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プロフィール

Yasukatsu Matsushima

Author:Yasukatsu Matsushima
1963年琉球石垣島生まれ。石垣島、南大東島、与那国島、沖縄島にて育つ。

その後、東京、グアム、パラオ、沖縄島、静岡、京都、滋賀にて学び、働き、生活する。

著書に『沖縄島嶼経済史―12世紀から現在まで』藤原書店、2002年
『琉球の「自治」』藤原書店、2006年
『島嶼沖縄の内発的発展―経済・社会・文化』(編著)藤原書店、2010年、
『ミクロネシア―小さな島々の自立への挑戦』早稲田大学出版部、2007年
『琉球独立への道』法律文化社、2012年
『琉球独立論ー琉球民族のマニフェスト』バジリコ、2014年
『琉球独立ー御真人の疑問にお答えします』Ryukyu企画、2014年
『琉球独立宣言ー実現可能な5つの方法』講談社文庫、2015年
『民際学の展開ー方法論・人権・地域・環境の視座から』(編著)晃洋書房、2012年
『琉球列島の環境問題ー「復帰」40年・持続可能なシマ社会へ』(編著)高文研、2012年
『3・11以後何が変わらないのか』(共著)岩波書店、2013年
『島嶼経済とコモンズ』(編著)晃洋書房、2015年
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国連人種差別撤廃委員会から日本政府へ勧告

国連人種差別撤廃委員会から日本政府へ勧告がでました。琉球人を先住民族と認め、その諸権利を守るための具体的な取り組みをしなさいという、非常に厳しい内容のものです。国連が琉球人を独自の民族であると再び認めたことになります。
The Committee recommends that the State party review its position and consider recognising the Ryukyu as indigenous peoples and take concrete steps to protect their rights. The Committee also recommends that the State party enhance its consultations with Ryukyu representatives on matters related to the promotion and protection of their rights. The Committee further recommends that the State party speed up the implementation of measures adopted to protect the Ryukyu language from risk of disappearance, facilitate education of Ryukyu people in their own language and include their history and culture in textbooks used in school curricula.
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パラオの美しい自然と島人から学ぶ旅

今、BS朝日で、古代カヌーで巡る奇跡の島、世界遺産パラオ・ロックアイランドを観ています。7時からですが、8時以降もします。

来年の2月に龍谷大学の学生とパラオに研修旅行に行く予定です。これまで5回ほど龍谷大学の学生とパラオに行って来ました。これまで行ったところが映像ででてきて懐かしいとともに、改めて島の美しさに驚き、島人の自然と共生する生き方に多くを学ぶ思いです。

スコットランドの独立

これからNHKBSでスコットランドの独立住民投票についての番組が始まります。見てみましょう。来月、友知さんとともに、ロンドンとスコットランドに行き、研究調査、ネットワークの形成等を行う予定です。

スコットランドでは、独立を具体的選択肢として、スコッツが真摯に議論して、独立を目指していました。イギリスの軍事基地への依存、それからの脱却が独立をするかどうかを決める、一つの争点になっています。

それからスコットランドの経済はどうするのか。など、スコットランドの現在から、琉球は多くの事を学べます。



大規模辺野古反基地運動の日に

昨日は、宜野湾市の琉球館において、琉球民族独立総合研究学会の共同代表によるミーティングを行い、10月の名護で行なわれる学会大会、総会、オープンシンポについて、、そして学会誌等について話し合いました。学会大会、オープンシンポについては学会HPをご覧下さい。

学会誌は琉球内の書店等で販売される予定ですので、どうぞご購入下さい。学会会員の方は無料です。その後、『琉球独立論』の読書会をしました。参加者の一人から、美味しそうなドラゴンフルーツを頂戴しました。今年大学を卒業して、ドキュメンタリー映画作家をしている比嘉君も参加してくれました。

眼光鋭い表情が印象的でした。

読書会の参加者が琉球独立を真剣に考え、行動していることが肌から感じました。読書会後、皆さんはそれぞれ辺野古に行きました。独立学会でも有志の会員さん方が、「独立実践」という文字が記された横断幕を持って辺野古埋め立て反対の抗議活動をしています。

