性的な文化を生かした観光の展開、世界自然遺産登録の早期実現、社会資本の整備、奄振基金の機能充実が必要。行政やボランティア、NPOなど多様な主体との協働を」と訴えた。

 地元代表の意見発表は十二人。丸田京子・奄美大島地域女性団体連絡協議会会長は「農業は食の源。営農技術者の増員や生産者への支援を望みたい。乳幼児を持つ親へ育児費を助成してほしい」と要望した。

川田光弘・奄美大島商工会議所副会頭は経済活性化策として「航空運賃の値下げ、離島割引カード対象路線と割引率の拡大を。地元企業と競合しない企業誘致や高等教育機関の設置を進めてほしい」などと提案した。

 山下博通・JAあまみ理事は輸送経費の減免措置で足腰の強い産地づくりを強調。柳谷正臣・奄美青年団連絡協議会会長は若者の人口流出を食い止める雇用の場の創出を求めた。

 地元選出の徳田毅、自由民主党奄美振興委員会委員長の保岡興治両衆議院議員ら国会議員が次々登壇した。自民党の古賀誠選挙対策委員長も駆け付け、冬柴鐵三国土交通大臣は延長に前向きな姿勢を示すとともに、群島民にエールを送った。

 最後に法改正延長と内容充実を求める決議を採択、ガンバロー三唱で気持ちを一つにした。

奄振の延長が満場一致で決議された

6月19日の南海日日新聞に奄美群島振興開発特別措置法の延長についての記事が掲載されていましたので、ご紹介します。沖縄振興、奄美群島振興開発はともに、琉球の経済自立を実現させるのかを問う必要があると思います。上からの開発により、環境破壊、中央政府への依存、地場産業の衰退等がもたらされています。

南琉球では内閣府沖縄担当部強局、奄美諸島では国交省がそれぞれ開発行政の所轄官庁であり、審議会の議論を経たうえで開発法の内容が具体化します。現在、沖縄振興事業の延長も議論されていますが、開発行政によっては島は自立しないというのが私の考えです。島嶼の小規模地域における内発的発展の積み上げという、地道な発展の道を歩むべきではないかと思います。





奄美群島振興開発審議会(会長・宮廻甫允鹿児島大学教授)が十八日、国土交通省会議室で開かれ、最大の焦点となっている二〇〇八年度末で期限切れとなる奄美群島振興開発特別措置法の延長問題を審議した。

この結果、事実上「〇八年度以降も奄振法は必要不可欠」とする意見具申(案)を満場一致で決議。
一部文言の検討、修正後、近く国交、総務、農水の所管三省大臣に意見具申する。法延長問題は同審議会の「お墨付き」を得たことで、国政レベルの審議段階に入る。

 会には伊藤祐一郎委員(県知事)や金子万寿夫委員(県議会議長)、民間有識人ら十一人の委員が出席。

平井たくや国交省副大臣が「奄美振興は、人材育成をはじめ自立的発展を具体化する段階に入った」などとあいさつ。

 審議では、これまで重ねてきた会合で審議、交わされた意見を集約した内容を下に、事務局側(国交省)がまとめた意見具申(案)の検討に入った。

 九項目にわたる内容。委員から「沖縄振興施策と奄美振興施策を関連づけているのは初めてではないか」と評価する意見が出る一方、「(沖縄との)調和も考慮すべき」の文言について、「あいまいな表現」と修正を求める意見も出た。

 また、「厳しい財政事情の中、同案の内容が絵に描いたもちにならないように」「ソフト施策にもっと積極的な支援対策を」などの意見が出た。

このほか、NPOなどの「新たな公」の文言について具体的な説明を求める意見、奄美群島振興開発基金の在り方や同基金に関する文言に”注文”を付ける意見などもあった。

 〇四年度から施行された現行法は、民意をより反映させるため、国の基本方針の下に、地元市町村が振興開発案を作成、県が同計画を策定する制度に改正された。

 法延長に向けての今後のタイムスケジュールは法延長を前提に、八月末の〇九年度予算概算要求に向けて予算案を策定。並行して国の関係省は新法律案の作成や税制改正要望案の各作業を行う。

 一方、政府与党では自民党奄美振興委員会などを開き、法延長を決議し、後押し。翌年には同法律案が閣議決定され、国会へ提出。国土交通委員会などで審議された後、衆参本会議での可決、成立を経て「新奄振法」が施行される見込み。

与那国島と台湾との交流

八重山毎日新聞の6月4日の記事に与那国島と台湾との交流について記事が掲載されていすので、ご紹介します。与那国島は私が幼少期に生活したこのある島です。小さい時、与那国島から台湾を見た記憶があります。大きな島だと思いました。島と島との「ゆいまーる」が一歩、一歩実現しているようです。



