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Yasukatsu Matsushima

Author:Yasukatsu Matsushima
1963年琉球石垣島生まれ。石垣島、南大東島、与那国島、沖縄島にて育つ。

その後、東京、グアム、パラオ、沖縄島、静岡、京都、滋賀にて学び、働き、生活する。

著書に『沖縄島嶼経済史―12世紀から現在まで』藤原書店、2002年
『琉球の「自治」』藤原書店、2006年
『島嶼沖縄の内発的発展―経済・社会・文化』(編著)藤原書店、2010年、
『ミクロネシア―小さな島々の自立への挑戦』早稲田大学出版部、2007年
『琉球独立への道』法律文化社、2012年
『琉球独立論ー琉球民族のマニフェスト』バジリコ、2014年
『琉球独立ー御真人の疑問にお答えします』Ryukyu企画、2014年
『琉球独立宣言ー実現可能な5つの方法』講談社文庫、2015年
『民際学の展開ー方法論・人権・地域・環境の視座から』(編著)晃洋書房、2012年
『琉球列島の環境問題ー「復帰」40年・持続可能なシマ社会へ』(編著)高文研、2012年
『3・11以後何が変わらないのか』(共著)岩波書店、2013年
『島嶼経済とコモンズ』(編著)晃洋書房、2015年
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島津藩侵略400年を考えるシンポジウムの開催

29日に沖縄島の那覇で、島津藩侵略400年を考えるシンポジウムが開催されました。このシンポジウムの実行委員会には、本NPOの安里さん、高良さん、海勢頭さんもかかわっておられます。
歴史の検討、見直しから始まり、次の、現実の琉球の自治をさらに一歩前に進めるために、各人がどのような行動、実践をするのかが問われていると思います。

豊見山さんが主張される薩摩支配でも琉球側に主体性があったという事実については、私も知っています。それは沖縄島の事例が主であり、奄美諸島、宮古八重山諸島では事情が異なるのではないかという印象を持ちます。薩摩支配下で主体性があった琉球人がなぜ、いま、主体性を失ったのか。時代的、構造的なな違い、支配の質についても考え、過去と今と未来をつなげる議論をしなけらばならいのではないかと思います。


30日沖縄タイムスの報道です。


薩摩支配下でも主体性/シンポ 近世琉球振り返る/自立と帰属めぐり議論

 「薩摩の琉球支配から400年・日本国の琉球処分130年を問うシンポジウム・大激論会」(主催・同問う会)が29日、那覇市の教育福祉会館であった。近世琉球が薩摩支配下でも主体的に日本と交渉していたことを確認したほか、約200人の参加者が加わった激論会では、歴史を踏まえ、沖縄が日本に帰属していることの意味を問い直す発言が相次いだ。

 第1部では近世の薩琉関係について琉球大学教授の豊見山和行氏が基調講演。琉球が薩摩に隷属的に支配されていたとする通説を誤りと指摘しながら「侵略初期の従属状態から琉球が主体性を回復する過程を考える必要がある」と強調した。

国家や社会、民衆のあり方についてさまざまな事例を紹介しながら、王府の薩摩藩への主体的抵抗の根拠に琉球の村(百姓)社会の自立性があることなどを説明した。

 パネルディスカッションでは沖縄本島のほか、宮古、八重山、奄美の各地域からパネリストが参加。

 宮古郷土史研究会会員の下地和宏氏は、近世宮古が薩摩と琉球王府の二重支配下にあったことを指摘しながら「宮古アイデンティティー」の確立を報告。

 また環境ネットワーク奄美代表の薗博明氏は、道州制で鹿児島と沖縄どちらに所属するかとの質問に対して「どの行政区に入るかでなく島々の特性を生かすような選択をすることが重要だ」と話した。

 第2部の激論会ではフロアも交え意見交換。「現在も軍事基地があり植民地状態にある沖縄から、基地を撤去することが必要だ」

「島くとぅばを大事にして自分たちの足場をしっかりさせることが大切だ」などの声が出たほか、「沖縄独自の憲法を作ることで国家に抗するべきだ」の意見もあった。

 このほか会では、国連が琉球民族を国内立法下で先住民族と公的に認めるよう勧告したことについての報告もあった。


30日の琉球新報の記事です。
激論「進入」か「侵略」か 薩摩の琉球支配400年シンポ2009年3月30日

薩摩の琉球支配から400年を振り返り、意見を交わす討論者たち=29日、那覇市の教育福祉会館
 「薩摩の琉球支配400年を問うシンポジウム・大激論会」(薩摩の琉球支配から400年・日本国の琉球処分130年を問う会主催)が29日、那覇市の教育福祉会館で開かれた。

1609年に薩摩が琉球を侵略したことについて、県内の歴史研究者や奄美の特定非営利活動法人(NPO法人)代表らが登壇し、さまざまな視点を提示した。

 問う会共同代表の平良修氏は薩摩の琉球侵略について「『侵攻』または『進入』とよく聞くが、なぜはっきり『侵略』と言わないのか。言い換えるのはどこかに侵略した側の自己弁護、甘さがある」と指摘。

また「廃藩置県」の用語についても「『廃国置県』だ。言葉に対する違和感を失っていないか」と疑問を呈した。

 八重山文化研究会の砂川哲雄氏は、薩摩と琉球支配下の八重山近世史について言及した。琉球王府が八重山の住民に課した人頭税、その後の大津波、疫病などで苦しめられた歴史について「八重山近世の歴史は政治・経済の面では薩琉二重支配、文化面でも薩琉二重受容の歴史だ。こうした複合的・構造的な支配が八重山に悲劇の歴史を刻んだ」とした。

 NPO法人環境ネットワーク奄美代表の薗博明氏は奄美が沖縄本島の北山・中山、米国に占領された歴史などを説明した。

 豊見山和行琉球大学教授は基調講演の中で、琉球国像や、住民像について発言。薩摩支配下で、琉球が主体性を回復していく時代や、住民について「羊のように従順な琉球人像の再検討が必要だ」と指摘した。


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琉球の慰霊団、トンガの民主化運動、韓国による海底資源開発

昨年4月、5月の太平洋諸島ニュースをお伝えします。
宜野座会長と話をしたことがあります。宜野座さんは、太平洋戦争で家族をミクロネシアの島で失い、戦後39年間も毎年、ミクロネシアの島々を琉球から参加者を募り訪問し、慰霊祭を行っています。またミクロネシアの若い人を琉球に招くなど、民際交流も実践している方です。


5/27 PIR /Marianas Variety
沖縄の慰霊団がサイパンにおいて39回目の慰霊祭を行った。


沖縄の高齢者達は、第二次世界大戦においてサイパンで死亡した人々を弔うために毎年サイパンを訪問し続けている。

南洋群島帰還者会の宜野座朝憲会長は、サイパンでの慰霊祭は今年で39回目となるが、多くのメンバーが高齢者となり海外旅行が身体的に困難になってきており、次世代にこの慰霊祭を続けてもらいたいと語った。

同島にある沖縄平和塔で行われた慰霊祭には100人の老若男女の沖縄人が参加した。宜野座は今年78歳になるが、出生地はサイパンである。

宜野座は「私はサイパンで生まれ、ここに来なければならないという思いがある。若い世代にこの慰霊活動を続けるように言っているが、若い世代はサイパンで生まれたわけでもなく、この慰霊祭を若い世代が続けるかどうかは難しいかもしれない」と語った。


現在でも王政が続いているトンガでは、国王家族、貴族等の特権階級による政治経済の支配に対して民主化を求める運動が行われています。


4/1 PIR /Radio New Zealand International
トンガの文化とデモクラシーが対立している。

弁護士で、トンガ法律協会の会長であるニウ氏は、トンガ王国における民主主義は、トンガの慣習や伝統によって脆弱な状態に陥っていると述べた。

ニウ氏は次のようにアテニシ大学において語った。トンガが民主主義の国になるには、国民の多数者による統治が実現する必要がある。しかし、現在のトンガでは、国王が絶対的な権限を有し、また貴族たちも権力をもっており、少数者による統治がおこなわれている。

国民が民主主義を求めるなら、投票によって多数者が決定できるようにしなければならない。民主主義に向けた、トンガにおける政治改革は、経済的にも、社会的にも利益をもたらすであろう。


太平洋海底には豊富海底資源が存在することが明らかになっています。日本政府もかつて太平洋海底資源開発のための調査を行っていました。貴重な鉱物資源ではありますが、それを引き揚げて、精錬し、販売するためのコストを考えると必ずしもすぐに開発できるという状況にはありません。現在、金価格が上昇し、レアメタルに対する需要も伸びていることから、開発に対する動きは2009年現在もみられるようになっています。



4/8 PIR /Matangi Tonga
韓国がトンガ海域にある海底鉱山の開発権をえた。

銅、亜鉛、金等の鉱物資源を含む熱水鉱床が900万トン以上存在しているとみられている、トンガの海域に属する2万平方キロメートルの海底における、排他的な鉱物開発権を韓国は手に入れた。

開発が実施されれば、これから30年間、毎年30万トンの鉱物資源が生み出されるであろう。商業生産は2010年から始まる予定である。

現在、韓国は鉱物資源の90%を輸入に依存しており、韓国政府は海外における資源開発を進めている。韓国政府の組織である、韓国海洋調査開発機構は2000年からトンガ周辺の海域においてマンガン・クラストの開発を行っており、これまで調査のために600万米ドルを支出してきた。

宮良公民館の意思

3月28日の八重山毎日新聞が宮良公民館によるリゾート分譲住宅建設計画に反対の意思を示したことについて報じていますので、お伝えします。
宮良地区はアカマタ、クロマタの祭祀でも有名な地区です。公民館の反対理由に村の信仰を守るというものがあり、経済利益よりも信仰を上に見ていることに、大変な喜びを感じました。

八重山諸島において公民館は自治の最重要拠点であり、資本は住民の自治を無視してまで、その暴力性に牙をむくのかが問われています。自治の意思を無視してまで、宮良の高級な、真新しい家に住みたいと思う人がいるのでしょうか。



総会で決議、業者や市に提出

宮良公民館(成底辰夫館長)は15日の定期総会で、宮良川河口付近で(株)マルナカが計画しているリゾート型分譲住宅について反対する決議を行い、27日までに石垣市に提出した。同社にも送付した。

決議は「宮良川河口の自然環境の悪化と天然記念物への悪影響にながる」「聖地周辺が大きく変貌することで祭祀(さいし)の継続が危惧(きぐ)され、分譲住宅の住民とのいさかいが発生する」ことが懸念されるとして「断固反対」の意志を示している。

 同社は現在、石垣市と事前協議中。市側は去る5日の市景観形成審議会(石垣久雄会長、委員12人)に諮ったところ、建物の高さが景観形成基準を超えていることなどから継続審議となっている。

 公民館が反対の意志を明確にしたことで、同審議会での議論に影響を与えそうだ

「市民のちからによって社会を変えるには-私にできること-」講座のご紹介

龍谷大学エクステンションセンターにて行われる講座の紹介をさせてください。

2009-04-25(土) ~ 2009-07-04(土)15:00 ~ 16:30の日時で計5回の講座が行われます。
テーマは「市民のちからによって社会を変えるにはー私にできること」です。

市民が主体に諸活動に参加することで、社会をどのように変えていくのかを具体的な事例を通じて学びます。社会が抱える問題を市民自身が解決していく、市民による、市民のための学問である民際学についての講義もあります。

京都各地におけるまちづくり、アジア・アフリカと日本の市民社会の連携、琉球列島における自治等の事例を、視聴覚教材を使って分かりやすく紹介し、参加者のご意見を交えながら互いに楽しく学ぶ講座にしたいと考えています。

(1) 4月25日 (土) 民際学と琉球列島の自治担当:松島 泰勝
(2) 5月2日  (土) 京都におけるメディアによるまちづくり担当:松浦さと子

(3) 5月9日  (土) 京都市民によるまちづくり担当:辻田 素子
(4) 5月30日 (土) 京都の商店街を活性化するには担当:伊達 浩憲

(5) 6月20日 (土) アフリカと日本の市民が手をつなぐ担当:大林  稔
(6) 7月4日  (土) アジアと日本の市民による民際協力担当:中村 尚司

受講料
会員:6,600円
一般:10,200円 会員には別途
年会費3,000円が必要です

ご関心がおありの方は、同センターのホームページから申し込んでくださるほか、次の場所に連絡して下さい。

龍谷エクステンションセンター
〒612-8577 京都市伏見区深草塚本町67
(京都)TEL:075-645-7892(月~土 10:00〜16:00)

トンガの日本大使館、フィジーのクデターと中国、PNGと中国との軍事協定、日本とソロモン諸島

昨年5月の太平洋情報を多くします。
日本の大使館が今年トンガに設立される予定です。設立の理由は中国によるトンガをはじめとする太平洋諸国との関係強化に対する「あせり」があると考えます。


5/15 PIR /Matangi Tonga
日本政府がトンガに大使館を設置する。

来年、日本政府は、ヌクアロファに大使館を設立する。昨年から日本政府は大使館設立を検討しており、設立に関する調査団も派遣された。

ヌクアロファにある大使館としては、中国大使館に次いで2番目の大使館となろう。

日本は、これまで、道路・高校校舎・小学校校舎の建設、村の水道整備、漁業振興等の援助をトンガに対して実施してきた。太平洋諸国の中で全権大使がおかれた日本大使館はパプアニューギニア、フィジーにある。


2000年に発生したクデター後、フィジーに対し、豪州、ニュージーランドを中心に各種の制裁措置がだされていますが、内政不干渉をモットーに中国の経済支援が強化されています。

5/17 PIR /Fijilive
2006年のクーデター以来、中国のフィジーに対する援助金が激増している。

豪州やその他の欧米諸国がクーデターを起こしたフィジー政府に対する援助金を削減しているのに対し、中国は同国への援助金を劇的に増加させている。

2005年における中国のフィジーへの援助金は67万米ドルであったが、2007年にはそれが1億1170万米ドル(中国の太平洋島嶼国全体に対する援助金の半分相当)に増加した。