私は関西に戻るため、その日の辺野古大規模反対集会には参加できませんでしたが、「私の分も頑張るからね」と与那嶺さんが言って下さり、うれしかったです。空港では売店で、沖国大の前泊さんと会いました。これから北海道に基地問題に関する講演のために5時間かけて行かれるとのことでした。琉球人がそれぞれの分野で反基地運動をしているのだなと思い、勇気づけられました。

今日、『琉球独立論』の読書会があります

今日の沖縄タイムスの読書欄をみたら、ジュンク堂那覇店で売り上げ総合4位に『琉球独立論』がランクされていました。拙書を買って下さった方に、心よりお礼申し上げます。今日は、午前10時から宜野湾嘉数の琉球館で拙書の読書会があります。参加者の方々と、真摯に議論をさせていただきたいと思います。今日は拙書の第一部の部分を対象に議論を行います。ゆたさるぐとぅうにげーさびら。

明日、琉球館で『琉球独立論』の読書会があります

明日、宜野湾の琉球館で拙書の読書会が開かれます。読者の方々と琉球独立について真摯に議論したいと思います。お時間がありましたら、是非お越し下さい。
第 1 回『琉球独立論』読者会 ゲスト:著者・松島泰勝さん

しまんちゅスクール
日 時 8月23日(土) 午前10時~11時半 参加費:1,000円(ドリンク付) 場 所:cafeくろとん(琉球館1F) *要事前お申込み(098-943-6945)

去る 7 月に発行された『琉球独立論-琉 球民族のマニフェスト』(バジリコ株式会 社)の著者・松島泰勝さん(龍谷大学経済 学部教授、琉球民族独立総合研究学会共同 代表)をゲストにお招きする読者会。
第 1 回目のテーマは、第 1 部「琉球小史」 です。 (第 1 部は第 1~4 章) 第 1 章:琉球王国の成り立ち 第 2 章:植民地となった近代琉球 第 3 章:戦時下の琉球と米軍統治時代 第 4 章: 「復帰」という名の琉球再併合 当
日は、同書をご持参ください。当スク ールでも好評販売中です(1800 円+税)。

事前予約をして、お越し下さい。
住所:宜野湾市嘉数4-17-16 琉球館2F (㈱Ryukyu企画)

電話:098-943-6945
FAX:098-943-6947
メールアドレス:teruya@ryukyukikaku.com
担当:照屋

熊本鎮台駐屯地跡を歩く

昨日は、那覇市役所情報公開センター、那覇市立図書館、沖縄県立図書館に行き、研究資料を探しました。那覇市立図書館は私が高校の時から同じ建物であり、高校生の時に戻ったように、大変落ち着きます。その後、与儀、古波蔵周辺を歩きました。

琉球併合時に、熊本鎮台の兵隊が駐屯していた場所です。琉球新報の琉球併合特集記事を思い出しながら、歩きました。今日は、自宅にたまった新聞、沖縄タイムスと琉球新報を読んで、切り取っています。現在調査中の琉球の植民地経済についても貴重な資料がありました。

謝名親方顕彰碑

謝名親方の石碑の前に行き、手を合わせました。琉球に帰国し、時間があれば波の上に足が向かいます。

辺野古ゲート前抗議7

歩道を占拠した鉄製の障害物です。手で触ろうとすると、警備員が傲慢にも「触るな」と命じましたが、警備員の足の間から固い鉄の障害物をこの手で確かめました。

辺野古ゲート前抗議6

宜野湾市か数のカフェくろとんに戻り、本村さん、照屋さんとともに、ぬちぐすいのおいしい料理を食べながら、今日の抗議活動について話し合いました。

辺野古ゲート前抗議5

抗議の方々が少し休憩しているとき、山城さんが、私を紹介して下さいましたので、少しアピールさせていただきました。琉球独立を主張する者の一人として辺野古の新吉建設に反対すること、そして、10月に名護で琉球民族独立総合研究学会の大会と公開シンポが開催されること等をアピールさせていただきました。参加者の中から、会員になりたいという方もおり、嬉しかったです。

辺野古ゲート前抗議 4

私達が抗議活動をしているとき、観光客のレンタカーが警察が設置した柵に衝突する交通事故が発生したました。その原因は、歩道に蛇腹状の障害物を起き、また歩道と車道との間にも柵を設置した沖縄県警側にあることは確かです。どのようなこの交通事故を処理するのか、みてみたいです。

