FC2カウンター

プロフィール

Yasukatsu Matsushima

Author:Yasukatsu Matsushima
1963年琉球石垣島生まれ。石垣島、南大東島、与那国島、沖縄島にて育つ。

その後、東京、グアム、パラオ、沖縄島、静岡、京都、滋賀にて学び、働き、生活する。

著書に『沖縄島嶼経済史―12世紀から現在まで』藤原書店、2002年
『琉球の「自治」』藤原書店、2006年
『島嶼沖縄の内発的発展―経済・社会・文化』(編著)藤原書店、2010年、
『ミクロネシア―小さな島々の自立への挑戦』早稲田大学出版部、2007年
『琉球独立への道』法律文化社、2012年
『琉球独立論ー琉球民族のマニフェスト』バジリコ、2014年
『琉球独立ー御真人の疑問にお答えします』Ryukyu企画、2014年
『琉球独立宣言ー実現可能な5つの方法』講談社文庫、2015年
『民際学の展開ー方法論・人権・地域・環境の視座から』(編著)晃洋書房、2012年
『琉球列島の環境問題ー「復帰」40年・持続可能なシマ社会へ』(編著)高文研、2012年
『3・11以後何が変わらないのか』(共著)岩波書店、2013年
『島嶼経済とコモンズ』(編著)晃洋書房、2015年
Yasukatsu Matsushima

バナーを作成

リンク

カテゴリー

最近の記事

月別アーカイブ

琉球関連の文献

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブログ内検索

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

龍谷大学大学院民際学研究プログラムの授業シラバス2

民際学研究プログラムは1994年に龍谷大学大学院経済学研究科におかれた、日本、世界で唯一の研究プログラムです。民際学は中村尚司先生が提唱された学問ですが、生命系の経済学、もう一つの経済学、広義の経済学、内発的発展論、地域主義等とも重なり合うものです。現在の近代化社会において、当然と考えられている生き方を再考し、「本当の豊かさ」を実現するための学問であるといえます。

次に、民際学特別演習のシラバスをご紹介します。地域にでて、多くの方と出会い、関係を結んでいきたいと思います。



民際学特別演習

講義概要
  民際学は次のような特徴を有する学問であるといえます。
① 国民国家の枠組みを越えた、民衆の直接的な関係・交流・ネットワーク、民衆による脱国境的な経済活動等を研究対象とします。
② 人間と人間との関係性、人間と社会(国家権力、歴史文化、風土等)との関係性、地域環境の循環性・持続可能性等、トータルな生活世界のなかにおいて経済のあり方を考えます。
③ フィールドワークを通じて多くのケーススタディを学び、学際的な手法に基づいた、具体的な議論や分析によって問題の本質を明らかにします。
④ 研究者自身が当事者意識をもち、多様な問題を解決するための政策や提案を示し、問題状況の改善を図ります。
⑤ ワークショップ、フィールドワーク等を通じて、研究参加者が互いに学び合いながら研究を進めていきます。
⑥ マイノリティー、社会的周辺におかれた人々が、支配―被支配の関係性を問い直し、自らが直面している窮地から脱するための実践知、方法論、政策論に関する研究を行います。
⑦ 地域の人々が抱えている諸問題を多角的な観点から、具体的に考察し、その解決への道筋を地域の人々とともに考えて実践する、民衆主体の地域研究です。

 本講義では、以上のような基本的性格を有する民際学をさらに深く学ぶために、関西地域・琉球列島におけるフィールドワークやワークショップ等の参加、地域社会において様々な課題に取り組んでいる実践家へのインタビュー、民際学関連の研究会・講演会・他のイベントへの参加等を行う予定です。

 事前学習においては、受講者の関心分野を聞きながらフィールドワークの方向性を決めます。そして調査地に関する事前の分析と議論、フィールドワークの方法等について学ぶとともに、ゲストスピーカーとの討論を通じて自らの問題意識を深めます。
事後学習においては、調査結果の分析とまとめ、研究成果の発表と相互の議論を行います。

授業計画
1. イントロダクション
2. 調査地に関する事前学習
3. フィールドワーク、ワークショップ等への参加
4. 受講者による研究成果の発表と討論 
5. 講義のまとめ

授業の進め方
 受講者の主体性を重んじ、双方向型の授業とし、相互の討論を重視します。教室を出て実社会のなかにおいて問題の本質を自分自身の体と頭を通じて学び、調査地の人々とのネットワークを築きながら、自らの研究をつくりあげるための授業です。

成績評価方法
 授業態度、参加状況、研究発表内容、討論内容、レポート等に基づいて総合的に評価します。

担当者から一言
 強い問題意識をもち、地域社会において諸問題に取り組んでいる人々と熱く議論をしたいと考えている学生を歓迎します。

テキスト
プリント、資料等を配布します。

参考文献
 松島泰勝『琉球の「自治」』藤原書店、2006年
 松島泰勝『沖縄島嶼経済史-12世紀から現在まで』藤原書店、2002年
 松島泰勝『ミクロネシア―小さな島々の自立への挑戦』早稲田大学出版部、2007年
スポンサーサイト

龍谷大学大学院民際学研究プログラムの授業シラバス1

私が民際学研究プログラムにおいて、「民際学概論」「民際学特別演習」「地域経済論」という授業を担当しています。今回は「民際学概論」のシラバスをご紹介します。同科目は日本語版と英語版の2つの授業が用意されています。
昨年は、カンボジアの留学生とともに英語を共通語にして、カンボジア、琉球や太平洋諸島の経済について議論しました。今年も、学生さんと議論して、互いに学びあいたいと考えています。


民際学概論
日本語版

講義概要
 民際学は次のような特徴を有する学問であるといえます。
① 国民国家の枠組みを越えた、民衆の直接的な関係・交流・ネットワーク、民衆による脱国境的な経済活動等を研究対象とします。
② 人間と人間との関係性、人間と社会(国家権力、歴史文化、風土等)との関係性、地域環境の循環性・持続可能性等、トータルな生活世界のなかにおいて経済のあり方を考えます。
③ フィールドワークを通じて多くのケーススタディを学び、学際的な手法に基づいた、具体的な議論や分析によって地域や人々が抱える問題の本質を明らかにします。
④ 研究者自身が当事者意識をもち、多様な問題を解決するための政策や提案を示し、問題状況の改善を図ります。
⑤ ワークショップ、フィールドワーク等を通じて、研究参加者が互いに学び合いながら研究を進めていきます。
⑥ マイノリティー、社会的底辺におかれた人々が、支配-被支配の関係性を問い直し、自らが直面している窮地から脱するための実践知、方法論、政策論に関する研究を行います。
⑦ 地域の人々が抱えている諸問題を多角的な観点から、具体的に考察し、その解決への道筋を地域の人々とともに考えて実践する、民衆主体の地域研究です。
 以上のような民際学の基本的性格にしたがって、琉球列島、太平洋諸島を主な研究対象として、受講者と議論を行います。
 次に、受講者が自らの研究課題を民際学と関連させながら研究発表し、相互に議論を行います。民際学という研究手法を用いて、自らの研究課題を新たな視点から考えることも可能になると思います。

授業計画
1. イントロダクション
2. 民際学について
3. 琉球列島、太平洋諸島を民際学から考える
4. 受講者による発表 
5. 講義のまとめ

授業の進め方
 受講者の主体性を重んじ、双方向型の授業とし、相互の討論を重視する。映像、写真等を用いて民際学を具体的に理解できるようにする。

成績評価方法
 授業態度、出席状況、研究発表内容、討論内容、レポート等に基づいて評価する。

担当者から一言
 強い問題意識を持ち、民際学について熱く議論したいと考えている学生を歓迎します。

テキスト
 プリントを配布します。

参考文献
 松島泰勝『琉球の「自治」』藤原書店、2006年
 松島泰勝『沖縄島嶼経済史-12世紀から現在まで』藤原書店、2002年
 松島泰勝『ミクロネシア―小さな島々の自立への挑戦』早稲田大学出版部、2007年

英語版

A lecture summary
 The study of peoples’ relations has the following characteristics.
① The object of this study is to understand direct relations / interchanges / networks, the economic activities of the de-border by the peoples beyond the frame of the one-country-one-nation.
② We recognize economic activities in the life world focusing on the peoples’ relations,relations between peoples and the society (the power of the state, history,culture, climate), local environmental circularity / sustainability.
③ We clarify the essence of local,peoples’ problems by the concrete argument and analysis based on interdisciplinary techniques,and by learning many case studies through fieldworks.
④ Researcher oneself has person concerned awareness and shows policies and suggestions to solve various problems and to improve the problematic situations.
⑤ Study participants learn the study of peoples’relations each other through workshops, fieldworks.
⑥ Minorities,peoples at the lower levels of society reexamine the relation of ruler- ruled and study about practical intellect, methodology, the policy theory to escape from the predicament that themselves face.
⑦ It is area study by peoples themselves through considering many problems that local peoples have concretely from a multidirectional point of view, and through thinking about a route to the solution with local peoples.

According to basic characters of the study of peoples’ relations,I will discuss Ryukyu chain of islands, Pacific Islands as main study cases and argue with students each other about these islands.
 Next,while you will associate their own research theme with the study of peoples’ relations,you will make an oral report of the results of yours research and argue mutually. With study technique called the study of peoples’ relations, I think that you can think about your own research theme from a new viewpoint.

A class plan
1. Introduction
2. About the study of peoples’ relations
3. The study about Ryukyu chain of islands, Pacific Islands based on the study of peoples’ relations
4. Oral reports by students  
5. The summary of the lecture

How to lead classes
 I will respect the independence of will of the students attending this lecture and make much of mutual discussion. I will show video films,photographs for you to understand the study of peoples’ relations concretely.

A scholastic evaluation method
 Attendance situation, presentation of the results of the study contents, discussion contents, a report.

It is a word from the person in charge
 I welcome the students who want to argue with me and other students about the study of peoples’ relations with a strong critical mind.

A text
 I will distribute prints.