7月4日と7日、与那国町の姉妹都市、台湾花蓮市と与那国を結ぶ直行チャーター便が運航されることが決まった。

花蓮から台湾側の観光客が与那国入りしたあと、同じ機材で、与那国側の観光客が花蓮入りすることになっており、与那国発着としては初めての双方向の国際チャーター便となる。

両町市は2007年10月、姉妹都市25周年を記念して交流の拡大をうたった「自立自治共栄圏」の宣言に署名しており、今回の直行チャーター便運航は、同宣言を具体化するものとなる。

町では「与那国と花蓮の交流が強化され、東アジア地域の平和と共生に寄与することになると思う」としている。

与那国町に関連した国際チャーター便の運航ではこれまで、空海いずれも町が補助金を支出してきたが、今回は補助金は計上しない。

町では「自立のために、補助金は支出しないことにした」と説明している。

 町内では同月4―6の3日間、久部良漁港を拠点に第19回国際与那国島カジキ釣り大会(町主催)が開かれる。今回のチャーター便は同大会に合わせて運航の準備が進められてきた。

 与那国発着の国際チャーター便は07年10月に台北行きが初めて運航されており、このときは台湾側からは誘客していなかった。

 今回のチャーター便は復興航空のATR72で実施。与那国と花蓮の双方から約70人を募集する。花蓮から与那国入りする台湾側の観光客は、民宿5―6カ所に分宿し、島内観光などを行う。カジキ釣り大会の磯釣りに参加する観光客もいそうだという。

 与那国側の観光客は4日に花蓮入りしたあと、花蓮市役所主催の歓迎会に参加。5日と6日は自由行動で、7日に花蓮から帰国する。町議会は議員6人全員が参加する見通し。

 与那国発花蓮向けのチャーター便の利用に関する問い合わせは町国境交流促進プロジェクト班(87-2241)。

竹富島の喜宝院の生活用具842点が国の有形民俗文化財に登録

本NPO法人の理事をされている上勢頭芳徳さんが館長をされている、喜宝院の生活用具842点が国の有形民俗文化財に登録されました。

私も竹富島の喜宝院に何回か行ったことがありますが、島の歴史、生活、文化を生活の道具から知ることができました。長い時間、島のことを考えながら見入ったことを思い出します。

下の記事は八重山毎日新聞2008年6月14日の記事です。


収集した「竹富島の生活用具」が国の有形民俗文化財に登録された喜宝院蒐集館に13日、登録証が届いた。伝達式が町役場であり、大盛武町長が上勢頭芳徳館長に手渡した。

上勢頭館長は「普通の人が普通に使った道具が価値あるものとして認めてもらったことはありがたい。先代が収集した文化財を次の世代に継承していきたい」と決意を新たにした。

 大盛町長は「昔のたたずまいが登録されたことは意義深い。この機会に多くの人に文化財を広めてもらいたい」と激励した。

 喜宝院にある約4000点の資料のうち842点が3月7日付で文化財に登録された。

平和についての語りとコンサート:大阪大正区より

本NPO法人の理事である金城馨さんもメンバーである「沖縄に基地を押しつけない市民の会」の主催で6月21日に大阪大正区、アゼリア大正において次のイベントが行われます。午後6時開場、6時半から始まります。


1部/講演
語り
 真栄田義且(沖縄平和ツアーガイド)
 久場川茂子(県立第三高等女学校23期生)

2部/ライブ
 新垣優子

真栄田義且さんプロフィール

1936(昭和11)年2月、沖縄県那覇市に生れる。
1944年8月、山口県の次男を頼って縁故疎開。

1946年10月沖縄へ帰る。1951年8月、祖国復帰即進協議会を結成して高校生の立場から日本復帰を訴える。

1955年4月、高校卒業後「沖縄の土地を守る会」に加入し、沖縄の祖国復帰と米軍基地の撤去のために闘う。

現在、沖縄ツーリスト大正営業所の嘱託として、沖縄の戦跡と基地を回る「沖縄平和ツアー」の企画とガイドを務める。


久場川茂子さんプロフィール

1928年ブラジルで生れる。
県立第三高等女学校23期生。現在、関西在住。



新垣優子さんプロフィール
沖縄本島ヤンバル出身。幼い頃からのうた好きが 高じて、民謡ロックバンドのボーカルとして歌い始 める。

1992年、八重山民謡の唄者・大工哲弘の下で本格的に民謡を習い始める。1993年より「ツゥンダラーズ」のメンバーとして全国各地のコンサート、 琉球フェスティバル等に参加約10年間同メンバー として活躍。

1994年、沖縄のわらべうたや昔話を盛り込んだ「かりゆしゆうちゃん劇場」を立ち上げる。 2001年より沖縄の外で暮らし始める。

先住民族の権利に関する国際連合宣言(9)