辺野古ゲート前抗議 3

私達が抗議活動をしているとき、観光客のレンタカーが警察が設置した柵に衝突する交通事故が発生したました。その原因は、歩道に蛇腹状の障害物を起き、また歩道と車道との間にも柵を設置した沖縄県警側にあることは確かです。どのようなこの交通事故を処理するのか、みてみたいです。

辺野古ゲート前抗議 2

次に大浦湾側に行き、安次冨さんと少し話をさせていただきました。今日は一隻しか海上保安庁の船が見られませんでしたが、ボーリング調査周辺に張り巡らされたブイを確認することができました。この湾の世界的にもすばらしいサンゴが破壊され、平和な生活が失われることは、琉球民族として大変、残念です。

辺野古ゲート前抗議1

ゲートの前では警察が違法に私達をビデオで撮影していました。ゲートの前には民間の警備会社の職員が達、その後ろに沖縄県警がおり、そして大型車両の中には機動隊が待機していました。そして辺野古工事の当事者であり、沖縄防衛局は私達の前に姿を見せずにいました。安倍首相は琉球人に対して真摯に向き合いながら、工事を行うのではなく、暴力的に工事をアメリカの起源を伺うための進めていると実感しました。

今日、琉球に帰国します。

今日、琉球に帰国します。島嶼経済のフィールドワークを行なうとともに、辺野古に行き、日米による植民地支配の現実をしかっりと見たいです。また次のように、琉球館で土曜日に拙書の読書会が開かれます。読者の方々と琉球独立について真摯に議論したいと思います。

第 1 回『琉球独立論』読者会 ゲスト:著者・松島泰勝さん
しまんちゅスクール

日 時 8月23日(土) 午前10時~11時半 参加費:1,000円(ドリンク付) 場 所:cafeくろとん(琉球館1F) *要事前お申込み(098-943-6945)

去る 7 月に発行された『琉球独立論-琉 球民族のマニフェスト』(バジリコ株式会 社)の著者・松島泰勝さん(龍谷大学経済 学部教授、琉球民族独立総合研究学会共同 代表)をゲストにお招きする読者会。

第 1 回目のテーマは、第 1 部「琉球小史」 です。 (第 1 部は第 1~4 章) 第 1 章:琉球王国の成り立ち 第 2 章:植民地となった近代琉球 第 3 章:戦時下の琉球と米軍統治時代 第 4 章: 「復帰」という名の琉球再併合 当日は、同書をご持参ください。当スク ールでも好評販売中です(1800 円+税)。

平恒次先生からの励ましの言葉

アメリカのイリノイ州にお住まいの、宮古島ご出身の平恒次先生から『琉球独立論』に関して、勇気づけられるメールを頂戴しました。平先生は、イリノイ大学で労働経済学を研究、教育されてきた世界的な経済学者です。小生の琉球独立論jは、先生が「復帰」前から独立を一貫して主張し、学問的に論じてこられたことに大変、刺激と勇気を頂いてきました。先生からの励ましのお言葉を心の支えとして 、これからも琉球独立論を研究し、実践していきたいと存じます。


御高著ありがたく頂戴いたしました。智仁勇兼備の見事な出来映えです。
おめでとうございます。

「琉球民族のマニフェスト」であるとともに、失礼を顧みず申しあげれば、
貴殿の「五十知命宣言」ともいえるのではないかと思います。重ねて
おめでとうございます。

同時に私自身の臆病な渡世が恥ずかしくなります。1950年代、ものを書き
始めたころ、沖縄がアメリカの「植民地」になったと、言おうとして言えな
かったことを鮮明に思い出します。「一番怖いことは、怖がることである」
とはよくいったものです。

御高著はセミナーや類似の勉強会などの原論テキストとしても最適であろう
と思います。これにアメリカ式”Readings"(いわば各論集)をつける、と
すれば何単位かに相当する教材ができることは間違いないでしょう。そのよ
うなコースを教えてみたいものです。(勿論、私にはもう出来ないことは解
っています。)
貴殿の一層の御活躍を期待するとともに、無敵の御健康を祈ります。