米軍原子力潜水艦の活動急増と放射能汚染のおそれ

2月25日の琉球朝日放送において、米軍原子力潜水艦の琉球近海における活動が活発化しており、それが海洋における放射能汚染につながるおそれがあるという特集を報じていますので、お伝えします。

米軍は島の上で訓練をして住民に危害を加え、空での演習で爆音を発するだけでなく、海においても放射能をばらまうているおそれがあります。放射能汚染は、海の生物に悪影響を与えるだけでなく、将来、「汚染された海」として漁業、観光産業にも損害を与える可能性があります。いったん汚染されれば、元の海に回復するのは非常に困難、または不可能でしょう。

米軍はやりたい放題の軍事活動をして、琉球人の身体や生活にも被害が及んでいます。国民を守る義務がある日本政府はこのような状況をいつまで続けているのでしょうか。

なぜ米軍の原子力潜水艦が琉球の近海での活動を活発にしているのか。何かが始まる初動なのか。米軍によって琉球人は不安な気持ちをかきたてられています。



Qリポートです。アメリカ軍の原子力潜水艦のホワイトビーチへの寄港がこの数年急増していることは、以前にもお伝えしましたが、改めてこちらのフリップをご覧ください。去年、ホワイトビーチに寄港した原子力潜水艦の数は41隻と2006年までと比べると3倍近くに増え、神奈川県の横須賀基地や長崎の佐世保基地への寄港回数が減少傾向にあるのとは非常に対照的です。

また、ことしに入ってからもすでに6隻と過去最高の去年を更新しそうなペースで寄港しています。きょうは放射能を洩らしながら、ホワイトビーチにも寄港していたヒューストンの事故を基に放射能の危険性を考えます。岸本記者です。

CNN「海軍の原子力潜水艦ヒューストンが微量の放射性物質を含んだ冷却水を漏らしていたことがハワイでの定期検査で確認されました。」

去年8月、アメリカのCNNが日本政府の発表より前に第1報を伝えたヒューストンの放射能漏れ事故。

CNN「海軍は原子力潜水艦の安全性を今も強調しています」

ヒューストンは、2006年から2年あまりの間にうるま市のホワイトビーチへも5回寄港していました。

沖縄大学 桜井国俊学長「放射能というのは、我々が感じることが出来ない問題があります。この危機からいかに我々を守るのか 」

大学教授らが中心となって企画し先週うるま市で開かれたシンポジウム。

琉球大学 棚原朗 准教授「日本国内で放射能物質を扱う時は、管理区域という完全に隔離された場所で使わないといけない」

被爆国である日本では原子力に対する警戒感や拒否反応が強く、そのあまり、放射能への理解度が低いと語る棚原准教授。では放射能とは一体、何なのか?棚原准教授の研究施設を訪ねました。

「私について(部屋に)入ってください」「これがその測定器です。1000万円くらいするんですけど」

県内に2台しかない放射能の分析測定器です。

「(中は)こういうふうになっているこれがサンプルなんですね。これだけあれば十分測定できる。この中にどれだけ放射能が入っているか6グラムくらいあれば、十分(分析)できる」

実は、私達の身の回りで放射性物質を含まないものは全く無いといいます。

「今、ゼロにしたんですけど、見てて下さいね 押しますよ。」「この勢いで、あっという間ですよ」

准教授は空気中の放射能測定を始めました。「積算するとたぶん数千(ベクレル)はいってると思う」Q これだけ放射能が出てて問題ない?「これが我々の環境ですよ」

放射能の量を表すベクレルとは1秒間に1個の放射線を出す能力のこと。この放射線を浴びる量が限度を超えると人間や物に様々な影響を与えることになります。

Q 人間の体にも放射能は含まれている?「1秒間に7000(ベクレル)は出てます」Q どうして人間の体の中から出るのか?「それは食物の中に入ってるんですね。それを食べます。それが人間の体の筋肉とか骨に蓄積される」

Q それは健康に問題ないか?「はいわれわれは、古来からそうやって生活してますので」

それでは、ヒューストンの冷却水のバルブから漏れ出した放射能はどれだけの量だったのか?

棚原准教授「ヒューストンが洩らしたのは6300ベクレルと言われていますので、人間が7000ベクレルですので、まあそれと同等くらい」「出てきた放射能の量としては大したことはないが出てきたものは天然のものではないので原子炉から出てきたものなので、天然にないものを撒き散らしているということになる」

しかし、ヒューストンが漏らした放射能の量はあくまでアメリカ軍が発表した数字。

文部科学省はホワイトビーチ周辺の陸地4か所、そして海中の3か所に放射能の測定器を設置し、原潜の入港時に調査していますが、ヒューストンの放射能漏れは全く感知できませんでした。

地元の漁民が一番心配するのは、漏れた放射能の量に関わらず拡大していく風評被害です。

「お客さん自体がやっぱり遠慮するということで、(売れなくなる)懸念はあります」

もずくの県内生産量の5割を占めるうるま市。知念市長は、抗議を通じて原子力潜水艦が寄港する町というイメージが定着するのを恐れています。

うるま市 知念市長「風評被害というのは慎重にならざるを得ないし、その中で(国に)抗議・要請をしていくというジレンマを感じる」

棚原准教授「安全ですよといって果たしてどこまで信頼してもらえるのか昔あった劣化ウランの問題で、風評で久米島のものが売れなくなることがあった。検査したら、全然、放射能は検出されない。でもやはり影響があったかもしれないというだけで売れなくなるのが風評。」

地元の不安をよそに、アメリカ軍は、原潜の寄港が増えた理由さえ明らかにしていません。

アメリカ海軍司令官「私達は現在のところ、潜水艦の事故を想定した日米合同訓練を行う予定はない。」「ホワイトビーチに寄港する原子力潜水艦は非常に安全だ」

アメリカ軍の秘密主義と、住民軽視の姿勢は、ヒューストンの事故の後も全く変わることはありません。

うるま市 知念市長「どれだけ抗議しても米軍はずっと入港しつづけるという現実ですから、ですから安全性が確認されようがされまいが、入港はまかりならんという考えを堅持しようと思っている」

桜美林大学の学生さんの泡瀬干潟開発に対する取組

桜美林大学の林加奈子先生の教え子の遠藤さんから、同大学で泡瀬干潟開発に反対する取組についてメールを頂戴いたしましたので、お伝えします。

大変、貴重な取り組みであり、国、沖縄県、沖縄市は、「経済合理性」がないだけでなく、希少な資源を奪い、海を破壊し、人々の記憶を消し去る行為をやめるべきだと思います。



こんにちは。
桜美林大学の学生団体PINO・泡瀬チームメンバーの遠藤です。


私は、サイパンの海で生きた珊瑚礁やたくさんの魚を見たことをきっかけに、海に関心を持つよ
うになりました。

また、大学の国際協力研修でフィリピンへ行った際には、海洋保護区などを見学し、海を守るこ
との大切さを学びました。

泡瀬干潟埋め立ての問題を知ったのは、メンバーの一人がニュースで埋め立ての映像を見たこと
がきっかけでした。

私たちは、泡瀬干潟の現状を知るために、埋め立て反対運動の中心である「泡瀬干潟を守る連絡
会」の会員であり、「泡瀬干潟大好きクラブ」代表の水野隆夫さんにお話を聞きに行きました。

水野さんは、本物の自然に触れることがとても大事であるということを教えてくださり、私たち
は千葉県の行徳で毎月2回行われている野鳥の観察会にも参加しました。
そこでありのままの自然に触れ、改めて自然を守ることの大切さを感じました。


2月9日には、桜美林大学に水野さんをお招きして講習会を行いました。
水野さんのお話を聞き、国や沖縄県、沖縄市がやっていることは本当にひどいものだと感じまし
た。

講習会に集まったのは20人弱でしたが、みんなが同じ気持ちになってくれたのを感じて心強く思
いました。
この模様は、2月15日の東京新聞(24面)に掲載されました。

これからも少しずつですが、泡瀬の現状を伝える活動を続けていきたいと思っています。

泡瀬干潟の埋め立てを止めるためには、一人の力だけでは足りないけれど、大勢が集まって大き
な力にしていけたら良いと思っています。


最後に、泡瀬干潟を守る東京連絡会と泡瀬干潟大好きクラブが主催するシンポジウムについてお
知らせします。

********************************
◎干潟を守る日2009参加イベント
緊急シンポジウム「救え、沖縄・泡瀬干潟とサンゴの海!
~判決無視の埋め殺し工事をストップさせよう!!」

沖縄本島東海岸に位置する泡瀬干潟は、砂・泥・海草藻場・サンゴ礁など多様な
環境を有し、貝類、甲殻類、ゴカイなどの底生生物、海草、サンゴ、鳥類、魚類
など、そこにすむ生物の多様性は国内有数、生物量も大きく絶滅危惧種や新種が
多数生息するなど世界自然遺産にもなりうる重要な環境です。

そんな生きものの楽園が、今、土砂で埋め殺されようとしています。

沖縄県と沖縄市が計画している海洋リゾート事業と、そこに隣接する新港地区で
内閣府沖縄総合事務局が実施している港湾整備が一体となった中城湾港の開発整
備事業。港湾整備で排出される浚渫土砂が泡瀬干潟地区のサンゴの海に投入され
ているのです。

ずさんな環境アセスメントのあと開始された埋め立て事業は、昨年11月の那覇
地裁判決において、経済的合理性がないと厳しく指摘され、県と市に公金支出
の差し止めが命じられました。

しかし、国は、この判決を無視して、1月中旬より干潟への土砂投入を進めてし
まいました。

このシンポジウムは、泡瀬干潟で今起こっていることを検証し、無駄な開発事業
から泡瀬干潟とサンゴの海を救うために、私達に何ができるかを考えていきま
す。各党からの国会議員にもお集まりいただき、政治解決の道を探っていきます。

◎日時:2009年3月17日(火)18:30~21:00(開場 18:15予定)

◎場所:エデュカス東京(全国教育文化会館)7階大会議室<定員180名>
<最寄り駅:地下鉄有楽町線・麹町駅から2分>
東京都千代田区二番町12ー1 (TEL:03ー5210-3511)
◎参加費(会場と資料代):一般1000円、学生500円

◎主催:泡瀬干潟を守る東京連絡会、泡瀬干潟大好きクラブ
◎後援:泡瀬干潟を守る連絡会、(財)日本自然保護協会、(財)日本野鳥の
会、WWFジャパン、ラムサールCOP10のための日本NGOネットワーク

●主な内容:
・泡瀬地区埋め立て問題の解説・・・
前川 盛治(泡瀬干潟を守る連絡会事務局長)

・泡瀬干潟の生物多様性と保全の意義・・・
山下 博由(泡瀬干潟生物多様性研究会代表)

・埋立事業ありきの環境アセスメントと市民参加の欠落・・・
開発法子(日本自然保護協会保全研究部長)