2007年における豪州のフィジーへの援助金は1400万米ドルであった。

バイニマラ暫定首相は政権を奪取するとともに、中国との関係を強化し、元の財務大臣のアコイ氏を駐北京フィジー大使に任命した。


中国とパプアニューギニアも経済的関係が深まっていますが、軍事的な協力関係も進められています。


5/19 PIR /PNG Post-Courier
パプアニューギニア政府が中国政府と軍事訓練協定を締結した。

パプアニューギニアと中国は軍事訓練協定を締結し、今後2年から3年にかけて、パプアニューギニア軍が中国において軍事訓練を実施するだろう。

同協定に基づき、技術分野においても中国軍が支援を行う。また、タウラマ軍事病院も、中国からの援助金で修繕、拡張される予定である。

パプアニューギニア軍の関係者は、上海にある海軍基地を含む、中国にあるほとんどの軍事施設を視察した。


日本企業の鉱物資源開発はパプアニューギニアが中心でしたが、ソロモン諸島でも実施されようとしています。太平洋には海底資源も豊富にあるとされており、今後、海底資源をめぐる開発競争も激化する可能性があります。
5/19 PIR /Solomon Star
日本の企業がソロモン諸島における鉱山開発を進めている。

住友金属鉱山会社は、ソロモン諸島において鉱山開発を進める予定である。開発予定の鉱山の金属には、鉄、ニッケル、コバルト、マグネシウム、シリカ等が含まれているとされている。

同社は高圧装置を活用して鉱山開発を行うが、世界でも高圧装置による鉱山開発ができる会社は多くないとされている。

チョイソール島やイザベル島における鉱山開発の見通しがたったら、同地に開発プラントが建設されるだろう。もしも鉱石の精錬プラントも同地に設置されたら、地元政府の収入や雇用の増加も期待され、ソロモン諸島にとっても経済的利益がもたらされるだろう。

喜山荘一さんの『奄美自立論』を読んでください

喜山さんの『奄美自立論』南方新社が出版され、ご本を頂戴いたしました。心よりお礼申し上げます。また御出版を心よりお喜び申し上げます。

喜山さんとは大阪と東京でお会いし、お話をいたしました。気さくな方で大変親近感の持てる方ですが、奄美諸島、なかでもご出身の与論島に対しては人並ではない強い思いとマブイを感じることができる人でした。

今後、この本によって、多くの人々が奄美諸島について考え、「奄美自立」にむけて実践するようになるのではないかという、予感がしています。

本の帯には次のような文字があります。
「1609年、琉球侵略 以降400年現在に至るまで、奄美は琉球ではない大和でもない、と「二重に疎外」されてきた。その構造と克服への道を、各地で出自を隠すように生きてきた60万奄美同胞に提起する。同時に、国内植民地としての奄美の現実を広く明らかにする。」

喜山さんの紹介をします。

喜山荘一(きやま そういち) 1963年、与論島生まれ。東京工業大学工学部卒業。マーケター。 著書に、『図解Eメールマーケティング実践講座』(2000年、インプレス)、 『一億総マーケター時代の聞く技術』(2005年、阪急コミュニケーションズ)、 『ウェブコミ!』(2005年、ランダムハウス講談社)、 『ビートルズ 二重の主旋律』(2005年、メタ・ブレーン)、 『10年商品をつくるBMR』(2007年、ドゥ・ハウス)などがある。


また、この本をめぐり喜山さんとお話をするのが楽しみです。





龍谷大学民際学研究会を4月11日に開催します

次のような研究会を龍谷大学で行います。
ご関心があり、議論に参加したい方は、このブログのメールアドレス宛てにてお知らせください。ともに学びあいましょう。


日時:4月11日(土) 13:00より(終了は19:00ごろの予定)

会場:龍谷大学紫英館2階第1共同研究室

テーマ1:「パラオにおける海面上昇問題と住民参加による課題解決の可能性」(三田貴さん)

テーマ2:「どうみるマーシャル諸島の米核実験影響」(竹峰誠一郎さん)

フィジーとインド・EU,ソロモン諸島女性による自治、台湾の太平洋戦略

昨年5月の太平洋諸島のニュースをお伝えします。
フィジーは1874年にイギリスの植民地になり、インドから多くのインド人が入植し、サトウキビ産業に従事しました。現在でもインド人がフィジー国民の半分近くを占めます。フィジーから産出される砂糖の主要市場はEUであり、保護措置によって輸出市場が守られています。琉球の製糖業と似た性格ともっています。


5/1 PIR /Fijilive
フィジーはインドから砂糖を輸入し、自国産の砂糖をEU諸国に輸出する。

フィジーは今年も、国内市場向けにインドから砂糖を輸入する。フィジー砂糖公社によると、4万5千トンの砂糖がインドから輸入され、フィジー産の砂糖は、割増金が支払われるEU市場向けに輸出される。

このような方式は昨年から始まった。昨年、旱魃による生産量の減少により、フィジーは、EU市場への輸出割当量を充たすことができなった。

EUとのコトノウ協定により、通常は17万2500トンの砂糖の輸入割当がフィジーに与えられているが、2008年はそれに加えて5万6500トンの輸入割当が認められることになった。


ソロモン諸島はアジア諸国向けに木材の輸出国でもありますが、乱伐により環境問題が深刻になった地域もあります。島の森を守るために島の女性たちが立ち上がったのです。


5/4 PIR /Radio New Zealand International
ソロモン諸島の女性たちが樹木の伐採を阻止している。

ブーゲンビル島の女性グループが、マウント・オースティンにおける伐採場に至る道路を塞いで、自分たちの土地を使うことに抗議している。

女性たちに相談することなく、樹木の伐採が破壊的に行われており、地元の道路を使うことを認めないと、女性グループの広報担当者であるヒルダ・ヒル氏が述べた。

同島では女性が土地権を継承しており、彼女たちの土地で開発を行う際には、事前に彼女たちと相談しなくてはならない。しかし、伐採業者は、マウント・オースティンでは破壊的な伐採活動をしておらず、チェーンソーで小規模な樹木を切って製材しているだけだと反論している。


中国と台湾は太平洋島嶼国との外交関係締結をめぐり、様々な外交戦略を実施しています。ODA,民間投資、中国人・台湾人の移住等です。中国、台湾はそれぞれの観点から太平洋地域を重視しています。


5/5 PIR /Radio Australia
台湾の副首相が、「太平洋スキャンダル」で辞任した。

台湾の副首相が、パプアニューギニアが台湾と外交関係を結ぶために用意された3000万米ドルが2人のビジネスマンによって着服されたという、外交的スキャンダルの責任を取って民進党を辞任した。

台湾政府は、同スキャンダルは民間の企業家によってなされたものであると主張している。シンガポールの高等裁判所が、2人のビジネスマンの銀行口座を凍結するという台湾の請求を認めたことによって、このスキャンダルが先週明らかになった。

2人のビジネスマンは、台湾とパプアニューギニアとの外交関係締結のための仲介者として活動していた。2人のビジネスマンのうち一人は台湾人、もう一人はシンガポール人である。

北マリアナ諸島の衣料工場、グアム大学と海兵隊移設、マーシャル諸島の海面上昇問題

昨年の6月の太平洋諸島ニュースをお伝えします。
8年前にサイパンに行きましたが、その時には多くの衣料製造工場があり、アジア人の女性たちが労働者として働いていたのを見ました。世界経済の動き、経済体制・環境が変わると、島の経済はひとたまりもありません。依存経済の怖さを示しています。



PIR /Saipan Tribune
北マリアナ諸島の衣料製造企業の倒産が増えている。

米連邦政府による最低賃金上昇の制度が、過去18カ月間における、北マリアナ諸島の衣料製造業倒産の最大の原因であるといえる。

衣料製造業の倒産とともに北マリアナ諸島政府の財政収入も大きく減少している。WTOの加盟諸国において生産割当の制限撤廃もまた同産業衰退の原因である。

2003年ごろから同産業の衰退が始まった。価格の安い、アジア諸国で生産される衣料品との競争に敗北するようになった。電気代、輸送コスト、労賃、原材料費、製造コストにおいて北マリアナ諸島で生産される衣料品が割高になったのである。

現在、操業を続けている企業で働いている従業員総数は1751人であるが、最盛期の全従業員数は1万6千人である。


琉球にある、ある大学は基地関連の補助金によって大学内施設が建設されています。かつてグアム大学に行った時、迷彩服を着た学生が大学で学び、大学内には軍事演習施設がありました。海兵隊のグアムへの移設が、「大学の自治」にも影響を与えています。



6/25 PIR /Pacific Daily News
グアム大学が基地増強計画から利益を得ようとしている。

グアム大学のアンダーウッドグアム大学学長は、グアム商工会議所の会議において、大学の将来像について次のように語った。

「沖縄からの海兵隊、その家族の移転により、大学において看護、教育、環境科学、ソーシャルワーク等において教育需要が増大することが考えられ、大学もその需要に応えることができるように体制を整備する必要がある。グアムにこれから起こる変化に対応できるようなモデルはどこにもない。」


かつてマーシャル諸島のマジュロ島に行った時、海面が海砂を払い、岩盤が露出し、ヤシの木が海側に傾斜している風景を見ました。地球温暖化問題は島の人々にとって自らの生存にかかわる問題になっています。


6/25 PIR /Yokwe
マーシャル諸島出身の男性が気候変動問題の証言者として活動している。

数百人の国際的組織、市民社会のリーダーたちがスイスジュネーブに集まり、気候変動問題について今週、会議を行っている。

地球人道フォーラムの第1回会議が開催され、「気候変動の証言者」として、被害を受けている地域の代表5人が会議でスピーチを行った。

その中にマーシャル諸島から参加したビン氏がいた。ビン氏は次のように述べた。「私は大変怒っている。私の土地はどこいったのか。あなたがたは何をしてくれたのか。私の土地を返してくれ。

私の先祖は自分たちの手で自分が食べるものを育ててきたが、今は米国から輸入された缶詰を食べるようになった。」

中国の対トンガ援助、仏領ポリネシアの基地、パプアニューギニアの草の根銀行

昨年6月の太平洋諸島ニュースをお伝えします。近年、中国の太平洋島しょ国に対する援助が増えていますが、中でもトンガに対しては多くの援助金を提供しています。


6/12 PIR /Matangi Tonga
中国の太平洋島嶼国に対する援助金の中でトンガに対するものが最も多い。

太平洋諸島フォーラムに属している島嶼国の中で、中国は自らと外交関係を締結している島嶼国にのみ援助金を提供している。

現在、中国の太平洋島嶼国に対する年間の援助額は1億米ドルから1億5千万米ドルに上ると見込まれている。中国から援助金を受けている太平洋島嶼国の中でトンガに対するものが最も多い。

トンガは、中国と外交関係を有している島嶼国の中でも人口が少なく、資源も少ない国である。またトンガと中国との貿易額も多くない。台湾と外交関係を結んでいるソロモン諸島と中国との貿易額の方が多い。

トンガの排他的経済水域も他の島嶼国のそれと比べても広くはない。中国がトンガに関心を有している理由として、トンガが台湾との外交関係締結に切り替わるのではないかとの恐れが指摘されている。

また中国の援助に対する不満もある。中国援助によって建設された施設等は、太平洋諸島が有する諸条件と合致せず、中国の建設会社、中国人労働者、中国から輸入された資材等が導入されるため、地元民が雇用されず、地域経済への波及効果が大きくないという問題もある。


1996年まで仏国は仏領ポリネシアという自国領土において、核実験を行っていましたが、現在は、核実験基地を閉鎖しました。また同地域に駐留する仏国陸軍、空軍の縮小を進めています。


6/19 PIR /Oceania Flash
トンサン仏領ポリネシア大統領が、基地縮小にともなう補償を求めている。

仏領ポリネシアのトンサン大統領は、仏陸軍部隊の縮小がフランス政府により発表されたが、仏領ポリネシア駐在の仏国陸軍の縮小にともなって生じる経済的補償を求めるつもりであると述べた。

サルコジ仏国大統領は、軍隊の縮小は2011年から2015年の間に行われると述べた。仏領ポリネシアにある空軍基地でも現在240人の人員が65人に縮小される。

同領土に駐屯している陸軍は約1100人が削減される。1996年に、仏領ポリネシアにおいて核実験を行う基地CEPが閉鎖された際に、基地閉鎖の経済的影響を緩和するために、インフラ、経済投資のための資金として約4億6400万米ドルを仏国政府は提供した。


パプアニューギニアは国土は広いですが、社会組織は小さな単位が多く、言葉も多様な社会です。地域共同体が強固なこのような社会においては、マイクロクレジットが有効な働きをするでしょう。


6/18 PIR /PNG Post-Courier
パプアニューギニアにおいて草の根銀行が営業活動を拡大している。

草の根銀行として一般に知られている、ワウ・マイクロ銀行が営業活動を拡大し、7番目の支店をポートモレスビーに設置した。

2010年までに国内に20の支店を設け、100万人の顧客を2013年までに得るという目標を立てた。同銀行は、マイクロファイナンスサービスを一般の住民に対して行っている。同銀行は、アジア開発銀行とパプアニューギニア政府との合意の下で実施されたパイロット事業として、2004年に設立された。

低所得者、自営業者、中小企業者の日常的な資金需要を充たすために融資を実施している。

北中城村の自給自足のこころみ

3月18日の琉球朝日放送で、北中城村における自給自足の試みを報じていましたので、お伝えします。沖縄県全体からみると、他からの移入物への依存が大きく自給率が日本全国平均よりも低いです。村、地域レベルから、子どもたちが口にする給食から、自給自足を実践していくことが足腰の強い自治につながると思います。




美ら島の提案です。地元の食材を地元で消費する「地産地消」。その最先端をゆく北中城村の取り組みをご紹介します。地域振興やエコにもつながるこだわりの学校給食を岸本記者が取材しました。

「1年2組の給食当番です。給食を取りに来ました!」学校での大きな楽しみの一つ「給食」幼い頃の思い出と結びついた懐かしい味を誰もが覚えていると思いますが、北中城村の小中学校の給食には、他の市町村には無いある特色があります。

「ニラは和仁屋出身のひがせいぶんさん」「じゃがいもは熱田のおおしろきよしさん」「農家のみなさんが心を込めて作った・・」

そう、北中城村ではその日の献立に使われた食材を作った地元の農家を給食の時間に放送で紹介。食育にも繋げています。

朝8時過ぎ。 村内の小中学校の給食、1800食をまとめて作る共同調理場には地元農家のトラックが次々とやってきます。

農家「孫が今、小学校にいるんですけどね」「子供達の口に入るということはもう完全に無農薬で臨まないといけないと思ってね」農家「僕も地域で育って同じ北中城小と中学校を卒業したのでその生徒達に僕が作った野菜を食べてもらえるのは嬉しい」

この日、調理場に入ってきた野菜は、チンゲン菜にキャベツ、ニラやジャガイモなど7種類。地元の食材の使用実績は2005年度の170万円から急激な伸びを見せ、今年度は660万円と4年間で4倍近くに達する勢いです。地産地消を地域振興に繋げる秘訣はどこにあるのか?