『琉球独立論』の書評

龍谷大学法学部教授の西倉先生が拙書の書評をして下さいました。心より感謝申し上げます。




「琉球独立論 琉球民族のマニフェスト」
松島泰勝
バジリコ
琉球出身の大学の同僚教授の新刊著書。日本および日本人に対する絶望のあまりにたどり着いた決別の書だ。前作の学術論に加え、新たに運動論も強く打ち出しており、大国の思惑が渦巻く東アジアの厳しい現実政治の中で前途多難な一歩を踏み出したようだ。

11月の那覇でのシンポジウムに参加する予定なので、現地の政財界人の意見も聴いてみたい。内容的には、独立を目指す(あるいは事実上独立している)台湾へのシンパシーを旗幟鮮明にしている点に注目した。今後、中国との関係も微妙になるだろう。

道標求めて 琉米条約160年 主権を問う

Twitterでジョージさんがアップして下さいました。にふぇーでーびる。
道標求めて 琉米条約160年 主権を問う 松島 泰勝 龍谷大学教授 発展へ独立が近道 自主憲法で生命守る 琉球新報 2014.8.14Bu9Tp2BCMAENsIY.jpg

『琉球独立論』への期待

8月2日と8日に、琉球民族独立総合研究学会の事務局宛に3回にわたりお電話をされたがおられましたら、ご連絡下さい。拙書『琉球独立論』に対する高い期待を力強い声で話して下さいました。まだ注文してまだ手元に届いていないとのことでしたが、平和的な琉球独立を強く訴えていました。

また学会に対してもご提言下さいました。私自身、大変、励まされました。10月の名護での学会大会、またその他の機会で、直接、お礼を言い、拙書について話を伺いたく存じます。

『琉球独立論」の書評


【読書ノート】
『琉球独立論』松島泰勝著、バジリコ㈱2014年7月20日初版

辺野古をめぐる逼迫した情勢の中、今一度、琉球の歴史を振り返り、沖縄の運動の底流にある沖縄人の本音を知るために、必読ねがいたい。というよりも、この書は日本人が本来知るべき歴史的経緯をすべて網羅しているといっていい。さらに、現実の沖縄人の建前的な優しさの裏にある本質的な内面を率直に語ってくれている。
だからといって、いまさら日本人に向けて何かを問いかけているわけでもない。

独立論の系譜は長い歴史を持っているが、世代を超えて琉球に受け継がれる思想史も知ることが出来る。著者の松島泰勝さんは、八重山出身の経済学者であり、島嶼経済が専門である。南太平洋の島嶼地域をベースに研究し、沖縄の自立経済、外交などにも及ぶ具体的な分析に説得力がある。(これまでの独立論に経済学が導入されることはないように思う)

個人的な感想を述べれば、琉球の独立論には、さまざまな議論があり、その内容は一枚岩ではない。居酒屋独立論などは論外としても、琉球独立学会の設立をめぐる議論などは埒外の私には手の届かぬ話である。

(別に日本人のために書いているわけではないので当然だが)私の原点でいえば、新川さん、川満さん、岡本さん、仲里さんらがその系譜との出会いであったが、次世代の議論、例えば新城郁夫さんの批判に(この本で)数ページも挿入することの意味がわからない。

余計な話は以上。常々敬愛する松島さんが書き記してくれた独立論に心から感謝します。

『ミクロネシアー小さな島々の自立への挑戦』の書評

しっかりと、淡々と、過度にならずも的確に絵を描く、腰に粘りがある力作。

 沖縄とのからみ、位置、流れ。記述が丁寧でわかりやすく嬉しい上、歴史的にうへぇぇぇな話がいっぱいなのですよ。
 「かつての日本が行ったこと/もくろんだこと」がたくさん書かれているこの本で、沖縄の状況含め、植民地とは何か、日本が国民に記憶させたくないことは何なのか、多角的に考えてみたく。


http://sciencebook.blog110.fc2.com/blog-entry-1040.html

国家の論理振りかざすと戦争につながる 尖閣諸島は「東アジアの共有地」にしたい 8

尖閣は「みんなのもの」にするように中国を説得する

―― 非武装を標榜する琉球が、独立後に中国や台湾と向き合った際、関係はどう変化するのでしょうか。

松島: 沖縄県は日本の西端で、その先には国境線がそそり立っています。想定される変化を、まず経済の面から説明します。与那国島は日本の最西端で非常に物価が高い。台湾よりはるかに遠い那覇から石垣島を経由して物資を持ってきているからです。独立すると、与那国は台湾と行き来ができて物価が下がる。