第38条 先住民族は、彼(女)らの政治的、経済的、社会的、文化的および精神的発展を自由に追求するために、

そして本宣言に承認されている権利と自由の享受のために、国家からおよび国際協力を通じての十分な資金的および技術的な援助を利用する権利を有する。

第39条 先住民族は、彼(女)らの個人的および集団的権利の全ての侵害に対する効果的な救済に対する権利のみならず、国家との紛争および争議の解決のための相互に受容可能かつ公平な手続きを利用し、

かつそれを通じての迅速な決定を得る権利を有する。そのような決定には、当該先住民族の慣習、伝統、規則および法制度を考慮に入れることとする。

第40条 国際連合体系の機関および専門機関ならびに他の政府間機関は、とりわけ、資金協力と専門技術的援助の動員によって、本宣言の条項の完全実現に貢献することとする。

先住民族に影響を及ぼす問題に関して彼(女)らの参加を保証する方法と財源を確立することとする。

第41条 国際連合は、この分野における特別の権能と先住民族の直接参加をもつ最高レベルの機関の創設を含めて、本宣言の実行を保証するために必要な措置を取ることとする。

全ての国際連合機関は、本宣言の条項の尊重と完全適用を推進することとする。

第9部
第42条 ここに承認されている権利は、世界の先住民族の生存と尊厳と福利のための最低限度の規準を成す。

第43条 ここに承認されている全ての権利と自由は、男性と女性の先住民個人に等しく保証される。

第44条 本宣言中の何も、先住民族が保有していたり、あるいは取得するかもしれない、現存または将来の権利を縮小あるいは消滅させると解釈されてはならない。

第45条 本宣言中の何も、いかなる国家、集団あるいは個人に対しても、国際連合憲章に反する活動に従事したり、またはそのような行為を行ういかなる権利も含意としてもつと解釈されてはならない。


出展 http://www.imadr.org/japan/project/guate/rights_indigenous_peopels.fulltext.html 翻訳 手島武雅




私は琉球人を先住民族であると考えていますが、琉球の自治を実現するために、上の宣言を含めた国際法を活用できると思います。日本と対等な関係性を築くためには、国内法だけでなく、国際法という枠組みで思考し、実践する必要があるのではないでしょうか。

先住民族の権利に関する国際連合宣言(8)

第7部

第31条 先住民族は、彼(女)らの自決権を行使する一つの具体的な形態として、文化、宗教、教育、情報、メディア、保健、住宅、雇用、社会福祉、経済活動、土地および資源の管理、環境、部外者の立ち入り、およびこのような自治機能を賄うための方法と財源を含めて、

彼(女)らの内部的および共同体的(local)問題に関連する事柄における自律(autonomy)あるいは自治(self-government)に対する権利を有する。

第32条 先住民族は、彼(女)らの慣習と伝統に従って、彼(女)ら自身の市民の資格を決定する集団としての権利を有する。

先住民族市民としての身分は、先住民個人が、彼(女)らの住む国家の市民権を取得する権利を損なわない。

 先住民族は、彼(女)ら自身の手続きに従って、彼(女)らの制度の構造を決定しかつその構成員を選抜する権利を有する。

第33条 先住民族は、国際的に承認された人権規準に従って、彼(女)らの制度的構造および彼(女)らの独特な法律上の慣習、伝統、手続きおよび慣行を推進し、発展させ、かつ維持する権利を有する。

第34条 先住民族は、自己の共同体に対する個人の責任を決定する集団としての権利を有する。

第35条 先住民族、特に国境によって分断されている先住民族は、精神的、文化的、政治的、経済的および社会的な目的のための活動を含めて、国境を越えて他の民族との接触、関係および協力を維持しかつ発展させる権利を有する。

 国家は、この権利の行使および実行を保証するための効果的な措置を取ることとする。

第36条 先住民族は、国家またはその継承者と締結された条約、協定および他の建設的取り決めの原初の精神と意図に従った、

それらの承認、遵守、実施に対する権利、および国家にそのような条約、協定および他の建設的取り決めに敬意を表しかつ尊重させる権利を有する。

他の方法で解決され得ない紛争および争議は、全ての当事者によって合意される所管の国際機関に提出されるべきである。

第8部
第37条 国家は、本宣言の条項を十分に実行するために、当該先住民族と協議して、効果的かつ適切な措置を取ることとする。

ここに承認されている権利は、先住民族が実際にそのような権利を利用できるような方法で国内法において採択されかつ収められることとする。

先住民族の権利に関する国際連合宣言(7)

第6部
第25条 先住民族は、彼(女)らが伝統的に領有もしくは他の方法で占有または使用してきた土地、領土、水域および沿岸海域、その他の資源との彼(女)らの独特な精神的および物質的関係を維持しかつ強化し、

そしてこの点における未来の世代に対する彼(女)らの責任を守る権利を有する。

第26条 先住民族は、土地、空域、水域、沿岸海域、海水、動植物相および他の資源の総合的環境を含めて、彼(女)らが伝統的に領有もしくは他の方法で占有または使用してきた土地および領土を領有し、開発し、統制し、そして使用する権利を有する。