北中城村立学校給食共同調理場 楚南兼二さん「A(規格)品についてはやはり本土に出荷してもらってやはり規格外でも味は変わりませんので」「仕入単価を抑えることによっていろんな食材、他の食材の確保に努めている」

調理場では、市場で販売できない野菜も積極的に仕入れています。その価格は市場より3割以上安く、例えばニンジンでは、規格品が1キロ当たり180円するのを120円で仕入れ。農家にとっては、規格外品も捨てるのではなく現金化できるため地産地消はビジネスとしてもしっかりと成立しているのです。

農家「こういった規格外も取って頂くのはとても助かる」

この日のメニューは地元のじゃがいもをしっかりと濾し、チーズやパセリと混ぜてほっこりと揚げた手作りのじゃが丸。そして、ちんげん菜や大根、ニンジンなど野菜たっぷりの雑炊。こちらはカルシウムたっぷり、大豆と小魚の黒糖がらめ。そしてメインのおかずはトーフチャンプルーです。

調理師「沖縄料理とかは残る傾向があるんですけど、」「塩を薄くして隠し味で甘く砂糖やみりんを入れたりそういった感じで食べやすくしている」

北中城村立 島袋小学校「手を合わせてください」「おいしい給食を頂きます!」

地元の旬の野菜をふんだんに使った献立。農家や調理師達の給食に対する思いは子供達にもしっかりと伝わっているようです。

「おいしいです 野菜が好き」「給食のゴーヤは食べられる。給食で好きになった」「残さず食べないといけないなって思う」

食事の後、それぞれ自分で後片付けをする子供達。皿やお椀は食べ終わった後とは思えないほど奇麗で残飯もほとんど出ませんでした。

宮里奈菜子教諭「ほとんど全員の子が残さずに食べれるので」「他の学校と比べると」「やっぱり、いっぱい食べようという意識が高いですね」

県内では給食費の納付率の低さも問題になっていますが、北中城村の納付率は98%。親が支払う給食費は、食材費だけにしか使えないことから、納付率の低さはそのまま給食の質の低下にも直結することを理解し給食に関心を持つ親も北中城村では多いといえます。

「おいしい給食を御馳走様でした!」

北中城村立島袋小学校新垣幸枝校長「ありがとうの意味になるのよってことで非常に偏食も少なくなりましたし、マナーも良くなりました。全部にいい影響を与えています。」「給食は、センター、生産者、学校と」「つながって連携している成果だと思う」

北中城村共同調理場 楚南兼二さん「一町村では限りがあると思いますので、そこを中部全体で特産物の物々交換みたいな感じでやっていけば各市町村が潤う」「これを県全体に広げていければ産業振興や地域振興が図られると思う」

北中城村では、年間8000万円の給食費のうち来年度は全体の8分の1にあたる1000万円の食材を地元で調達しようと意気込んでいます。

食べるということは、まさに生活の基本ですから学校給食を通して、子ども達がふるさとの味に触れて、それを作った地域の人達への感謝の気持ちも育めるというのは素晴らしいですよね。

その通りですね県内では毎年、65億の給食費が生徒の親から集められているということですが、このうち県産の食材はまだ9億円しか使われていないそうで、この比率を高めていくことは、地元の零細農家の育成にも直接結びついて県全体の活力にもつながるといえそうです。

フィジーのルックノース政策、フィジーの貧困問題、マーシャル諸島の基地経済

昨年7月の太平洋ニュースをお伝えします。
かつて、マレーシアのマハティール首相が日本の経済発展に注目する「ルックイースト」を掲げましたが、フィジーは北にあるアジア諸国に関心を寄せる「ルックノース」政策を進めています。その課題についてのニュースです。


7/22 PIR /Fiji Times
フィジーの「ルックノース」貿易政策によって経済利益が上がっていない。

フィジー政府による「ルックノース」貿易政策が実施されて7年たつが、輸出市場の拡大という点からみて何ら進展がみられない。

南太平洋大学のガニ准教授は次のように指摘している。「フィジーとアジアとの貿易関係は、フィジーの長期的な経済成長という面において重要である。しかし、アジア重視のルックノース貿易政策は期待された経済利益を生んでおらず、むしろアジア諸国からの輸入額が増大し、フィジーの輸出市場の拡大につながっていない。中国向けのフィジーの輸出額は減少している。

フィジーは、アジア諸国における人々の所得増大という状況を活用して、積極的にアジア市場への輸出を促すべきである。」


かつて私がフィジーに行った時、スラム街に行きましたが、都市部の貧困問題は現在でも深刻化しています。


7/22 PIR /FijiSUN
フィジー人口の35%が貧困状況におかれている。

フィジーの貧困者の中でも最も貧困状況にあるのが、農村地域に住むインド人であり、彼らの44%が基本的必要貧困線以下の状態で生活している。

南太平洋大学のナーセイ教授は、新著『フィジーにおける貧困の数量的分析』において以上の事実を明らかにした。

同教授は次のように述べている。「フィジー政府はアジアとの貿易重視を訴えるノースルック政策を実施しているが、むしろ国内における貧困問題の解決を重視すべきである。土地利用改革を早急に進める必要がある。

また、フィジー政府は、公的部門、雇用、教育、その他の分野における民族差別政策を撤廃しなければならない。民族的差別が貧困をもたらしている。」


琉球と同じくマーシャル諸島にも米軍基地があり、基地経済が形成されています。ミサイル迎撃実験を行っており、米国の軍事戦略上の拠点になっています。


7/24 PIR /Yokwe Online PIR
マーシャル諸島のクワジェリン環礁で働く米軍基地雇用員が削減される。

今後5年間で、クワジェリン環礁にある米軍基地において働いている軍雇用員が削減される予定である。

それによりマーシャル諸島経済にも深刻な影響を与えるだろう。同国は石油価格の高騰というエネルギー危機の影響をすでに被っており、今月初めに「経済緊急状態」を宣言した。

米軍基地の軍雇用員は2012年までに現在の1000人から700人に削減される予定である。それにともない、同国の給与税等の税収も400万米ドルから250万米ドルに減少するだろう。

クワジェリン環礁は97の島々から構成されるが、そのなかで11の島を、第二次世界大戦後、米国政府が賃貸し、「ロナルドレーガン実験場」として米軍ミサイル実験を実施している。

ミクロネシア人の米軍人、パプアニューギニアと中国、フィジーと台湾

昨年、6月,7月の太平洋諸島のニュースです。
米国と自由連合協定を結んでいる、パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島の国民は米軍に入隊できます。イラクなどの戦地でもこれらの島国の若者が死亡し、傷ついています。



6/27 PIR News Release from Embassy of the United States of America in FSM
 ミクロネシア連邦から29人の青年が米陸軍に入隊した。

ポンペーイにおいて、29人のミクロネシア人青年が米陸軍入隊の宣誓を行った。 米国とミクロネシア連邦の間で締結された自由連合協定により、ミクロネシア連邦の国民は米軍に入隊することができる。

入隊すれば、教育、収入、保険、医療、技術訓練、旅行などの様々な機会を得ることが可能になる。新隊員は、米国において基本的な訓練や、歩兵訓練、ロジステックス、メンテナンス、医療活動、セキュリティー等の業務訓練を行う予定である。


パプアニューギニアと中国との経済的関係は非常に深まっており、木材をはじめ多くの資源が中国に輸出されています。



7/4 PIR /The National
パプアニューギニアからの全木材輸出の89%は中国向けである。

パプアニューギニアと中国との貿易と投資に関するシンポジウムにおいて次の事実が明らかになった。

2000年に比べるとパプアニューギニアの中国に対する木材の輸出額は3倍に増加し、その結果、日本や韓国に代わって、中国が木材の主要な輸出先国となった。昨年は全木材の89%は中国に輸出され、10億米ドルの収入を得ることができた。

木材や木製加工品の輸出額は、同国のGDPの6%を占め、財政収入、税収、雇用等の経済効果を地域社会に与えている。


フィジーと外交関係を結んでいるのは中国ですが、台湾政府の外交拠点も同地におかれており、台湾企業の活発な投資もみられます。日本よりも、中国、台湾の人や企業の投資、活動が存在感を顕著に示すようになっています。


7/16 PIR /Fijilive
フィジーの主要産業に対して台湾の投資家が関心をもっている。

台湾から12人の投資家がフィジーを視察し、観光業、農業、林業、製薬業等における投資可能性について調査を行っている。

視察団の1人はすでにフィジーにココナッツオイル加工会社を設立し、製品を台湾に輸入しようとしている。

他の投資家はミネラルウォーターの製造に関心を持っている。台湾の関係者は、フィジーは観光地としてだけではなく、投資対象地としても有望な国であると述べた。フィジーに対する他国の投資活動が減少しているなかで、台湾投資家の視察が歓迎されている。

ツバル人の移住、太平洋諸島における失業問題、フランスと太平洋諸島との関係強化

昨年8月の太平洋諸島のニュースです。
私が3年ほど前にツバルに行き、首相と話をしたときにも、海水が地中からわき出るツバルでは人が住むことが大変困難であり、琉球の島々でもツバル移民を受け入れてもらいたいとおっしゃってました。


8/19 Radio New Zealand International PIR
ニウエがツバルからの難民に門戸を開いている。

ニウエのタラギ首相は、気候変動にともなう海面上昇により生存の危機に直面しているツバルの住民がニウエに移住するための支援を広く太平洋諸国に求めた。これまで100人のツバル人がニウエに移住したが、彼らはニウエ人と大変良好な関係を築いて生活している。

さらに多くのツバル人がニウエに移住すれば、ニウエが抱える最大の問題である人口減少問題を解決することも可能になるだろう。



失業問題は琉球の島々だけではなく、太平洋諸島の都会化した地域でも同様な問題として深刻化しています。


8/25 Fiji Times PIR
太平洋諸島において失業問題が拡大している。

シドニーに拠点をおくシンクタンク、独立研究センターの報告書によれば、太平洋諸島における失業問題が最大の不安定要素になっている。同報告書は次のような諸点を指摘している。

南太平洋島嶼国において経済的、社会的、政治的問題が解決できなくなると、人々は暴力に訴える傾向にある。失業者の一団が暴力に訴えるようになるのは時間の問題である。太平洋諸島にすむ男性約200万人、つまり5人のうち4人の男性は都市部または農村部において失業状態にある。

パプアニューギニア、ソロモン諸島、バヌアツ、フィジーではこれまでクーデター、軍事反乱、市民動乱等の問題が発生しており、太平洋研究者によって、これらの島嶼国は「不安定の孤」であると呼ばれてきた。


現在、米国、豪州、日本、中国、台湾等の環太平洋の大国も太平洋諸国との関係を強化していますが、地球の裏側にあるフランスも自国の領土を中心とした太平洋諸島の関係に重点をおく傾向がみられます。


8/29 Oceania Flash PIR
フランスが太平洋地域との関係強化を進めている。

フランス政府は、太平洋地域にあるフランス領であるニューカレドニア、仏領ポリネシア、ウォリス・フツナと他の太平洋諸島との関係を強化する「統合」政策を推進している。

同政策は数年前から始まったが、太平洋諸島フォーラムがニューカレドニアと仏領ポリネシアに対し「準メンバー」の地位を与えたことで、その成果が表れたといえる。先週ニウエで開催されたフォーラム総会には、太平洋地域担当フランス大使のロウセル氏が出席したが、同大使は、太平洋地域とフランス領の島々を統合させるための「太平洋基金」を管理している。

2006年に第一回の「フランス・オセアニア」サミットがパリで開催されたが、来年8月、9月にニューカレドニアのヌーメアで第二回のサミットが開催される予定である。その際にはサルコジ大統領も出席する予定である。

奄美大島名瀬の親子ラジオ

3月11日の南海日日新聞で「親子ラジオ」について書かれてありましたので、お伝えします。
南琉球ではすでに消滅してしまったようですが、「親子ラジオ」はその名前も心温まります。




木製の小さなスピーカーから流れる新民謡や島唄のメロディー。奄美市名瀬の市街地をエリアに放送を続ける「親子ラジオ」が、来年で開局六十周年を迎える。
大島紬の織り技術者を中心に、庶民の日常に溶け込んできたささやかな娯楽だが、現実的には、紬産業の衰退に歩調を合わせるかのように、ラジオの設置台数も減少の一途をたどっている。