中国との関係を見ると、今でもマルチビザ制度を通じて、富裕層が琉球を経由して日本に来ています。すでに全日空(ANA)が那覇空港をハブ(拠点)に、日本本土とアジア各地を結ぶ貨物路線を運航していますが、独立にともなって、こういった経済的なつながりがさらに強まることを期待しています。

島同士は互いに行き来できたほうが活きてきます。島が衰退するのは、人工的に引かれた境界線が原因です。太平洋の島々では、欧州諸国が引いた人為的な線によって島民が島に閉じ込められ、孤立化するわけです。琉球は独立したとしても、新たに国境線を引くのではなく、むしろ国境という意味での「ハードル」を下げたい。

これまでの近代国民国家とは違う国のあり方、大陸国家ではない島嶼国家だからこそできることを追求したいです。今の日本政府のもとでは、それは不可能です。

―― 尖閣周辺はどう変化しますか。安全保障面の課題は山積しています。

松島: コモンズにするように琉球側から提案して説得します。それが実現したら、密漁船が来ないような国際的な条約も取り決めます。「東アジアみんなのもの」にするというのは、琉球国だからこそ可能なことです。

―― ルール作りをするとなると、それが実効性のあるものにするのは大変な作業ですね。最近の事例を見ても、1996年に交渉が始まった日台漁業協定は、合意に至ったのは2014年1月のことでした。

松島: 1996年から琉球人は国連の各種委員会に対して毎年のように働きかけています。国連をいかに活用するか、琉球人は経験を蓄積しています。ネットワーク作りも実績がありますし、独立後もそのような経験が活かせると思います。元来、国際的なルール協定作りは琉球人が長けているところです。

なぜならば、琉球人はかつて、600年にわたって琉球国という国を運営してきたからです。当時も、周辺国との協定をまとめあげた優秀な外交官がいました。

松島泰勝さん プロフィール
まつしま・やすかつ 龍谷大学経済学部教授、琉球民族独立総合研究学会共同代表。1963年沖縄県石垣市生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。専門は島嶼経済。在ハガッニャ(グァム)日本国総領事館専門調査員、在パラオ日本国大使館専門調査員、東海大学海洋学部助教授等を経て現職。

2007年「NPO法人ゆいまーる琉球の自治」を立ち上げ代表を務める。2013年5月15日「琉球民族独立総合研究学会」の設立メンバーとして同学会共同代表就任。著書として『琉球独立論』、『琉球独立への道』『琉球の「自治」』『ミクロネシア』等、多数。

国家の論理振りかざすと戦争につながる 尖閣諸島は「東アジアの共有地」にしたい 7

武力の強化という方向はゆるめるべき

―― 松島さんの琉球独立論では、「米軍基地が残った形での独立はありえない」と位置づけています。そうなると在沖米軍は岩国や硫黄島が引き受けることになり、対中戦略の大幅な見直しが迫られそうです。

松島: 日本政府は日中関係を力の均衡による「積極的平和主義」で乗り切ろうとしているように見えます。これが続けば、「日本が核兵器を持つ」という議論にもつながりかねません。日本が本当に日中関係の改善や東アジアの平和を願うのであれば、武力の強化という方向はゆるめるべきです。

今の状態は集団的自衛権の実現、憲法解釈の変更など、武力、戦争を前提に、抑止力に基づいた「平和」に大きくかじを切りすぎています。中国も海洋大国を目指しており、同様の傾向です。お互いがしのぎを削っていては、両国の緊張は解けません。

しかも、琉球は日中がしのぎをけずった結果、最も犠牲になりやすい場所です。そうならないための独立が必要です。

国家の論理振りかざすと戦争につながる 尖閣諸島は「東アジアの共有地」にしたい 6

独立後は「アジアのジュネーブ」になりたい

―― あらゆる国から距離を置く必要があるわけですね。

松島: 独立した場合は永世中立を目指し、あらゆる国と対等な外交関係を結ぶことを求めています。

―― 独立した場合、日本、琉球、中国、台湾といった国や地域の間の関係は、どのように変化するのでしょうか。琉球は、日本と中国のクッションになるのでしょうか。

松島: 琉球独立を求めている背景はいくつかありますが、第1は米軍基地をなくすためには独立が最も有効だということです。繰り返しになりますが、1%の人口しかない琉球人が「基地はいらない」と言ってみたところで、多数決の原理のもとでは基地は押しつけられたままです。