これには、彼(女)らの法律、伝統と慣習、土地保有体系、並びに資源の開発と管理のための制度の完全な承認に対する権利、およびこれらの権利へのいかなる干渉も、あるいはその移転または侵害も防止するための国家による効果的措置に対する権利を有する。

第27条 先住民族は、彼(女)らが伝統的に領有もしくは他の方法で占有または使用してきて、彼(女)らの自由でかつ情報に基づく合意なしに没収、占有、使用されたり、または損害を受けたりした土地、領土および資源の返還に対する権利を有する。

これが可能でない場合、彼(女)らは、公正かつ公平な補償に対する権利を有する。当該民族による他の内容での自由な合意がなければ、補償は、質、規模および法的地位において同等の土地、領土および資源の形を取ることとする。

第28条 先住民族は、彼(女)らの土地、領土および資源の総合的環境と生産能力の保全、復元および保護に対して、並びに自家からおよび国際協力を通じてのこの目的のための援助に対して権利を有する。

当該民族による他の内容での自由な合意がなければ、先住民族の土地および領土において軍事活動を行ってはならない。

 国家は、先住民族の土地および領土において有害物質のいかなる貯蔵も廃棄も行われないことを確実にするための効果的な措置を取ることとする。

 国家はまた、そのような物質によって影響を受ける民族によって作成されかつ実行される、先住民族の健康を監視し、維持し、そして回復するための施策が適切に実行されることを、必要に応じて、確実にするための効果的な措置も取ることとする。

第29条 先住民族は、彼(女)らの文化的および知的財産の完全な所有権、管理権および保護に対する承認を得る権利を有する。

 彼(女)らは、人間および他の遺伝学的資源、種子、医薬、動植物相の特性についての知識、口承伝統、文学、文様、並びに視覚芸術および演じる芸術を含め、彼(女)らの科学、技術および文化的表現を統制し、発展させ、そして保護するための特別措置に対する権利を有する。

第30条 先住民族は、特に、鉱物、水または他の資源の開発、利用または採掘に関連して、彼(女)らの土地、領土および他の資源に影響を及ぼすいかなるプロジェクト(計画)の承認にも先だち、

国家が彼(女)らの自由でかつ情報に基づく合意を得ることを必須要件とする権利を含めて、彼(女)らの土地、領土および他の資源の開発または使用のための優先事項と戦略を決定しかつ展開する権利を有する。

当該先住民族との合意に準じて、公正かつ公平な補償が、実行されるいかなるそのような活動および措置に対しても、環境的、経済的、社会的、文化的または精神的な悪影響を軽減するために提供されることとする。

先住民族の権利に関する国際連合宣言(6)

第5部
第19条 先住民族は、彼(女)ら先住民族固有の決定作成制度を維持しかつ発展させる権利のみならず、

彼(女)らの権利、生活および運命に影響を及ぼし得る事柄における決定作成の全てのレベルで彼(女)ら自身の手続きに従って彼(女)ら自身によって選ばれた代表を通じて、彼(女)らがそう選択すれば、完全に参加する権利を有する。

第20条 先住民族は、彼(女)らに影響を及ぼし得る立法的または行政的措置の考案に、彼(女)らによって決定された手続きを通じて、彼(女)らがそう選択すれば、完全に参加する権利を有する。
 
国家は、そのような措置を採択し実行する前に当該民族の自由でかつ情報に基づく合意を得ることとする。

第21条 先住民族は、彼(女)らの政治的、経済的および社会的体制を維持しかつ発展させ、生存と発展の彼(女)ら独自の手段の享受において安全であ り、そして彼(女)らの全ての伝統的その他の経済活動に自由に従事する権利を有する。

生存と発展の彼(女)らの手段を剥奪されてきた先住民族は、公正かつ公平な補償を得る権利を有する。

第22条 先住民族は、雇用、職業訓練および再訓練、住宅、衛生、健康、そして社会保障の領域を含めて、彼(女)らの経済的および社会的条件の早急で効果的かつ継続的改善のための特別措置に対する権利を有する。

 先住民の高齢者、女性、若者、子ども、そして障害者の権利と特別なニーズに特別な注意が払われることとする。

第23条 先住民族は、発展に対する彼(女)らの権利を行使するための優先事項および戦略を決定しかつ展開する権利を有する。

特に、先住民族は、彼(女)らに影響を及ぼしている全ての健康、住宅、その他の経済的および社会的施策を決定しかつ展開し、できる限り、そのような施策を彼(女)ら自身の制度を通じて執行する権利を有する。

第24条 先住民族は、生命維持に必要な薬用の動植物および鉱物の保護に対する権利を含めて、彼(女)らの伝統医薬と保健の実践に対する権利を有する。

 彼(女)らはまた、全ての医療制度、保健サービスおよび治療を何の差別もなく利用する権利を有する。

先住民族の権利に関する国際連合宣言(5)