・沖縄出身歌手による島唄
・各党議員を交えてのパネルディスカッション
「泡瀬干潟を無駄な埋め立て事業から救うために」

・干潟を守る日宣言


【問い合わせ先】
陣内 隆之(泡瀬干潟を守る東京連絡会)
TEL:090-8179-2123、 FAX:04-7154-5629
Email:bi5t-jnni@asahi-net.or.jp
〒270-0115 千葉県流山市江戸川台西4-110

水野 隆夫(泡瀬干潟大好きクラブ)
TEL:090-1944-0345
Email:mahodoriz@orange.zero.jp

黒島の牛祭

2月23日の琉球朝日放送で、黒島の牛祭の番組をしていましたので、お伝えします。以前、黒島に行った時、島の青年たちがいきいきした目で話してくれたことを思い出します。島中の人が皆で力を合わせて、島の生活を作り上げていたことが分かりました。牛祭の島人の手作りです。




毎年この時期に行われる黒島の牛祭りがきのう盛大に行われました。小さな島がこの日ばかりはたくさんの人で賑わう「牛祭り」。島の人手作りのイベントに密着しました。今年は、丑年にちなんで新たな魅力もありました。

石垣島から船で25分。人口220人の小さな島、黒島。島のいたるところには・・・「モー」「モー」「モー」この島には、3000頭の牛が飼育されていて、人の数よりも牛の数の方が多いんです。しかし、年に一度だけ、この牛たちを上回る人々が集まって行われる祭りがあるんです。

村おこしの起爆剤にしようと始まった黒島牛祭り。今年で17回目。当初は竹富町からの補助をうけていましたが、堅苦しい雰囲気ではなく島の人たちが中心となって手作り感あふれる牛祭りを運営しています。

Q:(牛祭は)楽しみですか? おばぁ「楽しみです。」

玉代勢元さん「年に一回お客さん来ますからね。少しでもおいしいものが提供できるように」

畜産業を営む玉代勢元さん。子供のころから牛が大好きで、この牛祭りにも、最初から関わっています。そんな玉代勢さん今回 特に楽しみにしていることが・・・。実は、自分が育てた牛が祭りでの大舞台に立つからなんです。

祭り前日、牛祭りの会場となった広場では、夜遅くまでステージのリハーサル。玉代勢さんは、牛5頭3000食分の料理の仕込みに追われていました。

玉代勢元さん「祭りやりたくない、きつい、つかれたとか自分の仕事したいって思うけど、祭り終わったらすぐ来年こうしようとか、何でか知らんけどそうなっている。毎年だな~。」

祭り当日。島の司が安全と成功を祈願。あとは、始まりをを待つばかりです。訪れる客も年々増え、ことしは、3500人の人が黒島へ・・・

「黒島名物牛祭りの牛汁いかがでしょうか~」

メニューは、牛汁、モモ肉 ステーキなどまさに牛づくしの料理が並ぶ中、おいしそうな香りに誘われてあっというまに人だかりができていました。

参加者「(ステーキを)一時間まちでやっと買ってきました。」「おいしいです。」「だいぶ良くなっている。おもしろくなっているよね。おいしい」

お腹を満たした後は、毎年恒例となった「人間対牛との綱引き大会」です。ここで玉代勢さんが育てていた牛が登場。その名も「屋部 小さな兵隊」とは言いながらも750キロの巨体です。そして今回 私もチームQごろ~という名前で挑戦させてもらいました。

チームQごろ~「QABを覚えてもらいたくて綱引きに挑戦したいと思いますので応援よろしくお願いします。」

大人5人がかりで挑んだんですが・・・。試合が始まった瞬間、踏ん張る間もなくあっさり勝負は決まってしまいました。

チームQごろ~「祭りが始まってまだ勝ってないということだったので、きょうは、いけるかと思ったんですがこんなかっこうになってしまいました。」

今年も牛が圧勝かと思いきや・・・。12人で挑んだ中学生との対戦では開始から生徒らが攻め続け なんと17回目にして初めて牛に勝ちました。

玉代勢元さん「あの牛との綱引きでまさかの中学生パワー怖いですね~。まー愛嬌です。」

祭りのクライマックスは、生きた牛の抽選会。例年だと一頭だけですが、今回は、牛年にちなんで2頭がプレゼンとされます。皆さん、番号くじを手に固唾を呑んで抽選を見守ります。見事ゲットしたのは、石垣市に住むお二人。黒島で育った良質の牛がプレゼントされました。

牛の島ならではのアイデアと島を愛する心が一つになった黒島の牛祭り。人口220人の島からたくさんの元気をもらいました。

参加者の声「楽しかった」「来年は、牛一頭当てたいです。牛一頭あてるぞーおー!」

玉代勢さん「多くの方がね 今の厳しい世の中だけどみんな来てくれるからね。これ見たらまたやらないといけないと思う。きついな~っておもうけどやらないといけないけどたのしいです。

ほんとに盛り上がって楽しそうでしたね。私も一度は、参加したいと思っていて今回夢が叶ったんですが、この祭りは 文字通り住民の目線で企画されていて、来賓挨拶とかもなくみんなで楽しもうという雰囲気にあふれているんですよ。島の人たちが牛と生きる島を誇りに思って団結しているのが伝わってきました

漂着ゴミ対策について

八重山毎日新聞2月21日の記事に、竹富町が国の交付金を用いて漂着ゴミの収集、処分を行うとの記事がありましたので、ご紹介します。漂着ゴミは財源が不足している地域自治体にとって大きな問題であり、ゴミの排出責任は他国にあります。特に多いのが台湾、中国であるといわれています。国は漂着ゴミの発生源を調査して、その国や地域に対し明確に注意を行い、対策を実施する必要があります。それは、外交権を有する国の責任ではないでしょうか。

問題が解決するまでの間は国が予算を投じてゴミ対策を行うべきだと考えます。




国内外からの漂着ごみが問題化するなか、竹富町は今年、国の地域活性化・生活対策臨時交付金を活用し、各島々から漂着ごみを撤去する。

 漂着ごみの処理は、これまで各地域のボランティア団体などが回収・撤去をしてきたが、産業廃棄物扱いとなることから、島内で処理できず、回収ごみの処理費用の捻出が大きな課題となっていた。

今回は、町が去る16日の臨時議会で可決された一般会計補正予算で、同交付金を活用して1391万円の海岸漂着ごみ清掃運搬処理委託費などを計上。

年内に各島々から漂着ごみを撤去することにしている。

 計画では、各島の公民館や環境ボランティア団体と協議したうえで漂着ごみを撤去する海岸を選定。

各島単位で30人~20人の作業員を動員し、海岸に漂着している発泡スチロールやペットボトル、漁具、流木などを回収。石垣市まで海上輸送し、市内の産廃処分場で適正処理することにしている。

 担当する町自然環境課によると、漂着ごみは、西表島など各島の北海岸を中心に多いという。

なんた浜漂着ゴミの清掃活動

2月19日の八重山毎日新聞に、与那国島のなんた浜に大量の漂着ゴミが散乱し、16日祭りで帰郷した人、島の住民が清掃をしたという記事がありましたので、お知らせします。

私も幼い頃、与那国島に住んでおり、なんた浜で毎日のように泳いでいました。そのころは大変、きれいな海でした。港の整備、河川の整備、防波堤の建設など、開発が年々すすみ、イノー、海浜そのものにもかつてのような美しさが無くなってきているように思います。

かつての浜には漂着ゴミはあまりなく、コールタールというタンカーが洋上で廃棄する原油の残りかすが浜を真っ黒にしていたのを記憶しています。



「子どものころのなんた浜はきれいだったよねー」。浦添市に住む今年、生れ年を迎えた崎原ヨシさん(84)は、久しぶりに訪れた古里で歌に名高い「なんた浜」が漂着ごみで汚れているのを目の当たりにして嘆いた。潮風の中、兄弟姉妹らと海草やごみを袋に詰めこんでいった。

崎原さんは、本土と本島内に住む兄弟姉妹ら7人とともに、16日祭の墓参りに帰郷。久しぶりに見るなんた浜に打ち上げられた漂着ごみが散乱する光景に胸が痛んだ。

 この日は、町内に住むヨシさんの姉の池間苗さん(89)の一声で兄弟姉妹が浜の清掃をすることに。苗さんも作業に加わった。

 ごみは大きいビニール袋で12個分。粗大ごみは島に住むおいやめいらの手を借りた。苗さんはヨシさんの若いころを「歌姫と呼ばれるほど、よくこの浜で歌っていた」と回顧。

「幼少のころ、浜で眺めた月は美しかった。月夜の浜で泳いだこともあった」と述懐し、背後にそびえる「ティンダバナタ」を照らす月光で、なんた浜は白くまぶしかったと話した。

 約3時間の作業で浜はすっかりきれいになり、ヨシさんは美しかった昔のなんた浜に思いをはせた。

振興開発によるヤンバルの森の破壊

2月4日の琉球朝日放送は、林道建設によってヤンバルの森が消えていく実態を報じていますので、
お伝えします。私自身が琉球に滞在していたときに見た番組です。沖縄島北部には60本の舗装道路が建設され、日本全国平均よりも早いスピードで開発が進んでおり、このままでは森が消えてしまいます。高い補助率が琉球をダメにしています。




今、地球上の森は、1分間に40ヘクタールずつ消えていてどうやって生態系を守るかが大きな課題。そんな中、来年は日本が「生物多様性条約 締結国会議」の議長国を務めます。

国内では、その生物多様性の代名詞となっているやんばるの自然が今どんどん壊れています。開発の現状と裁判、やんばるの新しい可能性について取材しました。

固有の生き物が多く 世界的に注目されているやんばるの森。しかし、林道やダムの建設で、次々に森が壊され世界自然遺産の候補地でありながら、その夢も遠のきつつあります。

沖縄本島北部にはすでに60本の林道が縦横無尽に走っていて林道の密度も、全国平均が1ha当たり5メートルのところ国頭村は9.6%と、倍近い林道密集地になっています。

関根弁護士「林道を作る場合には補助金がつくんです。内地の場合には50%なんですが沖縄ははねあがって80%なんです。これは公共事業による地域振興ってことで沖縄だけ格別に補助率をかさ上げしている。

たとえば県が2億円自分で資金を用意すると8億円中央から補助が来て、合計10億円の事業ができてしまう」

沖縄が林道だらけになっている理由は高率補助だと指摘するのは大田前知事を訴えた「やんばる訴訟」から関わってきた関根弁護士。また、全国では6割の林道は舗装されていませんが、沖縄の舗装率も88%で、自然への負担が大きいといいます。