 親子ラジオは米軍共同聴取施設を活用した有線ラジオで、戦後、沖縄や奄美で開設された。

 奄美市の親子ラジオは、同市の名瀬市街地を中心に、浦上町、平田町、小宿の三方までをエリアとしている。島唄や昭和前半の歌謡曲を中心に、出船・入船、時期によっては市議会の様子も放送する。

受信機の設置時に三千円がかかるが、それ以外の負担は毎月の受信料千五十円だけ。電気料も利用者の負担にはならない。

 発信元は名瀬鳩浜町の大洋無線。現社長の岡信一郎さん(62)の父・源八郎さん(故人)が、戦後間もない一九五二年、米軍政下の奄美で創業した。復帰後の六三年には奄美でもNHKテレビが見られるようになったが、奄美ではすぐに受像機を購入して恩恵を受けられる市民は少なく、手軽に聴ける親子ラジオは庶民の間に広く浸透したという。

 特に重宝したのは、基幹産業の大島紬製造に携わる織り技術者たち。当時、市内には多数の紬工場があり、どの工場にも親子ラジオが据え付けられていた。

 岡さんによると、紬の生産反数と比例するかのようにラジオの設置数も増加。反数が二十九万七千六百二十八反とピークを迎えた七二年には、設置台数も三千五百を超えたという。

 ところが、近年の紬不振で生産反数が減少。織り技術者も少なくなり、設置台数は二〇〇〇年に千九百四十四、〇四年に千三百三十まで激減。現在はついに約六百まで落ち込んだ。

 「このままでは、奄美の文化と共に歩んできた親子ラジオの歴史が終わってしまう」。岡さんの友人で、自らも大島紬業を営む重村斗志乃利さん(58)ら有志は、親子ラジオを「絶滅危惧(きぐ)希少企業」とネーミングし、存続へ向け動き始めた。高校生によるバンド出演など、新たな構想も練っているようだ。
 
運営資金は受信機の設置費用と毎月の受信料のみ。「二人の従業員の給料を支払うと、自分の食べる分も残らないのが現状」と話す岡さん。

一方「親子ラジオは沖縄にも既に残っていない。日本でただ一つの貴重な放送手段の火を消したくはない」と六十年の節目を前に、表情を引き締めた。

 同市名瀬井根町の紬工場。今も木製の受信機が、奄美の文化を流している。四十年以上、織りに携わっているという女性(65)は「ラジオからの懐かしい音楽は心地良いね。作業がはかどる」とほほ笑んだ。

竹峰誠一郎さんの里海論レジュメ

竹峰さんが現在、三重で進められている里海研究プロジェクト研究会で発表されたレジュメをご本人の了解を得て掲載します。

伊勢湾再生研究プロジェクト・社会系グループ 公開研究会
2009/03/08 桑名中央公民館
「里海」とは

竹峰誠一郎

1.はじめに
1-1 近年注目を集める「里海」
 沿岸域の環境保全に取り組む市民活動の場
・高知県柏島 NPO 法人「黒潮実感センター」
人と海が共存できる持続可能な「里海」づくり、「里海セミナー」の開催

 漁業者による活動の場でも
・千葉県木更津 NPO 法人「磐州里海の会」
・静岡県浜松市「はまなこ里海の会」
・『里海通信』(全漁連・環境・生態系保全チーム=発行)
 マスコミ報道

・『毎日新聞』社説(08 年12 月24 日)
「『里海』創生――海を身近にするチャンス」
・NHK 「伊勢湾答志島――里海の四季」(07 年2 月ローカル放送→全国放送)
 Web 上でも
・Google 検索「里海 の検索結果 約 171,000 件」(09 年3 月現在)

・Wikipedia にも登場
 国が推進政策に位置づけ
・水産庁『水産白書』(07 年度)「『里海』の再生をめざして」
・「海洋基本計画」(08 年3 月)「『里海』の考え方の具現化を図る」
・環境省「里海創生事業」支援(08 年度から)

「里海30 選」の選定(10 年度から予定)
・国土交通省「里浜づくり宣言」(03 年)
→08 年は「里海元年」(中島満 web 上「MANA しんぶん」)

1-2 認知度が高まる反面……
 言葉が独り歩き
・「人によって認識が違う。……言葉が独り歩きした面もある」
(尾川毅・環境省閉鎖性海域対策室、09 年1 月31「里海シンポin 志摩」)
 「里海」の氾濫(中島満 web 上「季刊『里海』通信」)

・「『海』や『漁村』を、なぜ「里海」と表現したほうがよいのか」
 なぜに「里海」?(水産政策審議会第20 回企画部会、07 年11 月)
・「湾を、海辺を『里海』『里海』と強調する意味がどこにあるのか」
・「里山の形成が非常に大事だというのは一般の国民にも分かりやすいと思って
いますけれども、一般国民が「里海」という言葉に今現在なじみがあるのか」

・「海岸の環境整備については相当国民の理解を得られる」が、なぜに「里海」?
 「『里海』という言葉への警告」(向井宏:海の生き物を守る会)
・シンポ「『周防の生命圏』から日本の里海を考える」、08 年7 月、山口県
「『里海』と称して人手を入れることは環境を悪化させることでしかないので、__
私は海に親しむ海岸を作る-みんなが考えているような『里海』を作るには自然
の海岸を守ること、これが一番大事だと思います」

1-3 本発表の材料とねらい
 柳哲雄氏の「里海」
・プロフィール=九州大学教授・理学博士、専攻は沿岸海洋学
沿岸域の物質輸送に関与する物理・化学・生物過程の研究に従事

・なぜとりあげるのか
里海の提唱者「90 年代後半に『里海』という概念を思いついた」(柳2006:95)
・資料=柳哲雄(2006)『里海論』恒星社厚生閣

 中島満氏の「里海」
・プロフィール=水産業界紙の記者・編集者を経て、現在フリーライター
「まな出版企画」代表→雑誌『季刊 里海』、『海の守り人論』(1,2)等発刊
海と人との関わり、特に漁業権とその地域実態に関心を寄せ取材を続ける

・なぜとりあげるのか
「里海」を社会系にどう引きつけていくのか様々な示唆
・資料=「『里海』って何だろう?――沿岸域の利用とローカルルールの活用」
(『水産振興』第487 号、2008 年7 月)をはじめとする中島氏の論稿および
インタビュー(2009 年2 月13 日:東京)
⇒ <ねらい>「里海」という言葉をどう理解し、どうとらえていけばいいのか?

2. 柳哲雄氏の「里海」
2-1 柳氏の定義
 「里海」とは
「人手が加わることによって、生産性と生物多様性が高くなった海」(柳2006:2)
 定義への疑問⇒「人手を加える」とは?
・新たな「開発」の口実に使われないか?
・無駄な公共事業の口実に使われないか?
・これまでの人手の加え方、従来の施策に対する反省はないの?
海の環境がなぜ疲弊してきたの?
↓柳(2006)を読み進めると……

・「人がいるからこそ保たれる豊かな自然がある」(柳2006:29)ということを述べ
たうえで、人の手をどう加えるのか、どう豊かにするのかに走るのではなく……

2-2 里海づくりの基本
 「里海を実現する基本は、沿岸海域で太く・長く・滑らかな物質循環をどう実現
することに置かれなければならない」(柳2006:31)
 「人々がどの部分にどのような手を加えることが、太く・長く・滑らかな物質循
環を保ち、沿岸海域の生態系を豊かにするのかを考えて」(柳2006:30)

2-3 行為の規制・禁止則
 「『里海』を実現するには、……沿岸海域でどのような事業なら許されるのか、
どのような事業はしてはいけないのかなど、様々な局面における沿岸住民と沿岸__
海域の関わり合い方を具体的に明らかにする必要がある」(柳2006:30)

 「指標生物の生息密度を保全するために、目標とされる水質や禁止されなければ
ならない行為など様々な行動指針を具体的に定めていく必要がある」(柳
2006:33)

 「『里海』を創造・維持するための環境倫理を確立するのみならず、富を生み出
す『里海』に関係する人々が守らなければならない、様々な掟(義務)を整備し
ていく必要がある」(柳2006:91)

2-4「埋め立て」の禁止
 「沿岸海域の埋め立て工事は原に禁止されるべきである」(柳2006:32)
 「干潟を埋め立てて、水田などの陸地にしてきた日本の国土利用法は、……食
糧生産性の観点から検討し直す必要がある」(柳2006:14)

2-5 自然の機能修正・再生への留意事項
 「埋め立てや直立護岸造成など、人の様々な行為により劣化した沿岸海域
における自然の機能を修復し、再生することが、現在非常に重要になってきて
いる」(柳2006:51)
としながらも……

 「いくつかの海域では、藻場造成に名を借りた廃棄物処理が行われているが、
このような工事は……決して許されることではない」(柳2006:32)
 「(人工砂浜・人口干潟の)事業を行う場合、将来にわたっての維持費用のこ
とも当然考えておかねばならない。……環境を保全するための高い費用負担を
将来の世代に押しつけることは賢明ではない」(柳2006:33)

 「干潟生態系を人間の都合の良いように造成・維持するということは容易では
ない。……干潟の再生・創出に完全に成功した例はない。……海に関する私た
ちの知識はまだまだ十分ではない」(柳2006:60)

2-6 厳しい漁業資源管理規則の必要性
 「沿岸海域を「里海」とするためにも、里海と同様、厳しい漁業資源管理規則と
それを維持していく適切な社会的仕組みが不可欠である」(柳2006:80)
・姫島<瀬戸内海の西端、大分県>の事例(柳2006:76-80)
・三崎<愛媛県>の事例(柳2006:80-84)
・東南アジア(柳2006:85-86)の事例
インドネシアの「『サシ』と呼ばれる資源管理法」を紹介。
「サシには『休む』、『休漁する』、『禁漁する』という意味がある」
「東南アジアにおける自然資源保護の制度は『里海』をつくり出すために大いに
参考になる。私たちは日本沿岸海域を利用するための合理的な”サシ”を確立しな
ければならない」(柳2006:86)

2-7 「里海」という言葉の二つの出自
 「里山」という文脈__
・「生産性が高く、かつ自然生態系も豊かな里山のあり方を、海でも考えることは
できないだろうか?すなわち『里海』をつくるのである」(柳2006:29)
里山だけではなく

 沿岸海域の再生という文脈 ←この点を押さえることは重要
・「魚が採れなくなって汚れた沿岸海域を、どうすれば昔のようにきれいで豊かな
海に再生できるか、という問題に関する議論をして、さらにいくつかの実践活動を行
ってきた。そして、1990 年代後半に、『里海』という概念を思いついた」(柳2006:95)

3.中島満氏の「里海」
3-1「里海」のイメージ
 「人里近くにあって、その土地に住んでいる人の暮らしと密接に結びついている
浜・海」を「『みんな』で守り、利用していこう」とすること(中島2009a:20)

3-2「里海」との出合い
 「地域の人々と海のつながり」への注目
・「再生ということは、自然環境や海生生物たちの現状や将来に、眼がいきがちで
すが、私の視点というのは、実は、どうしても海と関係を持つ人、とくに地域の
人々が海という自然域とのつながりの深さをとりもどしたり、新たに創り出した
りする、そういう方向に、どうしても入ってしまうのです」(web[季刊里海]
通信)

 「里海」に注目するきっかけ
・地域で起こった「里海」と名をつけた漁業者の新しい動き
2004 年3 月 漁民のNPO 法人「盤州里海の会」の発足(→中島2009a:21 参照)
地先の地域実態から「里海」へ
↓そんな中島氏の目には……
「里海の議論の中で地域というのが話されていない。漁村集落、漁村の実態が見
えてこない」(中島2009b)

3-3「里海」への問題意識
 漁業の苦境・農村の疲弊
・「なぜ今、里海なのかを考えてみましょう。今、漁業は苦境に立たされ、漁村
は疲弊し地域は大きく変貌しました。黙っていても、海沿いの地域を代表する主
体者は漁業者、漁協であると、国民だれもが納得できた時代が変わろうとしてい
ます」(中島2008a:6-7)

 「里海」が出てきた背景
・「漁業者だけで地域を管理してきた時代がだんだん変化していった。そこに『里
海』がでてきた」(中島2009b)

・「漁業・漁村の置かれている現実をなんとかしなければ、という危機意識が背
景にある」(中島2009a:20)
・「漁村の力が弱くなっている時だからこそ、漁業者も率先して、みんなが納得
ずくで地先の海、里海を利用できる仕組みを市民の人たちとつくっていく」(中
島2009a:21)__

「里海」という言葉を用いて
・地域の暮らしへの注目
「地域実態を無視した計画は上滑りする」
「きれいな海、豊かな海ではない。暮らしなんだ」(インタビュー)

・「新しい海の利用の姿」「新しい海の共有」にむけた地域実態をさぐる
「漁業という産業としての利用や、漁業者を中心に海沿いに住む人々の生活に結
びついた利用に加えて、地域外や漁業者以外の人びとによる利用とが、漁業制度
の枠組みを維持しながらも、『漁業』の定義を一歩踏み越えた解釈をしなければ
ならなくなるような新しい海の利用の姿が、各地で起こり始めているのではない
か」(中島2008a:8)

→参照 中島(2008a), 中島(2009a)
別紙「鳴浜の浜から『海をひらく』提案」
=海を介した地域社会のありように着目

3-4「海をひらく」とは
 「高木委員会」(企業の参入自由化・規制緩和)路線とは異なる
・「海をひらく、漁場を開放するというのは、全部開けっ放しにしてしまうと言
う意味ではない。開くにもいろいろな意味がある。高木委員会は、経済的な障壁
があるからそれを開くというものだ。この差を明確にしていかなくてはいけない」
(インタビュー)