第14条 先住民族は、彼(女)らの歴史、言語、口承伝統、哲学、文字体系および文学を再活性化し、使用し、発展させ、

そして未来の世代に伝達する権利、並びに彼(女)ら独自の共同体名、地名、そして人名を選定しかつ保持する権利を有する。

 国家は、この権利が保障されることを確実にするために、また、政治的、法的、行政的な手続きにおいて、必要な場合は通訳の提供または他の適切な手段によって、

彼(女)らが理解できかつ理解され得ることを確実にするために、先住民族のいかなる権利でも脅かされそうな時は常に、効果的措置を取ることとする。

第4部

第15条 先住民族の子どもは、国家のあらゆるレベルと形態の教育に対する権利を有する。

全ての先住民族もまた、この権利と彼(女)ら独自の言語で教育を提供する彼(女)らの教育制度および機関を、彼(女)らの文化的な教授法および学習法に適した方法で確立し、統轄する権利を有する。

 彼(女)らの共同体の外に居住する先住民族の子どもは、彼(女)ら独自の文化と言語での教育に対するアクセスを提供される権利を有する。

 国家は、これらの目的のために適切な資源を提供するための効果的措置を取ることとする。

第16条 先住民族は、彼(女)らの文化、伝統、歴史および願望の尊厳と多様性をあらゆる形態の教育および公共情報に適切に反映させる権利を有する。

 国家は、先住民族および社会の全ての成員の間で、偏見と差別を除去し、寛容、理解および良好な関係を推進するために、当該先住民族との協議において、効果的措置を取ることとする。

第17条 先住民族は、彼(女)ら自身のメディアを彼(女)ら自身の言語で確立する権利を有する。彼(女)らはまた、あらゆる形態の非先住民族メディアヘの平等なアクセスに対する権利を有する。

 国家は、国有のメディアが先住民族の文化的多様性を正当に反映することを確実にするための効果的措置を取ることとする。

第18条 先住民族は、国際労働法および国内労働法の下で確立された全ての権利を十分に享受する権利を有する。

 先住民個人は、労働、雇用、または給与のいかなる差別的条件にも従わせられない権利を有する。

先住民族の権利に関する国際連合宣言(4)

第8条 先住民族は、自らを先住(indigenous)と認定しかつそのように認知される権利を含めて、彼(女)らの明確に異なるアイデンティティおよび特徴を維持しかつ発展させる集団的および個人的権利を有する。

第9条 先住民族およびその個人は、当該共同体または国(nation)の伝統と慣習に従って、先住民族の共同体または国に属する権利を有する。いかなる種類の不利益もかかる権利の行使から生じてはならない。

第10条 先住民族は、彼(女)らの土地または領土から強制的に移転させられない。

当該先住民族の自由でかつ情報に基づく合意なしに、また公正で公平な補償に関する合意、そして可能な場合は、帰還の選択肢のある合意の後でなければ、いかなる転住も行われない。

第11条 先住民族は、武力紛争の時期における特別の保護と安全に対する権利を有する。

 国家は、緊急事態および武力紛争の状況における文民の保護のための国際規準、特に1949年のジュネーブ第4条約を順守し、次の事は行わない。

(a) 先住民個人を彼(女)らの意志に反して軍隊に、そして特に、他の先住民族に対する利用のために入隊させること。

(b) いかなる状況においても、先住民の子どもを軍隊に入隊させること。

(c) 先住民個人に彼(女)らの土地、領土あるいは生活手段を放棄することを強制したり、あ るいは彼(女)らを軍事目的のための特別施設に転住させること。

(d) 先住民個人に軍事目的のために差別的条件の下で働くことを強制すること。

第3部
第12条 先住民族は、彼(女)らの文化的伝統と慣習を実践しかつ再活性化する権利を有する。

これには、考古学的および歴史的な場所、加工品、文様、儀式、技術、視覚芸術および演じる芸術、そして文学といった、彼(女)らの文化の過去、現在、未来の表現を維持し、保護し、かつ発展させる権利、

さらに、彼(女)らの自由でかつ情報に基づく合意なしに、あるいは彼(女)らの法律、伝統および慣習に違反して取得された文化的、知的、宗教的および精神的な財産の返還に対する権 利が含まれる。

第13条 先住民族は、彼(女)らの精神的および宗教的伝統、慣習、そして儀式を表現し、実践し、発展させ、そして教える権 利、彼(女)らの宗教的および文化的な場所を維持し、保護し、

そして密かにそこに立ち入る権利、儀式用の物の使用と管理の権利、人間の遺骸や遺骨などの返還に対する権利を有する。

 国家は、埋葬地を含む先住民族の神聖なる場所が保存され、尊重され、そして保護されることを確実にするために、当該先住民族と連携して効果的措置を取ることとする。

先住民族の権利に関する国際連合宣言(3)