現状の日本政府は日米同盟堅持を打ち出しています。このまま日本政府が「日本の抑止力は米軍基地に依拠しており、米軍基地で日本が守られている」という考え方を続けるのであれば、琉球独立後は琉球内の米軍基地は日本本土に移ることになり、本土の自治体が、これまでの琉球と同様に米軍基地を抱えることになります。

中国を仮想敵国として位置づける限り、日中関係は改善しないでしょう。日本政府や、日本国民の大部分の中国に対する見方や考え方が変わってはじめて日中関係は改善する。ただ、琉球は非武装中立を目指しており、それが実現した場合は、琉球が国連のアジア本部や世界の人権機関が拠点を置くなど、ジュネーブのような場所になればいいと考えています。

平和を志向する人や機関が集まって、会談をして日中の緊張緩和が期待できます。アジアの中のジュネーブ、平和を作る場所として琉球が位置づけられればいい。

国家の論理振りかざすと戦争につながる 尖閣諸島は「東アジアの共有地」にしたい 5

周辺の大国の力借りて独立するのはだめ

―― 中国共産党機関紙の人民日報や、同系列の環球時報は「独立を支援すべき」という趣旨の論文を掲載しました。これは独立運動にとって追い風ですか。それとも警戒すべきですか。

松島: 「琉球人による、琉球人のための」琉球独立であって、主体は琉球人です。琉球人以外の民族が支援するような筋のものではありません。あくまで琉球人自身が努力して考えて研究して実行に移すべきだというのが独立運動の柱です。中国側が言う「支援」の形がどのようなものであれ、この方向性は変わりません。

中国の論文では「琉球の政治的な地位を再定義すべき」だとしています。つまり、沖縄県という日本の一部を再定義すべきだということです。この「再定義」する主体が問題です。中国政府であってはならず、あくまでも琉球人でなければなりません。自己決定権を持っているのも琉球人です。

1972年日本復帰前に唱えられていた古い琉球独立論では、場合によっては米国や台湾の後ろ盾を期待する声もありました。今では皆無といっていい。周辺の大国の力を借りて独立を実現しようとするのはだめです。パラオをはじめとする太平洋の島々のように、人口が少なくても、大国の支援なしに独立できたケースはいくらでもあります。

他国に依存するのは独立の精神に反します。

国家の論理振りかざすと戦争につながる 尖閣諸島は「東アジアの共有地」にしたい 4

偶発的な衝突で被害を受けるのは琉球人

―― 尖閣諸島については、日本政府は「領土問題は存在しない」という立場です。

松島: 尖閣の状態を再び「棚上げ」にすることを日本政府が検討するのであれば琉球人の考え方も変わるでしょうが、その可能性は皆無といっていい。そうであれば、琉球の人の生活や財産を守る方法として、独立する選択肢も真剣に考え、行動する必要があります。

独立した方が「島を東アジア共有の財産にする」「東アジアを平和な空間にする」といった構想が実現しやすくなると考えています。今の状況では、日本も中国も台湾も「自分のもの」と主張するでしょうし、相手に軍事的影響力を及ぼして、実効支配をしようとしている。

その時に偶発的な衝突が起こったときに被害を受けるのは琉球人なので、そうならないような発想が必要です。

―― 仮に独立しない場合、現行の沖縄県としてはどういったことが可能でしょうか。「一番まし」なシナリオはどうなりますか。

松島: 「元の状態に戻して島については争点にしない」というあたりで日中合意できるのが望ましいと思います。棚上げして、みんなのもの、「コモンズ」にする。

国家の論理振りかざすと戦争につながる 尖閣諸島は「東アジアの共有地」にしたい 3

東アジア共有の財産として利用するような新たな知恵が必要

―― そうは言っても、現実に国有化が完了し、緊張が高まっています。今から何かできることはあるのでしょうか。下地島空港などに自衛隊を配備して「国境防衛」を強化すべきだとの声も強い。仮に配備をすべきでないとすれば、中国とはどう付き合うべきでしょうか。