 国益優先の海の開放とも異なる
・「80 年代になると、……大きな資本で海の開放をする方が漁業より国益になる、
それには開発の邪魔になる漁業権を漁師のものだけなく、みんなに開放せよとい
う論議が出てきて……国益優先の海の開放論が叫ばれました。海を開放すると言
っても向いている方向はさまざまで、今の市民の人たちが里海として自分たちに
も海を開放してれと言っているのとは、大きく違うわけです」(中島2009a:21)

↓中島氏が言う「海をひらく」とは……
 海をめぐるローカル・ルールを基盤
・「長い歴史の中で培われてきた海のルールを基に、主体はあくまで漁業者とそ
の地域の人々が担うのですが、自主的に海の一部を開放し、新しい海の利用を考
えていく」(中島2009a :21)

・「漁業権やローカルルールの機能や役割を活用し、漁場である海や浜の一部を
うまく使い分けながら、海を漁師と『共同利用』できる仕組みに組み替えていけ
ば、市民にも、漁業権がただ排他的なものなのではなく、持続可能な海を維持す
るための大事なルールなのだということが理解してもらえるはずです」(中島
2009a :22)

・「広く自然域の利用に関して形成された地域ルールは、地域が変貌を遂げた現
在も、実態を変えながら維持され、また、新しいルールも生まれてきます。そし
て、それらのルールを活かす方が、低いコストで、現実の管理利用の安定度が増
すことに着目すべきではないでしょうか」(中島2008b)
→お台場海浜公園地先のノリづくり

:漁業権放棄済み海面に誕生した里海(中島2008a:42-48)
・「慣習を復活させる。慣習を新たにつくりあげる。地域と地域外の人たちの主
体の譲りあい」(インタビュー)
・「どう開いていくのかは、これまでどう開いてきたのか、また逆にどう閉じて
きたのか地域実態を踏まえることが大切」(インタビュー)


中島氏の「里海」=漁業権、入会権、入浜権、コモンズとの深い結びつき

3-5「里海」をつくる
 留意点
・「里山と里海の大きな違い」(中島2009a:20)
・「目に見えない、わかりにくいが、里海づくりをするとき、慣習的な利用ルー
ル、漁業権の地域実態を忘れてはならない」(インタビュー)
 壁と醍醐味

・「主体の数の問題ではない。初めは少数だ。漁村地区の特徴は全員一致のルー
ルだ。これをクリアしていく。少数者が発言して全員一致のルールを築く。里海
をつくっていくとき、みんなここをクリアしていっている。地域の閉鎖性を克服
すると、その地域はとても強いものになる」(中島2009b)

 地域づくり
・「地域ルールの形成は、地域の閉鎖性を克服すること。地域がとても強くなる。
試行錯誤する価値は大いにある」(インタビュー)
・「漁場の開放、開くことは新しい地域を作り出すもの」(インタビュー)

・「地域力が里海づくりの実態をなしている」
→里海をうみだすとは「海(沿岸域)のまちづくり」

4まとめ―二つの里海論を交差させ、社会系グループに引きつけながら
4-1 柳氏の「里海」論をどう受けとめるのか
 「里海」づくりとは
・「人が手を入れながら太く・長く・滑らかな物質循環を実現し、海の生産性と生
物多様性を高めていくこと
見落とされがちだが……

 忘れてはならないポイント
・「人手を加える」にあたって禁止則、行為の規制が多分に含まれている
→「里海」の政策化・政策/実践分析・実践に向けた留意点
・汚れた沿岸海域の再生の研究・実践の延長線上に柳氏の「里海」はある

 「人手を加える」とは?理論化の必要性(磯部作氏からの問題提起)
・「『人手を加えることによって』、『豊かで美しい海域を創る』というこれは、わた
しももっともだと思います。しかし……里海を誰がやるのかというとき、大企業など
が儲かると言うことで、利潤追求目的で入ると重大な問題になると思っているわけで
す。……『人手を加える』ということを、もう少し理論化していく必要があるのでは
ないか」(08 年11 月伊勢湾再生研究プロジェクト・社会系グループの公開研究会)__

4-2 中島氏の「里海」をどう受けとめるのか
 中島氏が強調するもの
・地域実態への注目←「行政の政策とは必ずしも連動しない」(インタビュー)
・「地域で育まれてきた個としての里海」(秋道智彌)

「里という語の心地よい響きだけでこのまま突っ走れるかどうか、不安がよぎる。
里海という共同幻想についていま一度考えてみる必要がありそうだ。なぜなら、
モデルとなる里海などはじつのところない。あるのはそれぞれの地域で育まれて
きた個としての里海なのだ」(『Ship & Ocean Newsletter』185 号)

・ローカル・ルールへの注目
過去の慣習の「堀起こし」、現在に慣習はどう活きているのか、変わっている
のか新たな慣習づくり
→「人手を加える」ときの禁止則、行為の規制をどう築くのか、一つの示唆


(課題)伊勢湾をとりまく地域実態の把握
コモンズ、入会権、入浜権、漁業権の理解
 「里海」づくりとは
・地域づくり、海のまちづくり
・物質循環(生態系)に着目した柳氏の「里海」論になぞられるなら……

・海をめぐる地域社会の循環(地域社会環境)に着目したのが中島氏
→物質循環(生態系)と共に、地域社会の循環(社会環境)にも注目して「里
海」をとらえる必要がある

<主な参考資料>
(文献)
中島満(2008a)「『里海』って何だろう?――沿岸域の利用とローカルルールの活用」
『水産振興』487 号
中島満(2008b)「里海」って何だろう?――生業と暮らしを育む里海を考える視点」(『Ship
& Ocean Newsletter』185 号 所収)
中島満(2009a)「新しい海の共有――『里海』づくりに向けて」(『グラフィケーション』
160 号、20-22 頁 所収)
柳哲雄(2006)『里海論』恒星社厚生閣
(講演)
中島満(2009b)講演「いまなぜ『里海』が登場してきたのか」2 月13 日、漁村研究会、
東京・神田
(インタビュー)
中島満氏へのインタビュー、2009 年2 月13 日、東京・神田にて

竹峰誠一郎さんのマーシャル諸島論 2

土地と生活の結びつき―マーシャル諸島の土地事情(後編)

アジア開発銀行は『マーシャル諸島 私営企業の分析――改革を通じた成長の促進』と題した報告書を2003年発表し、土地制度改革の必要性がマーシャル諸島政府に勧告されました。マーシャル諸島の土地に担保価値がつけられない、土地の賃貸制度が十分確立していない、これでは外資が呼び込める経済環境とはいえず、経済成長ができないというわけです。

また駐マーシャル諸島日本大使館で専門調査員を務めた黒崎岳大氏は「都市部で、従来の権威、土地支配にとらわれない新たな有権者が急増」しているとも指摘します。前編で紹介したマーシャル諸島の土地制度は、過去のものとなりつつあるのでしょうか。

マーシャル諸島共和国にはパスポートがあれば入国できますが、地方の島々を訪れるには、パスポートより大切なものがあります。それは事前の承諾です。明文化されていませんが、書類よりも口約束が大きな意味をもち、直接会うことが大切です。

土地の権利者との関係性を損ねて、スーパーが閉鎖に追い込まれることがありますし、学校が一時閉鎖されたり、牧師が島から追い出されたりすることもあります。マーシャル諸島の土地制度は、排他的な側面をもっています。

こういえば否定的な印象をもたれた方もいるでしょう。ただ反面「生物多様性」に馴染みのある言葉を使えば、マーシャル諸島の土地制度は「外来種」の無秩序な流入を防いでいるともいえます。

またマーシャル諸島の土地は、外に絶えず閉じているわけではありません。ニライカナイの思想なのか、「来るものは誰でも迎えるのが、この地の習わし」とある住民は語ります。家族同然のように私を受け入れた地域もありました。地域で濃淡はありますが、マーシャル諸島の土地は、見知らぬものでも受け入れる懐の深さも併せもっているといえます。

先に紹介したアジア開発銀行の報告書で、マーシャル諸島の土地制度は経済成長の阻害要因だと捉えられています。現金経済が浸透するなかで、今の土地制度は経済活動の自由を奪う側面があることは確かです。しかし現金経済だけでなく、地方を中心に息づく自給経済も、併せてとらえなくては、マーシャル諸島全体の経済の実像は見えてはきません。

マーシャル諸島のとりわけ北部の土地は、タロイモすら育ちにくい土壌で、豊かな植生とは言えません。しかし土地から生産された希少な植物を多彩に有効利用する知恵を島の人はもっています。

ココヤシを例に説明しましょう。ヤシの実はまるで出世魚のように、成長段階に応じて、「ニー」「ワイニー」「ユー」と名を変えます。成長段階に応じて、飲料や食料、さらにはヤシ油の原料となるコプラ生産など多様な用途に、実は用いられます。殻はコップや細工物にもなります。細かく刻むと炭火にもなります。樹液は飲料になり、酒や酢にも変身します。葉は編んで皿や敷物になります。葉の茎からは、真っ白な糸が紡ぎだされ、手工芸品をつくるのに欠かせません。樹皮は火おこしのときに重宝しますし、枝はホウキにもなります。ヤシ一つでも、これだけ生活を支えているのです。

環礁をとりまく小さな島々は、大半が無人島ですが、ここも生活には欠かせない土地です。植物や海鳥の採取、あるいはコプラ生産、さらにはレクリエーションの場としても活用されます。「里地」とでも言えましょうか。総有制の土地の権利がここにも設定されています。無人島は無主地ではありません。

生活圏は海にも広がりをもっています。環礁の内側にひろがる礁湖・ラグーンは、漁労の場としての利用はもちろんのこと、第二の生活場ともいえる「小さな島々」と「居住地」をむすぶ「海の道」にもなっています。その環礁に土地の権利をもつ人全員にラグーンは開かれています。

では都市に暮らす人はどうなのでしょうか。マーシャル諸島でも、自分の土地を離れ、都市に暮らす人が増えています。都市で給与生活を送る人は一見、自分の土地との関係性が切れているように見えます。

しかし自分の土地がある所から首都マジュロに出てきていても、大半の人は、「マジュロの人」だとは自己規定しません。自分の土地がある地域の名を出して「●●の人」だと自己紹介をするのが一般的です。たとえ都会で生まれ育った人も大半はそうです。自分の土地は、自己のアイデンティティーを形成する源になっているのです。

マーシャル諸島では、住んでいなくても、自分の土地がある場所を自分の選挙区に設定することができます。 2003年の総選挙では60%弱の人が、居住はしていないが自分の土地がある所を自分の選挙区にしていました。

自治体も、同じ環礁に住む人よりも、同じ環礁に土地の権利をもつ人の集合体との側面を強くもっています。どこに住むかより、どこに土地の権利をもっているかが、マーシャル諸島の社会ではまだまだ重要なのです。

マーシャル諸島共和国憲法では、第10条で、土地の伝統的権利は慣習に基づき維持され、土地の譲渡や処分は合法的ではないと規定されています。さらに第6条で伝統権利裁判所が設けられ、土地の権利調整が慣習に基づき図られる仕組みが憲法上規定されています。

以上で見てきたように、土地の制度改革を求める声や、首長の権威の低下、現金経済化、さらには人口が都市に流れる傾向がマーシャル諸島でもありますが、土地と人びとの生活はまだまだ深く結びついています。土地の慣習を踏襲し近代国家の形成がなされている点も注目されます。

(マーシャル諸島を知ってみたい方へ)
中原聖乃・竹峰誠一郎[2007]『マーシャル諸島ハンドブック―小さな島国の文化・歴史・政治 』凱風社

竹峰誠一郎さんのマーシャル諸島論 1

竹峰さんは、現在、三重大学で研究員をされています。竹峰さんも早稲田大学の西川潤先生のもとで学ばれてきました。以前、私がマーシャル諸島のマジュロ島を調査しているとき、竹峰さんにばったり出会い、「太平洋は狭いな」と思った次第です。マーシャル諸島の研究、日本とマーシャル諸島を結ぶ活動もされています。ご本人の了解をえて、マーシャル諸島に関するコラムを転載いたします。
土地の共的管理は他の太平洋諸島にもあり、久高島にもあります。




土地はお金では買えない―マーシャル諸島の土地事情(前編)
日本から東に目を向けると、世界地図では点のようにしか見えませんが、ミクロネシアと呼ばれる太平洋の海世界が広がっています。

マーシャル諸島は29の環礁と5つの島々から構成されています。環礁とは、単独の島ではなく、小さな島々が輪を描くように連なっています。内側にはラグーンと呼ばれる湖のような穏やかな海が広がり、外側には太平洋の大海原が広がっています。その美しさは「真珠の首飾り」とも称されます。

1986年マーシャル諸島は、アメリカと自由連合協定を締結し独立しました。国連にも加盟していますが、総面積は181平方キロと、沖縄県の10分の1に満たない土地に、約5万7000人(2006年推定)が暮らしています。
 そんなマーシャル諸島で「一番大事なものは土地です」と日系人のカナメさんは流ちょうな日本語で語ります。

マーシャル諸島では、お金をいくら積んでも土地は買えません。土地は売ったり買ったりするのではなく、マーシャル人として生まれたら自動的に付与されるものです。付与された土地は、誰かに売りわたすことはありません。ですから不動産屋はマーシャル諸島にはありません。

マーシャル諸島の土地は、地域住民が主体となって共同で管理されています。私有財産制ではないのです。国有地・公有地もマーシャル諸島にはありません。

「××はわたしの土地」、「わたしは××に土地をもっている」という言い方を住民はします。しかし土地の所有権をもっているわけではありません。利用権をもっているという意味です。利用権をもつ土地には、自由に出入りができます。何かを植えたり、採ったり、あるいは建物を建てたりなど誰の承諾を得ずにできます。

一つひとつの土地区画には、利用権をもつ「リジェロバル」が複数います。加えてその土地の日常的な管理に責任をもつ「アラップ」と呼ばれる人がいます。「アラップ」は、利用権者であるとともに、その
土地の管理責任者でもあります。さらにその土地を名目上所有している「イロジ」と呼ばれる首長がいます。つまりマーシャル諸島の土地管理は三層構造になっているわけです。