第1部
第1条 先住民族は、国際連合憲章、世界人権宣言および国際人権法に認められている全ての人権と基本的自由の十分かつ効果的な享受に対する権利を有する。

第2条 先住民個人および民族は、自由であり、かつ尊厳と権利において他の全ての個人および民族と平等であり、さらに、いかなる種類の否定的差別からも、特に彼(女)らの先住民族としての出自あ るいはアイデンティティ(帰属意識)に基づく差別から自由である権利を有する。

第3条 先住民族は、自決の権利を有する。この権利に基づき、先住民族は、自らの政治的地位を自由に決定し、並びにその経済的、社会的および文化的発展を自由に追求する。

第4条 先住民族は、国家の政治的、経済的、社会的および文化的生活に、彼(女)らがそう選択すれば、完全に参加する権 利を保持する一方、彼(女)らの法制度に加えて、彼(女)らの明確に異なる政治的、経済的、社会的および文化的特徴を維持しかつ強化する権利を有する。

第5条 全ての先住民個人は、ナショナリティ(国籍/民族籍)に対する権利を有する。

第2部
第6条 先住民族は、明確な民族として自由で平和にそして安全に生活し、ジエノサイド(集団虐殺)または、あらゆる口実の下での家族および共同体からの先住民の子どもの引き離しを含む、他のあらゆる暴力行為に反対する十分な保証に対する集団的権利を有する。

 さらに、彼(女)らは、生命、身体および精神の保全、自由および個人の安全に対する個人的権利を有する。

第7条 先住民族は、以下の行為の防止およびそれに対する矯正・賠償を含め、エスノサイド(民族根絶)および文化的ジェノサイドにさらされない集団的および個人的権利を有する。

(a) 明確な民族としての彼(女)らのまとまり、彼(女)らの文化的価値観あるいは民族的アイデンティティを剥奪する目的または結果をもつあらゆる行為。

(b) 彼(女)らからその土地、領土または資源を収奪する目的または結果をもつあ らゆる行為。

(c) 彼(女)らの権利を侵害したり脅かす目的または結果をもつあらゆる形態の住民移転。

(d) 立法的、行政的または他の措置によって彼(女)らに押し付けられた他の文化または生活様式によるあ らゆる形態の同化または統合。

(e) 彼(女)らに反して向けられたあらゆる形態のプロパガンダ(宣伝)。

先住民族の権利に関する国際連合宣言(2)

先住民族の土地および領土の非軍事化の必要性と、それが世界の諸国と諸民族の間の平和、経済的・社会的進歩と発展、理解、そして友好関係に貢献することを強調し、

 先住民族の家族と共同体が、彼(女)らの子どもの育成、訓練、教育および福利に対して共有された責任を保持する権利を特に認識し、

 先住民族が、共存、互恵および完全尊重の精神において国家との彼(女)らの関係を自由に決定する権利を有することもまた認識し、

 国家と先住民族との間の条約、協定および他の取り決めは、正当に国際的な関心と責任の問題であると考え、

 国際連合憲章、経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約、そして市民的および政治的権利に関する国際規約が、

全ての民族の自決の権利の根本的重要性を確認しており、その権利に基づき、彼(女)らが自らの政治的地位を自由に決定し、自らの経済的、社会的および文化的発展を自由に追求することを認め、

 本宣言中の何も、いかなる民族に対してもその自決の権利を否認するために利用されてはならないことを心に銘記し、

 国家に対し、先住民族に当てはまる全ての国際法文書、特に人権に関連する文書に、当該民族との協議と協力において、従いかつ効果的に実行することを奨励し、

 国際連合が先住民族の権利の推進と保障において演じるべき重要かつ継続する役割を有することを強調し、

 本宣言が、先住民族の権利と自由の承認、推進および保障への、そしてこの分野における国際連合体系の適切な活動の展開においての、さらなる重要な一歩前進であることを信じ、

 以下の、先住民族の権利に関する国際連合宣言を厳粛に宣言する。

先住民族の権利に関する国際連合宣言(1)

昨年、国連総会において採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を掲載いたします。
翻訳は、市民外交センターの活動やグアム・チャモロ人の研究でお世話になっている、手島武雅さんのものです。



全ての民族が、異なり、また自らを異なると考え、そして異なるとして尊重される権利を承認する一方、先住民族が他の全ての民族に対して尊厳と権利とにおいて平等であることを確認し、

 全ての民族が、人類の共通遺産を成す文明と文化の多様性と豊かさに貢献することもまた確認し、

 出身国、人種的、宗教的、民族的または文化的な差異を根拠とする民族または個人の優越を基盤としたり、主唱する全ての教義、政策、慣行は、人種差別主義であり、科学的に誤りであり、法的に無効であり、道義的に非難すべきであり、社会的に不正であることをさらに確認し、