松島: 尖閣諸島の領有権は、中国以外にも台湾が主張しています。もちろん日本も主張しています。まずは平和的な解決を模索すべきです。抑止力で均衡を保とうという考え方では、何かのきっかけで紛争に発展するリスクが残ります。やはり話し合いです。

尖閣諸島についても「これは日本のものだ」と国家が占有するのではなく、東アジア共有の財産として利用するような新たな知恵が必要です。従来の国民国家の論理を振りかざし合うだけでは戦争につながってしまいます。原油は共同開発し、無人島を東アジアの平和のための空間として活用すべきです。実際、すでにそのような提案も出されています。

―― 「理想論」「夢物語」と批判されたりはしませんか。

松島: 確かにそういった意見も内地(本土)からはあります。だからこそ「琉球独立論」が出てくるのです。琉球の人口は日本全体からすればわずか1%。どんなに反対しても、結局は数の力で「尖閣を国有化する」「自衛隊を配備する」ひいては「戦争する」といったことが決まり、琉球人が犠牲になることになります。

「だったら日本から分かれて平和的に問題を解決しよう」という選択肢を考え始めています。

国家の論理振りかざすと戦争につながる 尖閣諸島は「東アジアの共有地」にしたい 2

「また戦争が来る」という思いを強く持っています

―― 琉球では、国有化は「余計なことをしてくれた」と受け止められているわけですね。

松島: 「余計なこと」でもありますし、国有化の意志決定が琉球の人々の生命や財産、安全を念頭に置いて行われたのか、きわめて疑問です。国有化で中国、台湾が反発して緊張が高まることは予想されていたわけで、琉球人の日本政府に対する信頼を、さらに損ねる結果になりました。

これは米軍基地とも密接な関係があります。琉球人は米軍基地がなくなることを望んでいますが、日本政府の「尖閣周辺の緊張が高まる→先島防衛が必要→日米安保の強化→辺野古移設を進める」といった理屈で、尖閣諸島の緊張を理由に米軍基地の存在を正当化する動きを強く懸念しています。ゆくゆくは戦争につながることも恐れています。

なぜ琉球人が戦争におびえるかというと、実際に70年前に、多くの住民が生活している島において、日本で唯一の地上戦を経験しているからです。「軍隊は住民を守らない」という本質を思い知らされています。島で戦争が発生すると、周りは海に囲まれているので逃げ場がありません。

戦闘に住民が巻き込まれたり、日本軍に殺されたり、集団死を強要されたりした記憶が今でも継承されています。「また戦争が来る」という思いを強く持っています。こうした琉球人の記憶と、日本の内地(本土)の人との認識には、本当に大きな隔たりがあります。温度差どころではなく、「認識の壁」があります。

国家の論理振りかざすと戦争につながる 尖閣諸島は「東アジアの共有地」にしたい 1

尖閣諸島は、沖縄県石垣市に属している。中国との間で領有権問題はないというのが日本政府の立場だ。地元では日本の立場をどうとらえ、日中関係をどうすべきだと考えているのか。

石垣市生まれで、琉球独立を目指す、龍谷大学教授の松島泰勝さんに尖閣問題に対する「異論」を聞いた。

自衛隊配備計画めぐり島が二分され、親族が対立して住みにくくなった

―― 2012年に尖閣諸島を国有化したのを機に、周辺海域の緊張が高まっています。真っ先に影響を受けるのが琉球だとも言えますが、この国有化をどう評価しますか。

松島: 国有化から急に緊張感が高まりました。それまでは、尖閣をいわゆる「棚上げ」状態にして、その扱いを将来の世代に委ねることになっていました。つまり、尖閣を争点にしないことで、平和が維持されていたわけです。ですが、国有化を通じて「尖閣諸島は日本領で、日本国の持ち物だ」と世界に、特に中国に宣言した形です。

それ以降、島嶼(しょ)防衛や自衛隊基地配備計画が進み、日本最西端の与那国島でも配備受け入れをめぐって島が二分されました。同じ島の中で親兄弟、親族が対立することになり、非常に住みにくくなり、人口が減るという結果を招きました。

このようなことは、石垣島や宮古島でも起こりうると思います。これらの島々が戦場になる恐れも高まります。そういう危機感を持っています。

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