関根弁護士「舗装すればそれだけ事業費が多くなりますよね、それがうまみなんです。絶滅のための道路で、作られたところからどんどん動物がいなくなっている状況です」

たとえば、ヤンバルクイナは湿った沢に住んでいますがそこが舗装道に代わってしまえば 住むところが分断され、、また高温になったアスファルトの道に風が入って乾燥ベルト地帯が広がってくるため住むところが無くなり、道に出てきて交通事故につながっています。

増えるヤンバルクイナの事故。その加害者の正体は車ではなく、過剰な開発なのです。そこに、県はさらに新しい5つの路線を計画していて今回の環境調査ではヤンバルクイナやノグチゲラは勿論、クロイワトカゲなど129種の希少生物が確認されました。

伊波義安さん「沖縄のやり方、森林緑地化のやり方は恥ずかしいことじゃないのか。私たちが次の世代に残すのは林道なんですか 自然なんですか」

伊礼洋代さん「自分たちの身勝手な経済活動のためだけに世界の森をつぶすって言うのは本当にいいのかな。」

県には計画の見直しを求める意見書が 100通近く寄せられました。

市川弁護士「これは県だけの問題じゃなくて、あそこの動植物はもう日本全体、 世界にここにしかいないっていうもう、お金に換えられない価値があるわけですよね。」

市川さんは、北海道でも知事を相手に林道裁判を進めていて、「本当の森の財産的な価値」つまり二酸化炭素の吸収や土砂災害の防止などの役割を含めた金額を司法に初めて認めさせた人物。

そんな全国の環境の専門家が加わった「命の森・やんばる訴訟」ではこれ以上の開発は違法だと、公金の支出差し止めを求めています。

市川弁護士「日本ってせまいですよね、その中でいま本当に天然林って言われるものが残っているのは北海道と沖縄なんですよ。この二つで天然林をちゃんと守らなければ天然林ははなくなっちゃうんですよ。人工林だけになっちゃう。」

ウラジロガシやイタジイを主体としたヤンバルの森は「極相林」といって、何世紀もかけ変化した森が最後に安定した形。今、林道の脇で立ち枯れしているイタジイが目立ちますがこの森が元に戻るには 気の遠くなる時間が必要で、固有の動植物は絶滅に追い込まれます。

この楚洲・仲尾線は現在140メートルで工事が中断していますが、この先は、自然の残る伊江川の上流の沢を壊すことになります。ヤンバルクイナやノグチゲラの声も聞こえてくる伊江川。水は 飲めるほどに澄んでいて、川沿いにはノグチゲラの巣の跡が点々とあります

伊波「ここを、林道楚洲・仲尾線が通る時にはここらあたりの大きなイタジイの木、オキナワウラジロガシそういうものが完全に切られてダメになりますね」

この自然豊かな川は、実は去年、あることで注目を集めました。映画 ゲゲゲの鬼太郎の家がここに建てられていたのです。まさに妖怪や精霊たちが生き残っていそうな場所に選ばれたことに、エコツアーガイドの山川さんはその魅力を再認識したといいます

山川さん「ゲゲゲの鬼太郎自体、今思うと、子供のころは思わなかったん  ですけど、人間の開発というか開発をテーマにした部分も多いですからで、そういうこともあってこういった自然の残ってる場所を選んだんじゃないかなと思います」

この鬼太郎ハウスは「やんばる学びの森」という施設に移されていて山川さんはそこでエコツアーのガイドをしています。国頭村はおととし、森林セラピー基地に認定されました。森林が人間に与える活力や癒しを活用しようというもので、ここでは 遊歩道を歩きながら固有種を観察したり心行くまで森を楽しめます。

山原に生まれた山川さんは、山を経済活動に利用すること自体、否定しませんが、あるがままのやんばるが、どんなに訪れる人たちを喜ばせているかを実感し、産業としての可能性を感じています。

山川さん「地域の人が地域のことを知る地域学って言うのは民主教育。ちゃんと知って、その地域の人たちが自分の地域をどうするか、決定するための知識を得たりアイディアを考えたり」

どれだけの林道が、何のために作られ 何を失っているのかまずそれを知ることが、やんばるを本当に生かす方法を考える第一歩なのかもしれません。

こんなに林道があること、知らなかったんですがやんばるの森がどう世界的な価値があるのかについても地元にいる私たちこそピンときていないのかもしれないですねでもそれを知らないと正しい判断もできない。

映画や、裁判がヒントでもいいとおもうんですね宝物を失う前に、そのことに気づいて生かす方向に知恵を絞る。まずは、知ることです。

精神障害者に対する差別問題

2月17日の琉球朝日放送において、琉球に住む精神障害者に対する差別問題についての特集がありましたので、お伝えします。

沖縄県は精神障害者の社会復帰を促す方針をとっていますが、社会で生活するための技術習得を差別するという、矛盾した政策を行っています。すべての人間が差別なくいきていける琉球社会にしていくべきであると思います。




長引く不況の中、雇用不安が続いていますが、障害を持つ方々にとってはより深刻です。こうした中、技術を習得して社会に出るための職業能力開発校で、今年度の入学生の募集を巡り、精神障害者の受け入れが一時拒否される事態がありました。

なぜ、こうした問題が起きたのか。経緯を振りながら、障害者が置かれた厳しい現状について考えます。

木村幸子さん「知ったのは願書が出せる初日です。願書を取りに行ったときに願書あげられないって言われたんです」

本島中部に住む木村幸子さん(仮名)、10年前まで大手の生命保険会社に勤めていましたが、ノルマや厳しい競争社会の中で強いストレスを抱え、そううつ病を発症。仕事を辞め、治療に専念してきました。症状も改善してきたことから、技術を身に着けて再び社会に出たいと、職業能力開発校への入学を目指してきました。

木村さん「受験の勉強もしていましたし、面接もあるということで、面接のイメージも膨らませて。働く、資格を取るイメージを膨らませていました。だからもうがっくり、落胆しました。願書すらもらえないの?受験する資格すらないの?いったいどうなっているのって感じでした」

木村さんはハローワークで障害者登録をし、社会復帰に向けて相談を重ねてきました。好きな草花や木々に触れられる仕事につきたいと話す木村さんに、障害者窓口では具志川校の造園科への入学を勧めてきましたが状況は一転。精神障害者への願書の受け渡しが出来ない事態になったのです。

木村さん「願書を渡せないって伝える担当の方は本当に苦しそうでした」

これは今年の入校願書。そこに添え書きされたのは、精神障害者保健福祉手帳の所持者は訓練対象とならないという文言。

去年、浦添校の障害者コースに入学した精神障害者がトラブルを起こしたことを理由に、沖縄県は今年から受け入れ体制が整っていないとして、精神障害者の入校を除外すること決めたのです。

この対応について、障害者福祉に携わる人々からは怒りの声があがりました。

障害者支援事業所 いじゅ・金城操所長「ハンディを背負った中で、職業スキルというのをつけていかなければならない。それをつける場所がこんなことがあったらどうか」

木村さんの主治医で、精神障害者の就労をサポートしてきた医師はこう話します。

パークサイドメンタルクリニック豊見城・後藤健治医師「去年なんらかのことがあった精神障害の手帳を持っている人がいた。その方に関連して何かがあったとしても、そのことが全ての手帳を持っている人に当てはまるわけではないですから」

精神障害者の受け入れ拒否は人権無視だとして、精神科医や弁護士、福祉関係者らが沖縄県に抗議。その2日後、状況は一転。条件付きで精神障害者の受け入れを認めることになったのです。

ハローワーク沖縄・神山久美子所長「一般コースにおいて、精神障害者の方も申し込みをしていただいて、訓練が受けられる状況にある方には受けていただこうということで、受付をすることになっております」

『1年コースですね。願書受理出来ることになりましたので、記入して下さい』

入学が可能になったとの連絡を受け、木村さんも早速窓口を訪れ願書を受け取りました。ようやくスタートラインに立てたとほっとする一方で、急な方針転換に不信感も拭えません。

木村さん「ずっとこれがもらえなかったんですけれども、願書がほしかったんではなく、学校に行って資格が取りたい。一般コースに入れてもらえるか、まだ不安ではあります」

障害者の人権を擁護してきた弁護士の岡島さんは、今回の問題を社会全体が抱える問題だと指摘します。

岡島実弁護士「県の対応で明らかになったように、障害を持っている人たちに対する抜きがたい偏見がある。障害者だからこうだ、障害者だから一緒にはいられない。その意識が今回の対応に表れてしまっているのではないかと思います。そういう観点からいうと、社会の中での偏見、無理解をなくしていくような活動をしていかないといけないと思う」

新門さん「差別とは何だろう、障害を持って生きるとは何だろう」

先月、障害者差別を考えるシンポジウムが開かれました。その中で高らかに宣言されたのは「障害者の権利を守るための条例」を沖縄県につくろうというものでした。

岡島弁護士「障害のある人の権利、これを正面から承認していく。そのような社会は全ての人たちにとって生きやすい社会になっていくはずだ」

障害の種別を超えて、全ての人の尊厳が守られる社会を目指したい。そこには無関心や認識のなさが引き起こす障害者への偏見や差別をなくしたいという切実な思いが込められています。

八重瀬町歴史民俗資料館の謝花昇展

八重瀬町歴史民俗資料館の名嘉眞朝日学芸員に、謝花昇に関する展示物について詳しく聞きました。同資料館には港川人をはじめ、八重瀬町の歴史民俗についての、興味深い資料、展示物があり、大変、勉強になりました。
名嘉眞さんには大変お世話になりました。心よりお礼申し上げます。

IMG_4498.jpg
謝花とその同士たちが発刊した雑誌です。当時の知事、県の政策を鋭く批判する雑誌ですが、現在、現物がほとんど残っていない幻の雑誌でもあります。知事の迫害にもかかわらず発刊し続けました。

現在においても、琉球の政治経済、文化状況を根本的に批判する雑誌の発刊が強く求められていると思います。

IMG_4501.jpg
謝花の同士である、新垣弓太郎です。早稲田大学の職員として働きながら、旅館業を営み、知事が派遣した刺客から謝花を守っただけでなく、中国の革命家をも支援し、本人も中国に渡り、革命運動に参加した琉球人です。