首長は土地制度を背景にした権力をもっています。行事では必ず来賓席に迎えられますし、土地を利用している「リジェロバル」から首長に対し、その土地から収穫したものを貢ぐ光景は今でも広く見られます。

ただ首長=地主とは必ずしもいえません。たとえばマーシャル諸島で公共事業をするとき、該当する土地の首長の同意だけでは不十分です。土地管理者である「アラップ」の承諾、さらに利用権をもつ「リジェロバル」の代表者の承諾も必要になります。外部の者がその土地を利用する場合、首長であっても単独で土地利用を進めることはできない仕組みになっているのです。

外部の者がその土地を買うことはできないので、借りることになります。ただ土地には値段がつけられていません。都市部では外国人相手や政府機関には、賃貸料を請求するケースが近年はみられますが、マーシャル人同士なら、都市部でもただ同然で、その土地に家を建てさせているケースが一般的です。そこには「チバン」と呼ばれる分かち合いの精神が働きます。

マーシャル諸島の土地は、個人の私的所有ではなく、商品化されてはいません。また行政の公的管理でもなく、地域住民の共的管理がなされています。「コモンズの悲劇」として、ギャレット・ハーディングが否定的あるいは消えていくべきものとみなした「共有地」や「入会権」が、マーシャル諸島では今も息づいているのです。

こうしたマーシャル諸島の土地制度は、崩れていく方向にあるのでしょうか。土地がもつ多様な機能にも注目しながら、マーシャル諸島の土地制度の現状と未来を後編ではみていきたいと思います(続く)。

<参考文献>
中原聖乃・竹峰誠一郎『マーシャル諸島ハンドブック―小さな島国の文化・歴史・政治 』(凱風社・2007年)

燃料費高騰と島の生活、海運コストの増加、違法薬物の島嶼への流入、フィジーと中国

昨年9月、8月の太平洋ニュースをお伝えします。昨年、日本でも燃料費の高騰がニュースになりましたが、太平洋諸島のほとんどは火力発電であり、大きな経済的負担を与えました。



9/16 Radio Australia PIR
太平洋諸島の中で最も貧しい国々が燃料費高騰の影響を受けている。

アジア開発銀行は、キリバス、マーシャル諸島、ツバルのような環礁でできた島嶼国が燃料や食料品の価格高騰の影響を最も受けていると注意を促した。

同銀行は、太平洋島嶼国全体の経済成長の見通しを上方修正するとともに、6つの環礁島嶼国の経済見通しについては下方に大きく修正した。同銀行の太平洋部門エコノミスト、クレッグ・スグデン氏は次のように述べた。

「最貧困の人々は、都市部の中にあるスラム街に住んでいる。中心地から離れ、農業をするための土地をもたない地域に住む人々もまた価格高騰の影響を大きく受けている。」


島嶼は生活に必要な物品の大部分を輸入に依存しています。海運コストの増加はそれだけ生活費の上昇に直結します。マットソン社は戦前からある米国系海運会社で、太平洋における海運に大きな影響力をもっています。



8/4 Saipan Tribune PIR
マットソン社が太平洋における海運料金を再び値上げした。

今年に入って、マットソン社は太平洋航路における、2回目の海運料金値上げを行う。北マリアナ諸島の経済界は、原料、商品の移入等で同社に大きく依存しており、海運コストの上昇により大きな影響を受けるであろう。

海運コストの上昇は北マリアナ諸島のみならず、グアム、ハワイ、ミクロネシア諸国の経済にも大きな影響を与えるだろう。消費者だけでなく、すべての産業に対して原油の高騰がこれまでにないほどの深刻な影響を及ぼしている。

マットソン社は、ハワイに拠点を置くアレクサンダーアンドボールドウィン社傘下の会社であり、ハワイにおける最大の海運会社である


海を通じて違法薬物が流入しており、特に若い世代への影響が島嶼の都市部において問題になっています。


8/7 Saipan Tribune PIR
違法薬物である「アイス」のミクロネシア地域への密輸入が顕著になっている。

ミクロネシア地域において「アイス」が最大の違法薬物として流入している。10年以上前から「アイス」の密輸入がミクロネシア地域、特に北マリアナ諸島とグアムにおいて顕著になった。北マリアナ諸島に密輸される「アイス」の大半は中国からもたらされている。

グアム、他のミクロネシア地域では、米国本土、フィリピン、台湾、ハワイ等から「アイス」が密輸入されている。「アイス」の大半は、東南アジアの組織犯罪団と関係を有しており、同地域で製造されている。


中国と台湾はそれぞれの外交関係を締結する相手を求めて、太平洋に大きな関心をもち、ODAなどを提供してきました。フィジーは各種の国際機関が設置され、太平洋島しょ国の中でも大きな政治的影響力をもっています。



8/12 Fijilive PIR
バイニマラマ司令官が中国に対するフィジーの忠誠心を強調した。

北京で開かれた「フィジーの夜祝賀会」においてバイニマラマ司令官は次のように述べた。「1987年、2000年、2006年に発生したフィジーにおけるクーデターに対して他の国々は批判をしたのに対し、中国やアジアの他の友好国はフィジーに理解を示し、心のこもった対応をしたことをフィジーは忘れない。

中国政府は、我々の問題を我々のやり方で解決することができると我々を信じてくれて、圧力や介入をしなかった。

経済発展にとって重要な分野に対し中国は援助を提供してくれた。フィジーは「ルックノース」政策を今後も続け、アジア一般、特に中国との関係を強化し、我々の貿易や投資を促すための新たな市場を開拓したい。」

近隣の大国である豪州やニュージーランドとの関係が弱まり、フィジーは貿易、援助の面から中国やインドに期待をもつようになっている。現在、中国人はフィジーに入国する際にビザの取得を必要としない。中国人観光客のフィジー訪問の増大が次の目標であると、同司令官は述べた。

フィジーの製糖業、PNGの戦後賠償問題、ナウルのリン鉱石、トンガの中国人

昨年8月の太平洋諸島ニュースです。
フィジーは1874年にイギリスの植民地になって以来、製糖業が主要産業となり、琉球と同じ、経済歴史的な道をたどっています。おもな市場はEUであり、国際的な競争の激化により、経営が困難となり、製糖業の多角化が琉球と同じく課題になっています。




8/31 Fijilive PIR
フィジーの製糖業が1200万米ドルの損失を計上した。

フィジー砂糖会社グループは、2008年5月に決算月となる2007年度において1210万米ドルの損失を計上した。同社は2006年度において410万米ドルの経常利益をあげていた。

2007年度の損失は、近年において最大の損失であった。同社の幹部であるガウナボウ氏は、同国の製糖業全体として改革を行い、国際市場との競争に勝ち、株主の期待に応える必要があると述べた。同社は製糖業のほかに、発電事業、エタノール生産事業、他の付加価値事業等の経営の多角化を進めている。

同社は2007年度において250万トンの砂糖キビを絞り、23万7418トンの砂糖を生産した。


パプアニューギニアは他の太平洋諸島と同じく、日本軍が連合国軍と戦争を行った場所であり、現在でも、日本の戦後賠償問題が解決したとはいえない状況にあります。


9/4 The National PIR
パプアニューギニアにおいて日本兵遺骨の収集が行われようとしている。

第二次世界大戦においてパプアニューギニアにおいて戦った日本兵の遺骨を日本政府が収集しようとしていることに対して、アジア太平洋戦争犠牲者に関するパプアニューギニア賠償要求国際協会は懸念を示している。

日本遺族会は、ポートモレスビーにある日本大使館を通じて日本兵遺骨に関する調査をすすめている。

パプアニューギニア賠償要求国際協会は、賠償金が支払われない限り、村人が遺骨に関する情報を提供し、収集活動に参加させることはできないと述べている。同協会は、日本兵の残虐行為をうけた犠牲者に対する賠償金として33億米ドルの支払いを求めている。


リン鉱石とは海鳥が何百年も糞をして堆積し、鉱物資源となったものです。肥料、火薬等の原料であり、かつてリン鉱石が大量にあったときにはナウルは太平洋で最も経済的に栄えた島でした。しかし、資源の枯渇、資金運用の失敗などで現在は経済的に苦しい状況にあります。



9/9 Radio Australia PIR
ナウル政府がリン鉱石開発を再開しようとしている。

ナウル政府の財務長官は、世界的な食糧危機により、リン鉱石(肥料として利用される)の価格が上昇し、リン鉱石の輸出から利益を上げる機会が再び訪れたと述べた。これまでリン鉱石の輸出により、ナウルには1年間で約1億米ドルの収入がもたらされたこともあった。

しかし、汚職、資源管理の悪さなどでナウルは破産状況に陥った。現政権が政権を握った時に、リン鉱石産業は破産状態にあった。その後18カ月かけて調査を行い、今後、20年間から30年間は島のリン鉱石を開発することができることが明らかになった。

そして、現在、開発資金を融資してくれる商業銀行を探している。


現在、アジア諸国でもっとも、人、モノ、カネを太平洋諸国に投じている国は中国といっても過言ではありません。トンガの経済も中国人商人の存在を除いては語ることができなくなっています。


9/10 Radio Tonga News PIR
中国人移民の増加がトンガ人の懸念を招いている。

トンガ政府の移民局は、15歳から45歳までの中国人に対し観光ビザを発給しない方針をとるだろう。移民局による同様な措置は、他の外国人に対しても実施される予定である。

中国人は観光ビザでトンガを訪問し、ワーキングビザを取得して定住する人が多い。トンガ人がこれまで有していた仕事を奪って、職を得る中国人が少なからずいるという。アキリシ・ポヒバ氏議員は、中国人移民の数を制限するようトンガ政府に求めている。

PNGの売春問題、トンガのカボチャ、海兵隊移設と環境問題

2008年10月の太平洋諸島のニュースです。
パプアニューギニア、フィジー等の都市部では近代化が進み、カネがないと生活が困難になる状況にあり、現代的な諸問題が蔓延する状況がみられます。近代化とは何かを考えさせられます。



10/23 The National PIR
貧困状態がパプアニューギニアの女性による売春を増加させている。

2つのキリスト教組織によると、パプアニューギニにおいて、自らの所得を補うために売春を行う、低所得の女性たちが増えている。

経済的状況が厳しく、売春以外の選択肢がなくなっているという現実がある。その結果、エイズ感染者も激増している。

あるキリスト教組織は売春を行う女性に対して、カウンセリングを行い、仕事を得るための訓練を行い、生活状態を改善するための道具等を提供している。失業中の女性は仕事をしている女性よりも生活状態がわるく、大金を得る手段として売春に頼っているケースが多いと指摘されている。


カボチャがトンガと日本を結んでいます。北海道のカボチャ価格の動向がトンガのカボチャ価格の行方を左右しており、日本の国内経済とも関係しています。


10/27 Matangi Tonga PIR
トンガ産カボチャの日本や韓国向け輸出が増大する見込みである。

トンガ最大のカボチャ輸出業者である、ニシ商社は、今年における、日本や韓国向けカボチャの輸出高を1200トンに目標を定めているが、それは昨年の輸出高900トンを上回る量となるだろう。

同社はトンガの様々な場所に総面積300エーカー以上の畑をもち、そこで100キロ分のカボチャの種を植えて栽培しており、同社は今年、トンガ最大の輸出業者になるだろう。

カボチャの市場価格は、日本国内最大のカボチャ産地である北海道におけるカボチャの供給量に依存する。もしも北海道産のカボチャの供給量が多ければ、トンガ産のカボチャに対する需要量は減少し、北海道産の供給量が少なければ、トンガ産の需要量は増大するだろう。

かつてトンガにはカボチャの輸出業者は10社あったが、現在は4社しかない。倒産の理由は、借金を抱えながら経営する方法を経営者が知らないからであるとされている。昨年、トンガからのカボチャ総輸出高は5000トンに達した。


琉球からの海兵隊のグアム移設は、グアムだけにとどまらず、北マリアナ諸島に対しても環境問題などの問題を発生させるおそれがあります。
10/29 Pacific Daily News PIR
グアムの基地建設に関して環境保護団体が会合を開いた。

グアムの基地建設に関する会合に、北マリアナ諸島の様々な環境団体の代表者が参加した。同会合の目的は、沖縄からグアム、北マリアナ諸島に海兵隊が移設される際に必要とされる環境対策を準備するためである。

新しい基地の建設は2010年からは始まり、2014年までには海兵隊の移設作業は完了する予定である。建設予算は総額1000億米ドルになるとされている。北マリアナ諸島のテニアン島、パガン島、その他の同諸島の北部にある島々は、移設にともない、軍事訓練場になるとみられている。

同会議では、インフラ・道路等の建設、廃棄物処理、医療や学校体制等について話し合われた。

沖縄島の不発弾問題

3月6日の琉球朝日放送で不発弾についてのレポートがありましたので、お伝えします。

琉球ではまだ地中に不発弾が埋まっており、今回の事故のように工事の過程で爆発することもありました。まだ戦争は終わらず、戦後処理も未解決のままです。糸満市、市民が不発弾対策のための費用を支出しています。戦争は国が主導して行ったにもかかわらず、その後始末に対しては住民負担になっているます。
「爆弾のないところで仕事をしたい」という、普通の安全が島にはありません。
また国による、不発弾対策基金がなぜ、振興開発の特別調整費から賄われたかも疑問です。本来、振興開発に使うべき予算を他に流用しているといえます。