 先住民族は、彼(女)らの権利の行使において、いかなる種類の差別からも自由であるべきことをまた再確認し、

 先住民族は、これまで彼(女)らの人権と基本的自由を剥奪されてきており、その結果、とりわけ、彼(女)らの植民地化と彼(女)らの土地、領土および資源の奪取が起こり、かくしてそれが、特に、彼(女)ら自身の必要と利益に一致した発展に対する彼(女)らの権 利を彼(女)らが行使することを妨げてきたことを懸念し、

先住民族の政治的、経済的および社会的構造に、そして彼らの文化、精神的伝統、歴史および哲学に由来する彼らの生得の権利と特徴、特に、被らの土地、領土および資源に対する彼らの権利を尊重しかつ伸展させる緊急の必要性を認識し、

 先住民族が、政治的、経済的、社会的および文化的高揚のために、そしてあらゆる形態の差別と抑圧に、それが起こる至る所で、終止符を打つために自らを組織しつつあるという事実を歓迎し、

 先住民族と彼(女)らの土地、領土および資源に影響を及ぼす開発に関する先住民族による統制は、彼(女)らが、彼(女)らの制度、文化および伝統を維持しかつ強化すること、そして彼(女)らの願望と必要に一致した発展を推進することを可能にすると確信し、

 先住民族の知識、文化および伝統的慣行の尊重は、持続可能で公正な発展と環境の適切な管理に寄与することもまた認識し、

1996年第14回国連先住民族作業部会ポジション・ペーパー(4)

7.沖縄を民族の自決権の行使と「特別県構想」(案)

「琉球併合協定」が無効であるという視点から、沖縄民族は主権を留保している。

沖縄民族の人権に深く関わる基地撤去に関し、1974年に那覇軍港の撤去が日米両国政府によって合意されたが、20年以上を経過した今日も実現していない。これは日米両国政府が沖縄民族の人権の伸張と差別の撤廃に努力して来なかった姿を象徴している。

こうした現状の中で、「国際人権規約」共通第1条、さらには、「友好関係原則宣言」および「ウィーン宣言」Iの第2項(民族自決権)に従い、差別を解消し、人権擁護の目的から、国際社会の一員として、自決権の行使を沖縄民族が主張することは当然であるといえる。

軍事基地のない沖縄と経済的自決権を基にした国際交流拠点沖縄を前提に、沖縄県政府から1995年に提起された「特別県」構想案は、この具体的現れであり、沖縄の自決権の歴史、さらに国際法上の地位からも合理的な主張であると考えられる。

8.沖縄民族の代表権の確保

 「リオ宣言」第22原則、及び「アジェンダ21」第26章、「ウィーン宣言」Iの第20項に規定された先住民族の交渉参加権に従い、軍事基地の撤廃に向けての交渉には、その当事者として、日米両国政府とともに、沖縄民族の代表の対等な参加が確保されるべきである。

 われわれは、沖縄に生きる住民、沖縄に生きる生活者として、自治、自立を目ざす理想および権利を有する。

その理想および権利は、琉球弧の温帯的、亜熱帯的かつ島嶼的な絶妙の自然環境を背景に“守禮之邦”に象徴される非暴力の伝統と平和的な地域交流の歴史とに、深く根ざすものである。




以上が12年前にに国連欧州本部において私が主張したポジションペーパーの内容です。語句、事実関係、提案内容等に多少変更を要するところもありますが 、琉球と日本との対等な関係性を国際法、国連によって確立したいという基本的な信念に変わりありません。現在、その対等性をさらに明らかにするべく研究活動を進めています。

1996年第14回国連先住民族作業部会ポジション・ペーパー(3)

6.米軍基地による沖縄人に対する人権侵害
 
米国政府による施政が始まると、日本全土の0.6パーセントしかない沖縄に、日本全土の3倍の面積の軍事基地が一方的に建設された。1972年に施政権は米国から日本に再譲渡され、沖縄人は基地の撤廃などを期待したが、基地のほとんどが温存された。

日米安保条約の下に沖縄の全人口の約4パーセントに当たる4万6000名の米軍が現在も駐留している。この施政権の譲渡に関しても、基地撤去に関する沖縄民族の強い意思は無視され、また、基地に関する「日米地位協定」は、実態として沖縄に従属的で不平等な地位を押し付けている。

こうした植民地的状況の中では、以下のような権利が否定され続けている。

(1)沖縄全体の11パーセント、特に沖縄島の20パーセントが軍事基地とされた結果、沖縄人自らによる経済発展の追求や社会基盤の整備に関する権利が否定されている。

また日本政府に統治権が移転すると、沖縄開発庁が設置され、沖縄の自律的発展を阻害するようになった。

これらは、「国家の経済的権利義務憲章」第1章(国際経済関係の基礎)g、f、k項及び同憲第2章第1条(経済社会体制を自由に選択する権利)に違反している。

(2)軍事基地の建設に伴い、沖縄の歴史的遺産・文化財が深刻な打撃を被った。これは、「ユネスコ憲章」の前文及び「芸術作品並びに歴史及び科学の記念物の保存及び保護の確保」を定めた同憲章第1条c項に違反している。