IMG_4507.jpg
この歴史民俗資料館において謝花と「対話」することができる、琉球では唯一の場所ではないでしょうか。このような場所があることが琉球の希望であるといえます。

IMG_4509.jpg
半日ともに謝花昇の今日的意義について話し合い、案内して下さった与那嶺記者です。琉球のジャーナリストの中でも、最も勇気があり、批判力があるジャーナリストの一人であると思います。これからも謝花昇のように、虚偽を暴き、権力に立ち向かい、多くの事実を住民に伝えてもらいたいと思います。

IMG_4510.jpg
博士論文の中でも謝花昇について書きましたが、与那嶺さんのおかげで再び謝花昇と出会うことができました。資本によって現在の琉球の土地が失われていく状況と、奈良原知事により杣山が売却されていったかつての琉球の状況が重なり合います。特に、琉球人にとって土地とは何か、コモンズとは何かを謝花の闘いを通して再び学びたいと思います。

謝花昇の生誕地を訪ねて

琉球に帰った際に、謝花昇の生誕地、東風平に行ってきました。沖縄タイムスの南部総局で働いている、南灯寮の後輩、与那嶺記者には、大変、お世話になりました。宿舎で手作りの昼御飯を頂戴しました。また、謝花昇についてもいろいろと話を聞かせてもらいました。

IMG_4487.jpg
1879年の琉球併合後、日本人による政治経済の支配が琉球内で顕著になり、鹿児島出身の奈良原知事が絶対的な権限をもって沖縄県を統治し、道理に反することを行ったのに対し、全身をかけて戦った男です。当時、「東風平謝花」とも呼ばれ、不撓不屈の精神を体現する人生であったと思います。

昨年は、謝花生誕100周年でありましたが、特に大きな議論もなく終わりました。伊波、東恩納、金城等、琉球人学者の名前をつけた賞がありますが、謝花昇の名前を冠した賞が現在の琉球にないことに象徴されているように、体制や権力への抵抗、自治の実践ということが軽視される傾向が、現在の琉球にあるような気がします。

21世紀の今日において、謝花をどのように考えるのかが、現代の琉球人に問われているように思います。これは与那嶺記者も主張していることですが、謝花の時代と今日の状況は、ある意味では非常に似ており、危機的状況にあります。謝花のような「自治の実践者」が求められています。

IMG_4494.jpg
謝花とともに、東京で学んだ琉球人の青年たちです。謝花のみが農民であり、東京でも農業を学び、島で活かそうと考えていました。

IMG_4495.jpg
謝花が書いた文字です。「平民」として生きてきた謝花の生き方がにじみ出ています。学問をすすめる、「勉励」からも謝花の強い意志が感じられます。学問のための学問ではなく、社会を平民のために
少しでも良くするのが学問の使命であるとの強いメッセージが伝わってきます。

車座の集い:那覇 2

IMG_4594.jpg
参加者全員が発話するという形にしました。まず、上里さんが図書館、鉄軌道の必要性を訴えました。沖縄県は全国的にも図書館に対する予算が少ないそうです。大人も学び、就職、起業などのためにも図書館をもっと増やし、充実させるべきとの考えです。また、車を増やすような公共事業の使い方ではなく、鉄軌道をつくり、車社会からの脱却を主張しました。

林田さんは福岡からきており、九州、沖縄の道州制にどのようなメリットがあるのかを問題提起をしました。九州の各県にそれぞれ個性があり、まとまっていません。沖縄だけがどうして道州制の議論が盛り上がっているのか。滋賀県知事も道州制には距離をおいており、関西地域も道州制についてバラバラです。

IMG_4595.jpg
母がお茶を差し入れに来たところです。

東江日出郎さんは、フィリピンにおいて下からの民主主義の可能性についてレジュメをつかって説明して下さいました。長年フィリピン研究をされており、参加者もフィリピン社会の実情を詳しく知ることができました。東江さんは尖閣諸島の領土問題、日中米の外交問題、現在の日本における安全保障政策と沖縄の米軍基地との関係について話されました。東江さんによると、2025年に米国の経済問題の影響、米中関係の強化等で、沖縄から海兵隊が大規模に撤退する可能性があるそうです。

上地さんは、沖縄県の雇用政策について話しました。なぜ沖縄は失業者が多いのか。現在の不況において、さらに沖縄の失業者が増えるおそれがある。失業問題を解決するためにしなければならないことを具体的に提示して下さいました。長年、沖縄の経済にかかわられており、説得力がありました。

IMG_4596.jpg
嘉手納さんは塾の講師をしていますが、子どもたちと接していて、言葉に対する感性、コミュニケーション能力の減少に危惧を感じると述べました。全国学力試験で沖縄が2年連続で最下位になっり、子供はもっと勉強すべきであるとの意見があるが、一方、大人は勉強しているのだろうかという問題提起もありました。大人の姿勢が大切であると皆が納得しました。

喜屋武さんは、沖縄において一人が生活するにはどれだけの面積が必要で、それから換算して沖縄の適正な人口規模はどれくらいになるのかという、問題提起をしました。これは現在の移住ブームで毎年、人口が増加し、開発が進む沖縄の現状を大変、憂いている大勢の琉球人の言葉でもあると思います。喜屋武さんの提起を受けて、参加者がそれぞれの立場から適正な規模について語り合いました。

當銘さんは、自治体がIT環境を推進するために、PC施設を整備し、市民が自由にPCに触れ、インターネットを利用する環境にあるが、子供がアダルトサイトを見ていた現場に接したことがあると述べ、ITのメリットとともに、デメリットをも認識して、適切に対処すべきであると提言しました。また、琉球の先人として、現在の混沌とした琉球において、謝花昇、瀬長亀次郎についてもっと学び、行動するべきではないかとの提言もありました。

私の父親は沖縄道州制の問題性について指摘するとともに、NPO法人の理事の一人として、この部屋をいつでも車座の集いの場所として使ってもらいたい、自由に琉球の自治について語ってもらいたいと述べました。

5時間、ほとんど休み時間もとることなく、議論に集中しました。語る、聞く、意見を交換するということが、琉球人が生きていく上で大変、重要で必要としていることであると、あらためて感じました。一人ひとりの生活者が自らの思いを他者と共有し、いまの琉球、自分自身の位置を確かめあうことにもつながるのではないでしょうか。


また次回も知人、友人、友人の友人など人のつながりを使いながら、車座の集いを開いていきたいと思います。


車座の集い:那覇 1

IMG_4590.jpg

先日、沖縄島に帰った際、10人ほどの人を集め、車座で5時間くらい、それぞれが平等な立場で発話し、質疑をする機会をもちました。メンバーは10年、20年、25年以来の付き合いのある先輩、後輩、友達、県議等でした。

午後1時に始まり、終わったのが6時を過ぎていました。形式としては一人15分、自分が島に生活していて考えていることを話し、その後、15分程度で議論をするというものです。対等な立場で、自由に話し合える形をとりました。

写真は左から嘉手納さん、喜屋武さん、當銘さん、父親です。嘉手納さん、當銘さんには、帰郷の際にはいつもお世話になっています。喜屋武さんを含め3人とは、東京にある沖縄人の学生寮、南灯寮の仲間です。

IMG_4591.jpg

同じ島に住んでいながら、それぞれが異なる目線で島のいまを考え、苦しみ、自分なりの実践をしていることが分かりました。
写真は右から上地さん、上里県議、県議のお友達の林田さんです。上地さんからも常に島の経済、政治について学んでいます。上里さんも南灯寮で生活したことがあり、ともに寮で生活した者同士として話も弾みました。

IMG_4592.jpg

沖縄県の分権化、経済自立を促すと、県庁、研究者が高く評価している、沖縄単独特例型の道州制が、沖縄内の一部の既存権力のためのものであり、普通の生活者にとって何のメリットもなく、かえって問題が多いという意見がいくつか出されました。

写真は右から、東江さんの弟さん、父親、東江さんです。

東江さんは、私が浪人時代から知り合いになった那覇高校の先輩です。政治経済、宗教などなんでも知っている、非常に博識な先輩です。弟さんはフィリピン、奄美諸島について研究しています。

IMG_4593.jpg
この部屋はNPOの事務所として登録している部屋です。これからも私が那覇におり、時間があるときには、ここで自由な集いを開いて、日頃考えていることを主張し、議論しあう機会をもうけたいと思います。

社会的立場は違いますが、互いに顔を見ながら、同じ空間を共有しながら、話し合い、自分の心で問うていることを他者との関係性のなかで明らかにしていくことも、ひとつの民際学の方法ではないかと思いました。民際学とは、人と人との関係性、当事者性を重視する学問ですが、龍谷大学大学院には、日本では唯一のその研究コースがあります。

先住民族の権利に関する国連宣言の最終版 7

第41 条 【国際機関の財政的・技術的援助】

国際連合システムの機関および専門機関ならびにその他の政府間機関は、特に、
資金協力および技術援助の動員を通じて、本宣言の条項の完全実現に寄与する
ものとする。

先住民族に影響を及ぼす問題に関して、その参加を確保する方法
と手段を確立する。

第42 条 【宣言の実効性のフォローアップ】

国際連合および先住民族問題に関する常設フォーラムを含む国連機関、各国に
駐在するものを含めた専門機関ならびに国家は、本宣言の条項の尊重および完
全適用を促進し、本宣言のフォローアップ(追跡措置)を行う。

第43 条 【最低基準の原則】

本宣言で認められている権利は、世界の先住民族の生存、尊厳および福利の
ための最低限度の基準をなす。

第44 条 【男女平等】

ここに承認されているすべての権利と自由は、男性と女性の先住民族である
個人に等しく保障される。

第45 条 【既存または将来の権利の留保】

本宣言中のいかなる規定も、先住民族が現在所有している、もしくは将来取
得しうる権利を縮小あるいは消滅させると解釈されてはならない。

第46 条 【主権国家の領土保全と政治的統一、国際人権の尊重】

1. 本宣言のいかなる規定も、いずれかの国家、民族、集団あるいは個人が、国
際連合憲章に反する活動に従事したり、またはそのような行為を行う権利を有
することを意味するものと解釈されてはならず、もしくは、主権独立国家の領
土保全7または政治的統一を全体的または部分的に、分断しあるいは害するいか
なる行為を認めまたは奨励するものと解釈されてはならない。