不発弾処理や事故後の補償問題についてお伝えするリポートの2回目です。不発弾を取り巻く現場と行政を取材しました。

仲井真知事「本来は国が全面的に、徹底してもっともっとやるべきものだという感を強くします」

上原糸満市長「当然、戦後処理の一環という立場からすれば、国のほうで補償すべき」

1月の不発弾爆発事故後相次いだ、国の予算での被害者補償や不発弾処理を求める声。

政府は、事故から1ヶ月足らずで、不発弾事故の見舞金などに充てるための基金の創設を発表し、県議会も基金を運用するための条例を可決するなど対応を急ぎました。

しかし…、およそ8000万円の被害を受けた老人介護施設は、ほとんど事故直後のままという現状。窓はふさがれ、空調も壊れたままの部屋も多く、不便は解消されていません。

また、公共工事での磁気探査を義務付けた糸満市の財政にも不安がよぎっています。

糸満市・国吉建設部長「市民の税金をそこに当てるということ自体、負担を強いることになりますので」

新設される基金は、磁気探査費用には充てられません。そのため、市は今後5年で最大2500万円以上の市民負担が生じると試算しています。

そして、建設現場にはより根深い問題があります。こちらは爆発事故後、すぐに磁気探査された事故現場の隣の工区。

「石と石との割れ目の中にロケット弾があった。(石を)割ってるときに、一緒に転げ落ちてー」

工区内のほとんどで掘削が終わっていたため、磁気探査をかけたのは、マンション1棟分ほどのわずかなエリアでした。しかしその範囲だけで、ロケット砲弾1発が発見されたのです。現場には、衝撃と「やって良かった」という安心感が交錯したといいます。

ただ、磁気探査をすぐに導入できたのは公共工事だからこそ。この工区を担当する上原さんは、民間工事でも、発注者や業者の負担無しに磁気探査できる体制の必要性を感じています。

三清土建・上原代表取締役「何で公共は補償(補助)するのに、民間はしないのか。実際、不発弾があるというのはわかります。わかるものをなんで1日も早く処理をしないかというのが疑問」

糸満市の建設業協会会長も務める上原さん。現場の本音が聞けると、協会の役員会に招いてくれました。

<「不発弾問題」をどう思いますか?>

「確かに、誰でも探査してはじめて、仕事をやりたいです」「なんで外国の地雷撤去には日本政府はあんなお金をかけるのに、自国の不発弾にお金をかけるのはなんで嫌がるかが…」「(けがをした人の)仲間として、現実的な問題として、補償問題を明確にしていくというところを、確かなものとして要望すべきだろう」

「磁気探査費用」と「補償」を巡っては、現場の人たちも意見は様々。ただ「爆弾のないところで仕事がしたい」という想いは共通です。

また、磁気探査の専門業者は「被害者補償」と「磁気探査費用」をわけて考えるべきだという意見です。

磁気探査事業協同組合・豊田理事長「不発弾対策基金というのは、被害者が出たら使うという目的と理解している。どういう方々でも、磁気探査が容易に利用できて、安全確保ができるという制度まで、ぜひ確立して頂きたい」

様々な立場の人が悩まされている不発弾。苦悩がなくなる日は果たして来るのでしょうか。

取材した久田記者です。あの爆発事故から50日近く経ちますが、被害の復旧はどのくらい進んでいるのですか。

久田記者「まだ施設に関しては工事業者が決まったばかりで、今でも被害を受けた施設ではお年寄りが難儀を強いられていました。原状回復できるのは6月以降ということです。被害者への具体的な補償も進んでいません」

なぜ対応が遅れたんですか?

久田記者「対策がとられなかったわけではなく、手続きが遅れ、まだ工事業者が決まったばかりという段階です。国がとった対策なんですが、10億円規模の不発弾対策基金を作ると決めました。まず基金の財源は、毎年国が沖縄での事業に充てている『特別調整費』という100億円の予算。これは公共事業とそれ以外の事業で2等分されるんですが、この非公共事業費のうち、新規事業費の枠が、年度の途中でも情勢に応じて配分できるということで、残っていた予算で基金設立という対応がされたわけです」

今回の対応で現場の心配は払拭されるんですね?

久田記者「必ずしもそうではありません。糸満市での事故は磁気探査が行われていれば防げた可能性がありますが、今回設立された基金は磁気探査のためのものではありません。磁気探査については、公共工事では国が一部負担、民間工事は全額自己負担、という状況は何も変わっていません。磁気探査が公共工事、民間工事のどの現場でも行わなければ、事故の危険性はなんら軽減したとは言えません。今後は基金とは別に、民間工事も含めた磁気探査導入へ向けた議論も活発化してくると思います」

豪州で働くトンガ人、台湾とソロモン諸島、中国とPNG

昨年11月の太平洋諸島ニュースをお伝えします。
豪州、NZでは太平洋諸島民は移住労働のための特別枠があり、多くの人が働いています。島嶼国にとって両国が経済的にも、生活空間としても大切な国であるといえます。



11/16 Matangi Tonga PIR
800人のトンガ人が季節労働者としてオーストラリアで働く。

オーストラリアの農地で働くため、来年7月に、トンガから季節労働者800人が出国する予定である。オーストラリアのニューサウスウェルズ州において、アーモンド、玉ねぎ、ジャガイモ、他の作物の収穫作業に、21歳から45歳までのトンガ人労働者が従事する予定である。

オーストラリア政府の太平洋季節労働者パイロット事業と呼ばれるプロジェクトによって、合計で2500人の島嶼国労働者が7ヶ月間、オーストラリアで働くことが許可される。トンガとバヌアツからそれぞれ800人、パプアニューギニアから650人、キリバスから250人がオーストラリアで働くことになろう。



台湾は、ソロモン諸島、パラオ、ナウル、マーシャル諸島、ツバル等と外交関係を結び、これらの島嶼国は台湾を独立国家として認めています。台湾にとって自らの独立性を国際的に保持するためにおいても、太平洋は重要な場所であるといえます。



11/26 SIBC PIR
台湾は自らの経済的危機状況にもかかわらずソロモン諸島の支援を継続して行っている。

台湾は自らが、これまでにない程の深刻な経済的危機に直面しているにもかかわらず、ソロモン諸島が世界的な金融危機に対処できるように支援していくとの方針を台湾政府は明らかにした。

台湾政府は、ソロモン諸島における地方開発基金に対し140万米ドルを援助する。その他、台湾政府は、ソロモン諸島政府の訓練・教育賞のために96万1千米ドルの支援を行う。



台湾と外交関係を結ぶ国以外の国々においては、中国が外交関係を結んでいます。貿易、投資、援助等、活発に行っていますが、経済関係では、パプアニューギニアとの関係が近年、非常に深まっています。


10/2 The National PIR
中国とパプアニューギニアの貿易が成長している。

中国とパプアニューギニアとの貿易額が増大しており、今年前半期において両国の貿易額は4億8800万米ドルに達した。これは前年比で38%の成長率である。

来年から始めまるラム・ニッケル開発事業により、両者の貿易額は今後も増大するだろう。中国の対太平洋島嶼国との経済関係において、パプアニューギニアは中国の最大の貿易、投資相手国である。

両国ではその他の分野でも交流が進んでいる。26人のパプアニューギニア人に中国政府の奨学金が給付され中国内で学び、50人の政府職員、各分野の技術職員が中国で技術訓練を受けている。また中国政府による医療団も来月、パプアニューギニアに派遣される予定である。

マーシャル諸島人の米兵、米軍とトンガとの関係、資源大国としてのPNG

パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島の国民は米国との協定に基づいて、米軍に入隊することができます。



09、12/10 Radio New Zealand International PIR
マーシャル諸島出身の米兵が初めてイラクで死亡した。

先週、イラクにおいて自爆事件があった際、マーシャル諸島出身米兵として最初の死亡者が発生した。マーシャル諸島出身の米兵、ソロモン・サム(31歳)が車を運転しているときに、爆薬を積んだ車と衝突した。

2003年以来、イラクとアフガニスタンにおいて米国と同盟を結んだ太平洋島嶼出身の兵士として24人が死亡したが、その中で、今回初めてマーシャル諸島出身者が死亡した。自爆事故により、サム氏のほかに同じ車に乗っていた米兵が死亡し、数人が負傷した。



王国のトンガは親米的であるともいわれており、軍事的にも両国の関係強化が進んでいます。



09、12/16 Radio Tonga News PIR
米海軍がトンガにおいて安全保障やコミュニティへの支援活動を行っている。

トンガ防衛隊は、米国の支援により軍事訓練や軍事教育における高いレベルを維持することができるだろう。米国はトンガを含む同盟・友好国の訓練生を支援するプログラムを資金的に支援している。

トンガに対して米国は19万6千米ドルの支援金を提供するが、それによりトンガ人兵士は米国内での研修、軍事訓練への参加が可能となる。また米国は太平洋パートナーシップ協力と呼ばれるプログラムを実施している。

それはトンガを含む南太平洋諸国に米軍艦を寄港させるものであり、トンガには毎年6月から8月にかけて寄港する。同軍艦には建設チームが乗船しており、上陸後、コミュニティーセンターや学校の建設や修繕等を実施している。

他方、トンガ人兵士はイラクに駐屯しており、バグダットのアルファウ宮殿を警備していたトンガ第三派遣団が現在、帰国の途に就いている。



パプアニューギニアには金、銅、ニッケル、天然ガス、原油などの資源が豊富であり、日本以外にも中国の企業が投資を活発に行っています。


12/21 The National PIR
日本企業がパプアニューギニアにある豪州のエネルギー会社を買収する。

新日本石油開発会社は、AGLエネルギー社の株式を7億米ドルで買収した。それにより新日本石油開発会社は、パプアニューギニアにある全ての天然ガス会社のガス資源を所有することが可能になった。

同国のウィリアム・デュマ原油エネルギー大臣は、「新日本石油開発社のような国際的に活動し、評判の高い企業がパプアニューギニアの天然ガス事業にさらに関与することを決意したことに対して我々は非常にうれしく思う。

これにより我が国の液化天然ガス事業に対する信頼性も高まったといえる。」と語った。新日本石油開発会社の古関信社長は、今後、パプアニューギニアの原油開発や他のガス開発事業にも参入していきたいと述べた。

米国の太平洋環境政策、サモアの製造業、太平洋における漁業資源

米国の前政権による太平洋の環境保護政策です。今年5月に北海道において、日本政府主催の「島サミット」が開かれますが、その中でも日本政府は太平洋諸島の環境問題への取り組みを重視すうr「太平洋環境共同体」構想を提示する予定です。



1/7 Radio Australia PIR
ブッシュ大統領が太平洋に世界最大の「海洋資源保護地区」を設置する。

同保護地区は、北マリアナ諸島の近くにあるマリアナ海溝、米領サモアのローズ環礁、中央太平洋の小さな島々が囲む海域からなる、約50万平方キロメートルという、世界最大の海洋資源保護地区となる。保護地区の設定により、同海域内において生息している魚類、鳥類、サンゴ礁、海底活火山の保護につながるだろう。

2008年にキリバスがフェニックス諸島保護地区を設定して、その海域が世界最大の保護地区となったが、今回の米国による保護地区はキリバスのそれを上回る規模となる。しかし、北マリアナ諸島の住民は、自分たちの海域が連邦政府の管理下におかれ、住民による資源利用に制限が加わることに対して懸念を示している。


矢崎総業という日系企業がサモアにおいて、自動車部品工場を経営していますが、昨今の世界的な経済不況の影響を受けています。太平洋の島々の世界経済と無縁ではありません。


1/14 Samoa Observer PIR
矢崎サモアの将来に暗雲がかかっている。

世界的な不景気の影響を緩和するために、サモア人労働者の就労時間を削減するのは短期的な解決策でしかないと、矢崎サモア社の関係者は語っている。海外における自動車生産の受注が18%減少したため、約1500人の労働者は、今後9週間のわたり、32時間から40時間、就労時間が削減されるだろう。



太平洋にある豊富な資源のカツオ、マグロも乱獲等により減少傾向にあります。人間の欲望が海を貧弱にしつつある現実があります。これは昨年の12月のニュースです。



12/3 Radio New Zealand International PIR
中西部太平洋漁業委員会はマグロの漁獲量を削減する予定である。

中西部太平洋漁業委員会は、中西部太平洋におけるキハダマグロの漁獲高を30%削減することを提案している。日本は世界中における漁獲量の動向をリードしてきており、同委員会による今回の提案は日本の漁業者や消費者に対し大きな衝撃を与えるだろう。

キハダマグロは現在乱獲されており、近い将来、漁獲規制が設けられないと、危機的な程に減少することが予測されている。同委員会は、緊急に漁獲量削減を行うことを求めるとともに、漁獲活動の3か月間禁止等について合意形成することを求めている。

延縄漁の場合、2009年に10%、2010年に20%、2011年に30%のように削減量を少しずつ増やしていくことも同委員会は提案している。

フィジー、北マリアナ諸島のニュース

今年1月のフィジー、北マリアナ諸島のニュースです。PIRとは、Pacific Islands Reportの略でして、太平洋諸島、豪州、ニュージーランド等の太平洋地域のメディア(新聞、ラジオ、テレビ)のニュースを土日除く毎日、英語で提供しているホームページです。ハワイ大学の中にPIRの事務所があるそうです。


フィジーはイギリスの植民地でしたが、植民地時代、多くのインド人労働者がサトウキビ産業のために移住し、現在も全人口の半分近くを占めています。



1/21 Fijilive PIR
インド政府がフィジー洪水救援のために10万米ドルの支援金を提供する。

インド政府はフィジーにおける洪水災害救援資金として10万米ドルを提供するだろう。フィジーの首都スバにある、インド政府の高等弁務官事務所は次のような声明を発出した。

「インド政府とインド国民は、フィジー諸島における洪水災害によって引き起こされた多くの人命の損失と破壊に対し深く悲しんでいる。災害に遭われた方々に対しインド国民は同情し、共に助け合う気持ちをもって、このような困難な時期に臨んでいる。」

インド政府は、支援金の他に、女性のためにミシンを提供する予定である。地方やスラムに住む、天災の被害を受けた女性にミシンを提供するによって所得を獲得する機会を与え、女性のエンパワーメントを支援するという目的がある。また、インド政府は、洪水の被災地にある学校において学ぶ生徒に対して、ノート、筆記用具を含む文房具をも提供するだろう。