(3)軍事基地の建設およびその運用は、爆音による騒音や振動、実弾演習による原野火災や被弾事故、墜落・落下事故、軍車両による交通事故などによって、沖縄の自然環境に大きな被害をもたらし、人口密集地に隣接した場所では住民の生活環境は著しく侵害されている。

 また、核及び化学兵器施設の設置は住民に大きな不安を与え続けた。これは「環境に関する権利と責任」を規定した「人間環境宣言」第1原則及び「人間は自然との調和の下で、健康で生産的な生活を送る権利がある」と規定した「リオ宣言」第1原則に明らかに違反したものである。

(4)米国の直接施政下にあっては、公正な裁判権もないまま、米軍関係者による犯罪が繰り返され、特に沖縄人女性がその被害者となってきた。

1972年の施政権の日本政府への譲渡後も、基地が温存されたことで、米軍関係者による犯罪は減らず、記録されているだけでも、1995年までの23年間に、4700件余の犯罪が数えられた。

沖縄の自決権が認められない一方、日本政府はこうした犯罪に関して日米地位協定を米軍に有利に運用し、沖縄人の人権は十分保障されなかった。

1995年9月に発生した米軍関係者による少女拉致強姦事件は、先住民族の女性の子どもという最も弱い立場にある存在に対する凶悪犯罪として、これを象徴している。

これらの実態は、日本および米国政府が、「国連憲章」第55条c項、「世界人権宣言」第2条、「国際人権規約・自由権規約」第26条、「人種差別撤廃条約」第5条に違反していることを示している。 

また、女性に対する人権侵害では、「女子差別撤廃条約」第2条、子どもに対する人権侵害では、「子どもの権利条約」第2条、第3条に違反した状況にある。

1996年第14回国連先住民族作業部会ポジション・ペーパー(2)

3.自決権要求運動への弾圧

 植民地統治下においても、1870~1890年代を中心に自決権要求運動が行われた。当時の状況では、それは琉球王国復権運動であり、沖縄・日本・中国において王国の復興を求める世論を喚起するものであった。

しかし、日本政府はこうした運動に対し、拷問などを含む弾圧を強行した。さらに、旧国王を沖縄行政府の代表にするための署名活動も行われたが、これらの要求は日本政府に無視された。

4.日本軍による強制徴用と虐殺および補償政策の否定。

 第二次世界大戦の末期、1944年10月の那覇大空襲以来、沖縄住民は戦火に直接巻き込まれることになった。

1945年3月から沖縄は日米両軍の決戦地のひとつとして地上戦が戦われたが、多くの民間人や子どもが日本軍によって強制徴用されその犠牲者となった。

住民の犠牲者は10万人、当時の全人口の5分の1に当たり、日本全土の民間人の犠牲者が原子爆弾によるものを含め総計約50万人であったことと比較すれば、沖縄民族の人権が如何に無視されたかを象徴している。

また、多くの住民が沖縄語を話したとしてスパイ罪の容疑で日本軍に虐殺され、さらに、日本軍の足手まといにならないよう集団自決を強要された。

これは、強制労働を禁止した「ILO第29号条約(強制労働条約)」第1条、第11条、第25条に違反すると共に、非戦闘員の保護に関する慣習国際法に違反した。こうした犠牲者と遺族に対し、現在もほとんどの補償が行われていない。

5.植民地統治権の譲渡と住民の意思の無視

 1946年連合軍の占領政策によって、行政区域として別扱いされていた沖縄を、1952年のサンフランシスコ平和条約により、日本政府は正式に分離し、その施政権を国連による「信託統治に移行するまで」という形で米国政府に譲渡した。

しかし、この時一切の住民の意思の確認は日米両国政府によって行われなかった。沖縄民族の意思の確認が行われなかったことは、「国連憲章」第1条2項の自決権に反する行為である。

同時に、こうした形で施政権を得た米国政府の行為は「自国のためには利得も求めず、また領土拡張の念も有しない」とした「カイロ宣言」および「平和、安全及び正義の新秩序」の建設を目的とした「ポツダム宣言」に自ら違反したものに他ならない。

 1962年には、国連の「植民地独立付与宣言」を受け、米国施政下の植民地議会にあたる「琉球政府立法院」において、米国の沖縄統治が国連憲章に規定された領土の不拡大と民族自決の原則に違反するとした決議が採択され、当時の国連加盟国104カ国に送付された。

しかし、この決議は米国政府に無視されただけでなく、日本政府によっても黙殺された。

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