2. 本宣言で明言された権利の行使にあたっては、すべての者の人権と基本的自
由が尊重される。本宣言に定める権利の行使は、法律によって定められかつ国
際人権上の義務に従った制限にのみ従う。そのような制限は無差別のものであ
り、もっぱら他者の権利と自由への相応の承認と尊重を確保する目的であって、
民主的な社会の公正でかつ最も切実な要求に合致するためだけに厳密に必要な
ものでなければならない。

3. 本宣言に定められている条項は、正義、民主主義、人権の尊重、平等、非差
別、よき統治、および信義誠実の原則に従って解釈される。

【市民外交センター仮訳 2008 年7 月31 日】

改訂 2008 年9 月21 日

7 原語は “territorial integrity”。その他の部分では “territory” をすべて「領域」と訳したが、
この部分については「領土保全」が日本語訳として定着しているため、「領土」とした。

先住民族の権利に関する国連宣言の最終版 6

第28 条 【土地や領域、資源の回復と補償を受ける権利】

1. 先住民族は、自らが伝統的に所有し、または占有もしくは使用してきた土地、
領域および資源であって、その自由で事前の情報に基づいた合意なくして没収、
収奪、占有、使用され、または損害を与えられたものに対して、原状回復を含
む手段により、またはそれが可能でなければ正当、公正かつ衡平な補償の手段
により救済を受ける権利を有する。

2. 関係する民族による自由な別段の合意がなければ、補償は、質、規模および
法的地位において同等の土地、領域および資源の形態、または金銭的な賠償、
もしくはその他の適切な救済の形をとらなければならない。

第29 条 【環境に対する権利】

1. 先住民族は、自らの土地、領域および資源の環境ならびに生産能力の保全お
よび保護に対する権利を有する。国家は、そのような保全および保護のための
先住民族のための支援計画を差別なく作成し実行する。

2. 国家は、先住民族の土地および領域において彼/女らの自由で事前の情報に
基づく合意なしに、有害物質のいかなる貯蔵および廃棄処分が行われないこと
を確保するための効果的な措置をとる。

3. 国家はまた、必要な場合に、そのような物質によって影響を受ける民族によ
って策定されかつ実施される、先住民族の健康を監視し、維持し、そして回復
するための計画が適切に実施されることを確保するための効果的な措置をとる。

第30 条 【軍事活動の禁止】

1. 関連する公共の利益によって正当化されるか、もしくは当該の先住民族によ
る自由な合意または要請のある場合を除いて、先住民族の土地または領域で軍
事活動は行われない。

2. 国家は、彼/女らの土地や領域を軍事活動で使用する前に、適切な手続き、
特にその代表機関を通じて、当該民族と効果的な協議を行う。

第31 条 【遺産に対する知的財産権】

1. 先住民族は、人的・遺伝的資源、種子、薬、動物相・植物相の特性について
の知識、口承伝統、文学、意匠、スポーツおよび伝統的競技、ならびに視覚芸
術および舞台芸術を含む、自らの文化遺産および伝統的文化表現ならびに科学、
技術、および文化的表現を保持し、管理し、保護し、発展させる権利を有する。

先住民族はまた、このような文化遺産、伝統的知識、伝統的文化表現に関する
自らの知的財産を保持し、管理し、保護し、発展させる権利を有する。

2. 国家は、先住民族と連携して、これらの権利の行使を承認しかつ保護するた
めに効果的な措置をとる。

第32 条 【土地や領域、資源に関する発展の権利と開発プロジェクトへの事前
合意】

1. 先住民族は、自らの土地または領域およびその他の資源の開発または使用の
ための優先事項および戦略を決定し、発展させる権利を有する。

2. 国家は、特に、鉱物、水または他の資源の開発、利用または採掘に関連して、
彼/女らの土地、領域および他の資源に影響を及ぼすいかなる事業の承認にも
めて、国境を越えて他の民族だけでなく自民族の構成員との接触、関係および
協力を維持しかつ発展させる権利を有する。

2. 国家は、先住民族と協議および協力して、この権利の行使を助長し、この権
利の実施を確保するための効果的な措置をとる。

第37 条 【条約や協定の遵守と尊重】

1. 先住民族は、国家またはその継承者と締結した条約、協定および他の建設的
取決めを承認し、遵守させ、実施させる権利を有し、また国家にそのような条
約、協定および他の建設的取決めを遵守し、かつ尊重させる権利を有する。

2. この宣言のいかなる規定も、条約や協定、建設的な取決めに含まれている先
住民族の権利を縮小または撤廃するものと解されてはならない。

第38 条 【国家の履行義務と法整備】

国家は、本宣言の目的を遂行するために、先住民族と協議および協力して、立
法措置を含む適切な措置をとる。

第39 条 【財政的・技術的援助】

先住民族は、本宣言に掲げる権利の享受のために、国家からおよび国際協力を
通じての資金的および技術的な援助を利用する権利を有する。

第40 条 【権利侵害に対する救済】

先住民族は、国家もしくはその他の主体との紛争および争議の解決のための相
互に正当かつ公正な手続きを利用し、迅速な決定を受ける権利を有し、また自
らの個人的および集団的権利のすべての侵害に対する効果的な救済を受ける権
利を有する。そのような決定には、当該先住民族の慣習、伝統、規則、法制度
および国際人権を十分に考慮しなければならない。

先住民族の権利に関する国連宣言の最終版 5

第18 条 【意思決定への参加権と制度の維持】

先住民族は、自らの権利に影響を及ぼす事柄における意思決定に、自身の手続
きに従い自ら選んだ代表を通じて参加し、先住民族固有の意思決定制度を維持
しかつ発展させる権利を有する。

第19 条 【影響する立法・行政措置に対する合意】

国家は、先住民族に影響を及ぼし得る立法的または行政的措置を採択し実施す
る前に、彼/女らの自由で事前の情報に基づく合意を得るため、その代表機関
を通じて、当該の先住民族と誠実に協議し協力する。

第20 条 【民族としての生存および発展の権利】

1. 先住民族は、自らの政治的、経済的および社会的制度または機関を維持しか
つ発展させる権利、生存および発展の独自の手段の享受が確保される権利、な
らびに自らのすべての伝統的その他の経済活動に自由に従事する権利を有する。

2. 自らの生存および発展の手段を剥奪された先住民族は、正当かつ公正な救済
を得る権利を有する。

第21 条 【経済的・社会的条件の改善と特別措置】

1. 先住民族は、特に、教育、雇用、職業訓練および再訓練、住宅、衛生、健康、
ならびに社会保障の分野を含めて、自らの経済的および社会的条件の改善に対
する権利を差別なく有する。

2. 国家は、彼/女らの経済的および社会的条件の継続した改善を確保すべく効
果的な措置および、適切な場合は、特別な措置をとる。先住民族の高齢者、女
性、青年、子ども、および障がいのある人々の権利と特別なニーズ(必要性)
に特別な注意が払われる。

第22 条 【高齢者、女性、青年、子ども、障がいのある人々などへの特別措置】

1. この宣言の実行にあたって、先住民族の高齢者、女性、青年、子ども、そし
て障がいのある人々の権利と特別なニーズ(必要性)に特別の注意が払われる。

2. 国家は、先住民族と連携して、先住民族の女性と子どもがあらゆる形態の暴
力と差別に対する完全な保護ならびに保障を享受することを確保するために措
置をとる。

第23 条 【発展の権利の行使】

先住民族は、発展に対する自らの権利を行使するための優先事項および戦略を
決定し、発展させる権利を有する。

特に、先住民族は、自らに影響を及ぼす健康、住宅、その他の経済的および社会的計画を展開し決定することに積極的に関わる権利を有し、可能な限り、自身の制度を通じてそのような計画を管理す
る権利を有する。

第24 条 【伝統医療と保健の権利】

1. 先住民族は、必要不可欠な医療用の動植物および鉱物の保存を含む、自らの
伝統医療および保健の実践を維持する権利を有する。先住民族である個人は、
また、社会的および保健サービスをいかなる差別もなく利用する権利を有する。

2. 先住民族である個人は、到達し得る最高水準の身体的および精神的健康を享
受する平等な権利を有する。国家はこの権利の完全な実現を漸進的に達成する
ため、必要な措置をとる。

第25 条 【土地や領域、資源との精神的つながり】

先住民族は、自らが伝統的に所有もしくはその他の方法で占有または使用して
きた土地、領域、水域および沿岸海域、その他の資源との自らの独特な精神的
つながりを維持し、強化する権利を有し、これに関する未来の世代に対するそ
の責任を保持する権利を有する。

第26 条 【土地や領域、資源に対する権利】

1. 先住民族は、自らが伝統的に所有し、占有し、またはその他の方法で使用し、
もしくは取得してきた土地や領域、資源に対する権利を有する。

2. 先住民族は、自らが、伝統的な所有権もしくはその他の伝統的な占有または
使用により所有し、あるいはその他の方法で取得した土地や領域、資源を所有
し、使用し、開発し、管理する権利を有する。

3. 国家は、これらの土地と領域、資源に対する法的承認および保護を与える。
そのような承認は、関係する先住民族の慣習、伝統、および土地保有制度を十
分に尊重してなされる。

第27 条 【土地や資源、領域に関する権利の承認】

国家は、関係する先住民族と連携して、伝統的に所有もしくは他の方法で占
有または使用されたものを含む先住民族の土地と領域、資源に関する権利を承
認し裁定するために、公平、独立、中立で公開された透明性のある手続きを、
先住民族の法律や慣習、および土地保有制度を十分に尊重しつつ設立し、かつ
実施する。先住民族はこの手続きに参加する権利を有する。

先住民族の権利に関する国連宣言の最終版 4

第11 条 【文化的伝統と慣習の権利】

1. 先住民族は、自らの文化的伝統と慣習を実践しかつ再活性化する権利を有す
る。

これには、考古学的および歴史的な遺跡、加工品、意匠、儀式、技術、視
覚芸術および舞台芸術、そして文学のような過去、現在および未来にわたる自
らの文化的表現を維持し、保護し、かつ発展させる権利が含まれる。

2. 国家は、その自由で事前の情報に基づく合意なしに、また彼/女らの法律、
伝統および慣習に違反して奪取されたその文化的、知的、宗教的およびスピリ
チュアル(霊的、超自然的)な財産に関して、先住民族と連携して策定された
効果的な仕組みを通じた、原状回復を含む救済を与える。