北マリアナ諸島は米国の一部であり、コモンウェルスという政治的地位を有しています。先住民族はチャモロ人であり、自らの言葉もあります。


1/27 Saipan Tribune PIR
北マリアナ諸島の教育者が地元の言葉が失われていることを懸念している。

チャモロ・カロリン語政策委員会は、北マリアナ諸島地元の言葉であるチャモロ語やカロリン語が、急速に失われていると懸念を示している。

2003年に同委員会が行った調査によると、公立学校の全生徒の15%しか地元の言葉を話さず、その他の生徒は家庭の内外で英語を使っていた。同委員会や公立学校システムは、小中学校において、バイリンガル・プログラムを実施してきた。しかし、資金面での問題のほかに、同事業のための教員を確保することが困難であるという問題が生じた。

90年代に、北マリアナ諸島大学でも、同様の事業が実施されたが、教員確保の困難という同じような問題が生じて、事業は中止を余儀なくされた。現在では、地元の言葉を使うテレビのトークショーにしか同事業は残っていない。


フィジーでは1987年以来4回クーデターが発生しており、現在も軍事力により首相を追い出した軍人が暫定首相についた状態にあります。太平洋諸島フォーラムとは、太平洋島嶼国と、豪州、ニュージーランドをメンバーとした太平洋地域の国際機構です。



1/28 Fiji Times PIR
太平洋諸島フォーラムがフィジーの民主化回復に対して国際社会の支援を求めている。

太平洋諸島フォーラム加盟諸国の首脳たちは、フィジー政府に説明責任を求め、政治的民主主義の速やかな回復を促す措置を国際社会が支持するように求めている。

パプアニューギニアの首都ポートモレスビーで開催された太平洋諸島フォーラム総会において、加盟諸国の首脳たちは、今年5月1日までに総選挙を実施するようにフィジー政府に求め、もしも実施しない場合は、金融上、貿易上の制裁措置をフィジーに課すという決議を採択した。

2007年にトンガで開催されたフォーラム総会において、フィジーのバイニマラマ暫定首相は、今年の3月までに総選挙を実施することを約束していた。同首相は、昨年ニウエで開催されたフォーラム総会に欠席したが、今回の総会にも、洪水被害への対応を理由に出席していない。

太平洋諸島のニュース

私は、「やしの実大学」というサイトにおいて2001年から毎月、太平洋諸島のニュースを編集・翻訳してきました。グアム、パラオに実際に生活して、琉球の共通性を肌身で感じてきました。琉球の自治において、太平洋諸島から学ぶべきことは多く、島嶼同士の民際外交を展開すべきであるとも考えています。

太平洋諸島のニュースの中で関心があったニュースをブログで紹介していきたいと思います。
今年1月のニュースからです。
太平洋諸島はのんびりしたイメージがありますが、都会化された地域では犯罪などの問題も深刻です。



1/8 The National PIR
パプアニューギニアのポートモレスビーは殺人が多い地域として世界上位5位にランクインされた。

ワシントンDCに拠点をおく「外交出版」は、パプアニューギニアのポートモレスビーを、ベネズエラのカラカス、南アフリカのケープタウン、米国のニューオリンズ、ロシアのモスクワとともに、世界の中で殺人が多い地域としてランクインした。

2000年の人口調査によると、ポートモレスビーの総人口は25万4千人であるが、10万人中54人の割合で殺人が発生している。また同地域は、暴力事件の発生率が高いだけでなく、警察官の汚職やギャングの活動も多い。



特別措置制度も、世界的な潮流が変われば使えなくなります。



1/7 Saipan Tribune PIR
サイパンにある3つの衣料製造工場が倒産する。

サイパンにある、3つの衣料製造工場が今年2月までに倒産するだろう。ウノモダ社は、外国人労働者228人、国内労働者55人を雇用している。2008年、サイパンにあった8つの衣料製造工場が倒産し、1千人以上の外国人労働者、国内労働者がその影響を受けた。かつて北マリナ諸島には34の衣料製造工場があった。

すべての工場はサイパンに設立されており、年間6000万米ドルの税金を地元政府に納めていた。2005年から工場の倒産が始まった。同年、WTOは貿易上の数量制限措置を撤廃したことが、工場倒産の原因であるとされている。



独立した島嶼国では、外交力の活用がその国にとって大きな意味を持ちます。




1/12 Matangi Tonga PIR
トンガのヌクアロファに新しい日本大使館が開設された。

1月1日にトンガの首都・ヌクアロファに日本大使館が開設され、トンガにある外交団に新しいメンバーが加わった。新しい大使が、国王に信任状を提出した後、トンガには中国と日本から2人の駐在大使、豪州とニュージーランドから2人の高等弁務官が存在することになる。2006年3月に英国大使館がトンガから撤退したあとに生じた外交上の隙間を日本大使館が埋めることになる。

また、日本大使館の設置は、トンガ政府の「ルック・イースト」という外交政策とも歩調を合わせることになる。1970年に、トンガと日本は外交関係を締結して以来、日本の皇室とトンガの王家は友好な関係を築いてきた。徳仁親王はこれまで3回、トンガを訪問している。

1982年以来、トンガは日本から多くの中古車を輸入しており、また1990年代において、日本はトンガ産カボチャの一大市場であった。日本政府によるトンガに対する援助は目覚ましいものがあり、地域社会に大きな影響を与えてきた。日本政府は、高校や小学校の校舎、病院、上水道等を建設し、これらの施設にボランティアを派遣してきた。両国の友好関係にもかかわらず、トンガ政府の反捕鯨の姿勢は現在も続いている。

また、太平洋フォーラムに属する島嶼国の中でトンガ唯一、日本の国連安保理常任理事国への就任を支持せず、中国に一票を投じたこともある。しかし日本政府がトンガに新しい大使館を開設したことにより、両国の関係はさらに良好になる可能性がある。

嘉手納爆音訴訟

2月27日の琉球朝日放送で嘉手納爆音訴訟についての特集がありましたので、お伝えします。「騒音」ではなく、「爆音」です。戦後64年間、日本に「復帰」して37年間、琉球人はこの爆音にさらされてきました。

福岡高裁那覇支部は「うるささ指数75以上の地域も受忍限度は超えている」として救済範囲を拡大し、国に対して6億2000万円の支払いを命じました。

他方、国に対する飛行の差し止め請求は棄却し、アメリカ合衆国に対する訴えは裁判権が及ばないと却下しました。そのほか、判決では将来の被害に対する賠償請求を退け、難聴などの健康被害と爆音との因果関係については認めませんでした。

これからも基地がある限り、琉球人は爆音を受け続け、健康被害も忍ばなければならないのです。
これが「平和な日本」の一地域の現実です。



嘉手納基地周辺の住人およそ5500人が国に損害賠償などを求めた新嘉手納爆音訴訟の控訴審判決で27日、福岡高裁那覇支部は救済対象を拡大し、国に対し騒音訴訟としては過去最高の56億2000万円の支払いを命じました。

裁判の原告は、嘉手納基地周辺のうるささ指数75から95の地域に住むおよそ5500人で、2005年の一審判決では75と80の地域については「騒音が減少している」として85以上の地域の生活被害のみを認定。原告被告双方が控訴していました。

27日の判決で福岡高裁那覇支部は「うるささ指数75以上の地域も受忍限度は超えている」として救済範囲を拡大、国に対して合わせて56億2000万円の支払いを命じました。

一方、国に対する飛行の差し止め請求は、従来の第三者行為論に基づいて棄却し、アメリカ合衆国に対する訴えは裁判権が及ばないと却下しました。そのほか、判決では将来の被害に対する賠償請求を退けたほか、難聴などの健康被害と騒音との因果関係については認めませんでした。

原告の反応さまざま
27日の高裁判決を受け、原告からは評価する声が出る一方、最大の願いである深夜・早朝の飛行差し止めが叶わずに悔しがる声も入り混じりました。

原告は「とても喜んでいます。みんなができたというもので」「賠償以外はこれまで通りでいくような感じだから、しばらく厳しい」と話していました。

また、弁護団は「差し止めをすることによって、安保体制が危機に瀕するというような、変な政治的な(裁判所は)そういう発想だと僕はみている」と話していて、他府県の爆音訴訟でも深夜・早朝の飛行差し止めを認めない判決が固定化しているとして、「第三者行為論」で判断自体を放棄する司法に対してやり場のない怒りを見せました。

では取材にあたった中村記者に聞きます。まず、今回の判決の内容は?

中村記者「今回の福岡高裁那覇支部が言い渡した主な判決内容は、損害賠償について国側におよそ56億2700万円の支払いをを命じました。

そして争点のひとつとなっていた受忍限度、つまり、うるささ指数については「75」以上に賠償。騒音などによる健康被害や深夜早朝の飛行差止めは認めませんでした」

今回の判決で争点となっていたうるささ指数の我慢できる限度について、一審では85以上だったものが「75」まで引き下げられ、損害賠償が認められた。この部分において勝訴ということですね。

中村記者「そうです。判決文ではうるささ指数80、75の地区でも我慢できる限度を超える騒音レベルであると認定しました。

しかし『75』地域でも、うるささの区域を設定したおよそ30年前より現在の騒音状況のほうが低かったとして、読谷村座喜味から北の地域の原告21人については賠償が認められませんでした」

爆音のもたらす健康被害についてはどうでしょうか。

中村記者「健康被害について、とくに原告4人が訴えていた航空機騒音による聴力障害については、原告側は専門家を証人として呼び、因果関係があると訴えていましたが、地裁判決同様に因果関係は認められないと判断しました」

そして、何よりも原告団の一番の願いが「静かな夜を返せ」ということなんですが、夜間早朝の飛行差止めについてはどうでしょうか。

中村記者「飛行差止めについては、全国の爆音訴訟同様に認めませんでした。しかし裁判所は、騒音被害を認める判決が過去の爆音訴訟でも繰り返し出ているにも関わらず、現在でも抜本的な改善がされていないという意見も明記しました。

住民の飛行差し止め請求が司法では救済できない以上、国がこの状態をいつまでも放置せず、騒音状況の改善を図ることは「国の責務」だと初めて言及しました」

裁判所がここまで言及したということは、一歩前進と言えるわけですね。

中村記者「これは国を厳しく批判したとも言えますが、裁判所の限界を自ら認めたともいえる内容です。何度も裁判を起こし、国も何度も賠償金を払う。それでは根本の解決にはなりません。この悪循環を断ち切らない限り、静かな夜は取り戻せないということです」

さてこの判決を受けて今後はどうなるのでしょう。

中村記者「原告団は午後6時から報告集会を行っていて、この場で上告する方針を決めました。また国は、判決内容を慎重に検討し対処したいとコメントしています」

ここまで嘉手納爆音訴訟について、まとめてお伝えしました。

龍谷大学大学院民際学研究プログラムの授業シラバス3

民際学の手法を用いて、大学院では「地域経済論研究」という科目も担当しています。
島嶼地域が抱える問題と、ゆいまーるによる協同性を強固に保持した内発的発展による、
問題の克服について、学生と論じていきたいと思います。
また、学生が関心を持つ地域の経済についてもともに議論し、学んでいきたいです。





地域経済論研究

講義概要
 地域経済とは、村や町などの小規模なレベルからEUなどの国境を越えた大規模なレベルまでを含む、ある一定の地理的範囲における経済活動をさします。それぞれの地域には独自の政治構造、社会生活、歴史風土、生態系、文化等があり、これらと関連しながら地域経済が展開されてきました。

また中央政府との関係性(中央集権体制なのか、分権体制なのか等)によっても地域経済のあり方は大きく異なります。

地域ごとに経済発展の水準や内容、経済構造や形態等に違いがみられ、地域の人々が直面する経済問題の性格、問題解決のための取り組み方法や政策等においても多様な展開をみせています。

 本講義では、地域の具体的な事例として琉球列島、太平洋諸島に焦点を絞って考察します。琉球列島は奄美諸島、沖縄諸島、宮古諸島、八重山諸島等の海洋に散在する島々からなります。

太平洋諸島は、ミクロネシア文化圏、ポリネシア文化圏、メラネシア文化圏とよばれる、太平洋上の3つの文化圏に属する島々です。

各島嶼は人口が少なく、面積が狭いため、市場の規模が小さくなります。またそれぞれの経済空間が島嶼として分散していること、大きな市場から遠距離にあること、鉄道・道路等が海によって分断されていること等のために輸送コストが高くなり、他地域にあるインフラや施設等への接近が困難になる傾向があります。

本講義では、島嶼性ゆえに発生する経済問題とその解決方法や政策について研究する学問である島嶼経済論に関する概説を行います。

 そのうえで、受講者が関心をもっている特定の地域における経済について研究発表してもらい、相互に議論を行います。

授業計画
1. イントロダクション
2. 地域経済論と島嶼経済論との関係について
3. 琉球列島を、太平洋諸島という島嶼地域の地域経済を考える
4. 受講者による研究発表 
5. 講義のまとめ

授業の進め方
 受講者の主体性を重んじ、双方向型の授業とし、相互の討論を重視します。映像、写真等を用いて地域経済、島嶼経済を具体的に理解できるようにします。

成績評価方法
 授業態度、出席状況、研究発表内容、討論内容、レポート等に基づいて総合的に評価します。

担当者から一言
 強い問題意識をもち、地域経済について熱く議論をしたいと考えている学生を歓迎します。

テキスト
プリント、資料等を配布します。

参考文献
 松島泰勝『琉球の「自治」』藤原書店、2006年
 松島泰勝『沖縄島嶼経済史-12世紀から現在まで』藤原書店、2002年
 松島泰勝『ミクロネシア―小さな島々の自立への挑戦』早稲田大学出版部、2007年

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