第12 条 【宗教的伝統と慣習の権利、遺骨の返還】

1. 先住民族は、自らの精神的および宗教的伝統、慣習、そして儀式を表現し、
実践し、発展させ、教育する権利を有し、その宗教的および文化的な遺跡を維
持し、保護し、そして私的にそこに立ち入る権利を有し、儀式用具を使用し管
理する権利を有し、遺骨6の返還に対する権利を有する。

2. 国家は、関係する先住民族と連携して公平で透明性のある効果的措置を通じ
て、儀式用具と遺骨のアクセス(到達もしくは入手し、利用する)および/ま
たは返還を可能にするよう努める。

第13 条 【歴史、言語、口承伝統など】

1. 先住民族は、自らの歴史、言語、口承伝統、哲学、表記方法および文学を再

6 原語の“human remains”は、遺髪など、骨以外の遺体全体を含む概念である。

活性化し、使用し、発展させ、そして未来の世代に伝達する権利を有し、なら
びに独自の共同体名、地名、そして人名を選定しかつ保持する権利を有する。

2. 国家は、この権利が保護されることを確保するために、必要な場合には通訳
の提供または他の適切な手段によって、政治的、法的、行政的な手続きにおい
て、先住民族が理解できかつ理解され得ることを確保するために、効果的措置
をとる。

第14 条 【教育の権利】

1. 先住民族は、自らの文化的な教育法および学習法に適した方法で、独自の言
語で教育を提供する教育制度および施設を設立し、管理する権利を有する。

2. 先住民族である個人、特に子どもは、国家によるあらゆる段階と形態の教育
を、差別されずに受ける権利を有する。

3. 国家は、先住民族と連携して、その共同体の外に居住する者を含め先住民族
である個人、特に子どもが、可能な場合に、独自の文化および言語による教育
に対してアクセス(到達もしくは入手し、利用)できるよう、効果的措置をと
る。

第15 条 【教育と公共情報に対する権利、偏見と差別の除去】

1. 先住民族は、教育および公共情報に適切に反映されるべき自らの文化、伝統、
歴史および願望の尊厳ならびに多様性に対する権利を有する。

2. 国家は、関係する先住民族と連携および協力して、偏見と闘い、差別を除去
し、先住民族および社会の他のすべての成員の間での寛容、理解および良好な
関係を促進するために、効果的措置をとる。

第16 条 【メディアに関する権利】

1. 先住民族は、独自のメディアを自身の言語で設立し、差別されずにあらゆる
形態の非先住民族メディアへアクセス(到達もしくは入手し、利用)する権利
を有する。

2. 国家は、国営メディアが先住民族の文化的多様性を正当に反映することを確
保するため、 効果的措置をとる。国家は、完全な表現の自由の確保を損なうこ
となく、民間のメディアが先住民族の文化的多様性を十分に反映することを奨
励すべきである。

第17 条 【労働権の平等と子どもの労働への特別措置】

1. 先住民族である個人および先住民族は、適用可能な国際および国内労働法の
下で確立されたすべての権利を全面的に享受する権利を有する。

2. 国家は、先住民族の子どもたちを経済的搾取から保護するため、および危険
性があり、もしくは子どもの教育を阻害したり、子どもの健康もしくは肉体的
または精神的、スピリチュアル(霊的、超自然的)、道徳的もしくは社会的な発達
に対して有害であると思われるようないかなる労働にも従事しないよう保護す
るため、彼/女らが特に弱い存在であることと、そのエンパワメント(能力・
権利の強化)のために教育が重要であることを考慮に入れつつ、先住民族と連
携および協力し特別な措置をとる。

3. 先住民族である個人は、労働や、特に雇用、または給与のいかなる差別的条
件にも従わせられない権利を有する。

先住民族の権利に関する国連宣言の最終版 3

現在、琉球に来ています。家庭の仕事・行事、調査研究をしています。そして今週の日曜日には、琉球について各自が考えることを自由に議論する勉強会をします。




【前文第24 段落】
以下の、先住民族の権利に関する国際連合宣言を、パートナーシップ(対等な
立場に基づく協働関係)と相互尊重の精神の下で、達成を目指すべき基準とし
て厳粛に宣言する。

第1 条 【集団および個人としての人権の享有】

先住民族は、集団または個人として、国際連合憲章、世界人権宣言および国
際人権法に認められたすべての人権と基本的自由の十分な享受に対する権利を
有する。

第2 条 【平等の原則、差別からの自由】

先住民族および個人は、自由であり、かつ他のすべての民族および個人と平
等であり、さらに、自らの権利の行使において、いかなる種類の差別からも、

特にその先住民族としての出自あるいはアイデンティティ(帰属意識)に基づ
く差別からも自由である権利を有する。

第3 条 【自己決定権】

先住民族は、自己決定の権利を有する。この権利に基づき、先住民族は、自ら
の政治的地位を自由に決定し、ならびにその経済的、社会的および文化的発展
を自由に追求する。

第4 条 【自治の権利】

先住民族は、その自己決定権の行使において、このような自治機能の財源を確
保するための方法と手段を含めて、自らの内部的および地方的問題に関連する
事柄における自律あるいは自治に対する権利を有する。

第5 条 【国政への参加と独自な制度の維持】

先住民族は、国家の政治的、経済的、社会的および文化的生活に、彼/女らが
そう選択すれば、完全に参加する権利を保持する一方、自らの独自の政治的、
法的、経済的、社会的および文化的制度を維持しかつ強化する権利を有する。

第6 条 【国籍に対する権利】

すべての先住民族である個人は、国籍/民族籍に対する権利を有する。

第7 条 【生命、身体の自由と安全】

1. 先住民族である個人は、生命、身体および精神的一体性、自由ならびに安
全に対する権利を有する。

2. 先住民族は、独自の民族として自由、平和および安全のうちに生活する集団
的権利を有し、 集団からの別の集団への子どもの強制的引き離しを含む、
ジェノサイド(特定の集団を対象とした大量虐殺)行為または他のあらゆる暴力行
為にさらされてはならない。

第8 条 【同化を強制されない権利】

1. 先住民族およびその個人は、強制的な同化または文化の破壊にさらされない
権利を有する。

4 原語の “integrity”は、「人間が一体の存在として損なわれていないこと」の意。

2. 国家は以下の行為について防止し、是正するための効果的な措置をとる:

(a) 独自の民族としての自らの一体性、その文化的価値観あるいは民族的アイ
デンティティ(帰属意識)を剥奪する目的または効果をもつあらゆる行為。

(b) 彼/女らからその土地、領域または資源を収奪する目的または効果をもつ
あらゆる行為。

(c)彼/女らの権利を侵害したり損なう目的または効果をもつあらゆる形態の
強制的な住民移転。

(d) あらゆる形態の強制的な同化または統合。

(e) 彼/女らに対する人種的または民族的差別を助長または扇動する意図をも
つあらゆる形態のプロパガンダ(デマ、うそ、偽りのニュースを含む広報宣伝)。

第9 条 【共同体に属する権利】

先住民族およびその個人は、関係する共同体または民族5の伝統と慣習に従って、
先住民族の共同体または民族に属する権利を有する。いかなる種類の不利益も
かかる権利の行使から生じてはならない。

第10 条 【強制移住の禁止】

先住民族は、自らの土地または領域から強制的に移動させられない。関係する
先住民族の自由で事前の情報に基づく合意なしに、また正当で公正な補償に関
する合意、そして可能な場合は、帰還の選択肢のある合意の後でなければ、い
かなる転住も行われない。

5 原語の“nation”は、先住民族の国家を指す場合もある。

先住民族の権利に関する国連宣言の最終版 2

市民外交センター訳の先住民族の権利に関する国連宣言の最終版の続きです。




【前文第9 段落】
先住民族が、政治的、経済的、社会的および文化的向上のために、そしてあら
ゆる形態の差別と抑圧に、それが起こる至る所で終止符を打つために、自らを
組織しつつあるという事実を歓迎し、

【前文第10 段落】
先住民族とその土地、領域および資源に影響を及ぼす開発に対する先住民族に
よる統制は、彼/ 女らが、

自らの制度、文化および伝統を維持しかつ強化する
こと、そして自らの願望とニーズ(必要性)に従った発展を促進することを可
能にすると確信し、

【前文第11 段落】
先住民族の知識、文化および伝統的慣行の尊重は、持続可能で衡平な発展と環
境の適切な管理に寄与することもまた認識し、

【前文第12 段落】
先住民族の土地および領域の非軍事化の、世界の諸国と諸民族の間の平和、経
済的・社会的進歩と発展、理解、そして友好関係に対する貢献を強調し、

【前文第13 段落】
先住民族の家族と共同体が、子どもの権利と両立させつつ、自らの子どもの養
育、訓練、教育および福利について共同の責任を有する権利を特に認識し、

【前文第14 段落】
国家と先住民族との間の条約、協定および建設的な取決めによって認められて
いる権利は、状況によって、国際的な関心と利益、責任、性質の問題であるこ
とを考慮し、

【前文第15 段落】
条約や協定、その他の建設的な取決め、ならびにそれらが示す関係は、先住民
族と国家の間のより強固なパートナーシップ(対等な立場に基づく協働関係)
の基礎であることもまた考慮し、

【前文第16 段落】
国際連合憲章、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、そして市民
的及び政治的権利に関する国際規約、ならびにウィーン宣言および行動計画が、

すべての民族の自己決定の権利ならびにその権利に基づき、彼/女らが自らの
政治的地位を自由に決定し、自らの経済的、社会的および文化的発展を自由に
追求することの基本的な重要性を確認していることを是認し、

【前文第17 段落】
本宣言中のいかなる規定も、どの民族に対しても、国際法に従って行使される
ところの、その自己決定の権利を否認するために利用されてはならないことを
心に銘記し、

【前文第18 段落】
本宣言で先住民族の権利を承認することが、正義と民主主義、人権の尊重、非
差別と信義誠実の原則に基づき、国家と先住民族の間の調和的および協力的な
関係の向上につながることを確信し、

【前文第19 段落】
国家に対し、先住民族に適用される国際法文書の下での、特に人権に関連する
文書に関するすべての義務を、関係する民族との協議と協力に従って、遵守し
かつ効果的に履行することを奨励し、

【前文第20 段落】
国際連合が先住民族の権利の促進と保護において演じるべき重要かつ継続する
役割を有することを強調し、

【前文第21 段落】
本宣言が、先住民族の権利と自由の承認、促進および保護への、そしてこの分
野における国際連合システムの関連する活動を展開するにあたっての、更なる
重要な一歩前進であることを信じ、

【前文第22 段落】
先住民族である個人は、差別なしに、国際法で認められたすべての人権に対す
る権利を有すること、およびその民族としての存立や福祉、統合的発展にとっ
て欠かすことのできない集団としての権利を保有していることを認識かつ再確
認し、

【前文第23 段落】
先住民族の状況が、地域や国によって異なること、ならびに国および地域的な
特性の重要性と、多様な歴史的および文化的背景が考慮されるべきであること
もまた認識し、

先住民族の権利に関する国連宣言の最終版 1

福岡にお住まいの手 島 武 雅さんから、貴重なメールを頂戴いたしました。以前、このブログで「先住民族の権利に関する国連宣言」を掲載いたしましたが、それは人権小委員会の草案訳であり、最終版はNGOの市民外交センターで翻訳したものがあるとのご指摘でした。ご指摘感謝いたします。

手島さんには私が学生のころ、ともにジュネーブの国連欧州本部において開催された先住民族作業部会に参加し、それ以後も、いろいろと先住民族、アイヌ民族、琉球人の自決権等について国際法の観点から教えてもらっています。


また、手島さんから「『先住民族の権利に関する国連宣言』を読む――原則と争点――(前文編)」
非公開草稿という、貴重な原稿も送って下さいました。勉強して、琉球人にとって同宣言をどのように使えるかを考えてみたいと思います。

同宣言の最終版翻訳を何回かにわたり次に掲載します。




先住民族1の権利に関する国際連合宣言(仮訳)
国連総会第61 会期 2007 年9 月13 日採択
(国連文書A/RES/61/295 付属文書)

【前文第1 段落】
総会は、国際連合憲章の目的および原則、ならびに憲章に従い国家が負ってい
る義務の履行における信義誠実に導かれ、

【前文第2 段落】
すべての民族が異なることへの権利、自らを異なると考える権利、および異な
る者として尊重される権利を有することを承認するとともに、先住民族が他の
すべての民族と平等であることを確認し、

【前文第3 段落】
すべての民族が、人類の共同遺産を成す文明および文化の多様性ならびに豊か
さに貢献することもまた確認し、

【前文第4 段落】
国民的出自または人種的、宗教的、民族的ならびに文化的な差異を根拠として

1 原語の“Indigenous Peoples”は、国連憲章、市民的及び政治的権利に関する国際規約および経
済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の共通第1 条において自己決定権を有する人民
の意で使用されている。

民族または個人の優越を基盤としたり、主唱するすべての教義、政策、慣行は、
人種差別主義であり、科学的に誤りであり、法的に無効であり、道義的に非難
すべきであり、社会的に不正であることをさらに確認し、

【前文第5 段落】
先住民族は、自らの権利の行使において、いかなる種類の差別からも自由であ
るべきことをまた再確認し、

【前文第6 段落】
先住民族は、とりわけ、自らの植民地化とその土地2、領域3および資源の奪取の
結果、歴史的な不正義によって苦しみ、したがって特に、自身のニーズ(必要
性)と利益に従った発展に対する自らの権利を彼/女らが行使することを妨げ
られてきたことを懸念し、

【前文第7 段落】
先住民族の政治的、経済的および社会的構造と、自らの文化、精神的伝統、歴
史および哲学に由来するその生得の権利、特に土地、領域および資源に対する
自らの権利を尊重し促進させる緊急の必要性を認識し、

【前文第8 段落】
条約や協定、その他の国家との建設的取決めで認められた先住民族の権利を尊
重し促進する緊急の必要性をさらに認識し、

2 個人の所有と取引の対象となる近代的土地所有権とは異なり、そこに住む民族と精神的なつな
がりを持ち、分かつことのできない結びつきを持った大地を指す概念。

3 先住民族の生活空間全般を指し、土地、海域、水域およびその上空を含む広範な空間概念。

雇用不安問題

1月30日の琉球朝日放送で、雇用問題についての特番がありましたので、お伝えします。

琉球では従来から、日本全体の2倍の失業率で、雇用環境は大変苦しかったのですが、現代、雇用
不安はさらに悪化しています。

沖縄県は企業誘致、日本への出稼ぎ推進で失業問題を解決しようとしています。しかし、観光、IT産業の対部分の労働者は、派遣、パートであり、新たに不安定な職種が増大するだけです。

景気が悪くなると、日本で働いていた労働者が帰ってきて、失業者が増えます。『琉球の「自治」』でも、議論しましたが、「働くことの意味」をもう一度根本から考え直して、雇用問題に取り組む必要があると思います。






雇用への不安が長期化する中、各自治体では臨時職員の雇用といった緊急雇用対策に乗り出しています。シリーズ「雇用危機」3回目のきょうは、行政の対応とこれからの雇用情勢の見通しについてお伝えします。

『あなたを那覇市の臨時職員に採用します』

先週、那覇市役所で行われた臨時職員の任用通知書交付式。深刻化する雇用問題を受け、那覇市はいち早く臨時職員の緊急雇用策を打ち出しました。採用枠は110人。これに対し158人の応募がありました。

那覇市経済観光部・大嶺英明部長「定員の50%上回って応募があるということは、今の市民の皆様の雇用状況の厳しさを反映してのではないかと思います」

期間は3月末までのおよそ2か月間。採用された人のうち40人余りが、今回の経済危機のあおりを受け本土で職を失った出稼ぎ労働者です。

30代の臨時職員「トヨタ自動車の工場でラインの方入ってまして」

50代の臨時職員「(Q:仕事を辞められたのはだいたいいつ頃?)12月の11日です。これ(臨時職員の仕事)がなかったら路頭に迷っていた状態だったので、すごく助かっています」

嘉数守さん(36歳・仮名)もその一人です。

嘉数守さん「愛知県で自動車関連の部品の工場で働いていた。(解雇は)去年の10月です」

県内ではこれまでに20の市町村が具体的な臨時職員の緊急雇用に乗り出していて、ついに先週、県も採用の方針を固めました。

いずれも、2月と3月の2ヶ月間と短期ですが、県内の雇用枠は合わせて最大633人規模と、過去にない雇用対策となっています。

採用から一週間がたった今週水曜日。嘉数さんたちの仕事は、4月から罰金制度がスタートする市の路上喫煙防止条例の調査や市民への周知活動です。この日は、罰金の対象となる国際通り周辺の煙草の吸い殻の現状調査。3人一組。全員が今回の臨時職員です。日給は6260円。

50代の臨時職員「(仕事は)充実してます。見えない部分も見えてきた。実際街は汚いじゃないですか。この2ヶ月間で、次の仕事の足がかりになれば満足です」

嘉数守さん「初めて(吸い殻が)こんなに多いんだと思いました。ここ4,5年は派遣会社に登録して、仕事紹介してもらって(沖縄と本土を)行ったり来たりです。不安ですよ。(就職)状況は厳しいと思います。

あの2月3月、これからいっぱい本土から(失業者が)帰ってくると思います。(Q:また出稼ぎに?)いや、思わないです。これを機会に沖縄でちょっと落ち着いて、仕事を探そうと思っています」

大嶺部長「この1週間の臨時職員の表情を見て、仕事に就いたということで、精神的な安心感が生まれたんじゃないか。気持ちに余裕が出たことによって、次のステップを考えてもらいたい」

今回の雇用危機に、一定の効果を果たしていると見られる各自治体の緊急雇用対策。しかし、先行きが全く見えない経済情勢を前に、彼らの不安が消える日はそう近くはないようです。

取材にあたった実近記者です。雇用情勢まだ厳しいですか?

実近記者「最新の雇用情勢がきょう出ました。二つのグラフを見ていただきたいんですが、まずこちらは7年前からの県内の求人数の推移です。求人や求職は季節によって大きく異なりますので、同じ月で比較してほしいのですが、太い赤いラインが今年度です」

だんだんと減っていますね。

実近記者「今回の12月でガクンと、この7年で最低並みに落ち込みました」

仕事が本当になくなったということですね。

実近記者「この現実は深刻に受け止める必要があります。一方、もう一つのグラフなんですが、これは仕事を求める人、求職者の数なんですが、確かに11月よりは比較的増えていますが、過去7年で特に多いわけではないのです」

100年に一度の経済危機と言われますけど、求職者がすごく増えているわけではない。

実近記者「原因としては、景気が悪くなると就職するのが難しくなりますから、自発的な離職が減っている可能性があります」

実近記者「こうした数字から沖縄労働局では、近く、県内の雇用情勢が過去最悪のパニック的な状況に陥る可能性は低いと見ています」

冷静に見る目も必要ということですね。

特に行政は経済対策を誤りますと、深刻な影響を及ぼしますので、今年はこうした雇用情勢の的確な分析、慎重な判断、迅速な対応、こうしたことがカギになるといえます。

自決権確立へ活動展開/薩摩支配400年琉球処分130年/「問う会」結成集会

1月31日の沖縄タイムス夕刊に、自決権確立へ活動展開/薩摩支配400年琉球処分130年/「問う会」結成集会と題する記事が掲載されていましたので、お伝えします。

前利さんも同集会で、講演されています。今年5月に沖永良部島で開く予定のゆいまーるの集いでも、奄美大島、沖永良部、沖縄島、鹿児島側から歴史家、文化人類学者をまねき、400年を考えるシンポジウムが行われる予定です。同シンポジウムは、前利さんが企画し、和泊町役場主催として実施されます。またパネラーと、集いの参加者との意見交換も行う予定です。




 「薩摩の琉球支配から400年・日本国の琉球処分130年を問う会」の結成集会が三十日、那覇市の教育福祉会館であり、約二百人の関係者が参加。

琉球・沖縄の近現代の歴史を踏まえながら、沖縄社会の自決権を確立するための活動を展開することを確認した。

 同会は参加者が一部修正した会の規約案、活動計画案などを承認。今後、国連や日本国への要請行動のほか、県内各地での講演会の開催、薩摩侵攻や琉球処分で亡くなった人々の慰霊祭、戦跡フィールドワークの実施などの活動を継続して行う方針。

 記念講演で彫刻家の金城実さんが「沖縄の人々はこれまでもことあるごとに大衆決起した。『問う会』を発足させることで、これから沖縄の自決権を確立させるための入り口にしたい」と強調。

また奄美からの報告では知名町職員の前利潔さんが「奄美の日本への復帰運動で薩摩支配や琉球処分は肯定的にとらえられたが、いまだ総括的な議論はない。四百年を契機に歴史を問い直したい」と話した。

| ホーム |


 BLOG TOP