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プロフィール

Yasukatsu Matsushima

Author:Yasukatsu Matsushima
1963年琉球石垣島生まれ。石垣島、南大東島、与那国島、沖縄島にて育つ。

その後、東京、グアム、パラオ、沖縄島、静岡、京都、滋賀にて学び、働き、生活する。

著書に『沖縄島嶼経済史―12世紀から現在まで』藤原書店、2002年
『琉球の「自治」』藤原書店、2006年
『島嶼沖縄の内発的発展―経済・社会・文化』(編著)藤原書店、2010年、
『ミクロネシア―小さな島々の自立への挑戦』早稲田大学出版部、2007年
『琉球独立への道』法律文化社、2012年
『琉球独立論ー琉球民族のマニフェスト』バジリコ、2014年
『琉球独立ー御真人の疑問にお答えします』Ryukyu企画、2014年
『琉球独立宣言ー実現可能な5つの方法』講談社文庫、2015年
『民際学の展開ー方法論・人権・地域・環境の視座から』(編著)晃洋書房、2012年
『琉球列島の環境問題ー「復帰」40年・持続可能なシマ社会へ』(編著)高文研、2012年
『3・11以後何が変わらないのか』(共著)岩波書店、2013年
『島嶼経済とコモンズ』(編著)晃洋書房、2015年
Yasukatsu Matsushima

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批判質問状への回答

沖縄・生物多様性市民ネットワーク 前共同代表・前事務局・事務局ワーキンググループ
の吉川秀樹さんから、「批判質問状」に対する回答を頂戴しました。
真摯にお答え下さり、心よりお礼申し上げます。
この問題は、琉球人の自己決定権行使にかかわる問題であり、公開で議論するべきであると考えますので、
次回、この回答書をうけて私の考えを公開したいと思います。




1 はじめに
先日9月12日、松島さんと7名の方の連名で、沖縄・生物多様性市民ネットワーク(沖縄
BD)がAIPR(琉球弧の先住民族会)やIMADR(反差別国際運動)と共に、今年2月に国
連人種差別撤廃委員会(CERD)に提出した文書「早期警戒と緊急手続きに基づく
―国連
人種差別撤廃委員会への要請‐日本国沖縄における米軍基地建設の現状」と、それに関連
する沖縄BDのその他の文書(ブログ等も含む)に対して、沖縄BDのブログのコメント欄
を通して、「公開批判・質問状」を頂きました。

宛先は沖縄BDの「日本人事務局メンバー様」となっていましたが、
CERDに提出した文
書のドラフト(原文)作成や、まとめに大きく関わったのは、当時沖縄
BDの事務局長であ
った私吉川秀樹であり、「公開批判・質問状」で問題にされている「
Japanese residents of
Okinawa」「沖縄に居住する日本人」という文言を入れたのも私です。また、この「沖縄に
居住する日本人」の文言に関して、
AIPRのメンバーと直接会って話し合いをもったのも私
です。ですから私の方から、今回の「公開批判・質問状」に対する沖縄
BDの団体としての
回答と見解を示したいと思います。

なおCERDに提出した文書は、沖縄
BDの前共同代表、前事務局のもとで提出されていま
す。それで今回の沖縄
BDの対応者として、前共同代表、前事務局、そして現在の事務局ワ
ーキンググループを記載させて頂きます。さらには「公開批判・質問状」が送付された時、
私が韓国・済州島で国際自然保護連合(
IUCN)(9月6~15日)の会議に参加していており、
帰国後も私用で青森に行かなければならず、今この時点での対応となっていることをご理
解下さい。


2「公開批判・質問状」の宛先への疑問とCERD提出文書の位置づけについて

今回の「公開批判・質問状」について回答をする前に、以下の
2点について述べさせて下
さい。

まず1点目ですが、「公開批判・質問状」がなぜ沖縄
BDの「日本人事務局メンバー」宛で
提出されているのか、なぜ、CERDに文書を提出した3団体でないのか、あるいは、CERD
提出に記載されている3名のコンタクト先ではないのか、沖縄BDとしては理解に苦しんで
います。

「公開批判・質問状」が沖縄
BDのみに向けられている場合でも、少なくとも「公開批判・
質問状」の宛先は、沖縄
BDという団体、あるいは
CERD提出文書にコンタクトとして名を
記している私となるべきだったと考えます。

また当時の「日本人事務局メンバー」は
2人いましたが、その個人に対して個人的に「質
問」をするならまだしも、なぜ、インターネット上での「公開」による「批判」
[質問]とい
う形をとったのか、理解できませんし、これは大きな問題だと考えます。

憶測することは好みませんが、「公開批判・質問状」の作成にあって、
CERDへ提出した
文書が沖縄BDの「日本人事務局メンバー」によって作成されている、あるいは問題として
取り上げられている「沖縄に居住する日本人」の文言が「日本人事務局メンバー」によっ
て入れられている、という誤った思い込みが皆さんにあったのではないかと、沖縄
BDは考
えざるをえません。


2点目として、CERDに提出した文書の性格と、CERDの仕組みにおける位置づけ、そし
て提出後の展開について確認しておきます。

今回の文書は、CERDの「早期警戒と緊急手続き」という仕組みに基づき、辺野古/大
浦湾での新たな米軍基地建設とやんばる高江におけるヘリパッド/オスプレイパッド建設
に焦点をあて作成、提出したものです。

ご存知のように、CERDには様々な「人種差別」問題に対して、幾つかの解決のための
仕組みがあります。その中でも「早期警戒と緊急手続き」の仕組みは、現状がエスカレー
トして悪化することを防ぐため、及び、国連人権条約違反が現在進行している際の緊急的
対応、ということを目的とした仕組みです。

沖縄県内外の多くの人々が建設に反対するなか、日米政府はSACO合意を根拠に、新た
な基地やヘリパッド/オスプレイパッド建設を押し進め、現場では緊張感が続いています。
さらにはオスプレイ配備も、新基地やヘリパッド/オスプレイパッド建設とリンクしなが
ら、沖縄県民の声を全く無視する形で押し進められています。特に高江においては、工事
の強行により怪我人がいつでるか分からないほど、危険で緊迫した状態が続いています。
このような状況を解決する手段の一つとして、今回CERDの「早期警戒と緊急手続き」を
使っています。


幸いにも、CERDは私たち3団体の提出した文書を反映させる形で、3月9日に日本政府に
対して書簡を送り、辺野古/大浦湾での新基地建設と高江でのヘリパッド/オスプレイパ
ッド建設についての状況を説明するよう求めました。その後7月31日に日本政府は回答を
CERDに送っています。

さらに8月には、”Update and Follow-up Information to Our Joint Submission on theSituation of US military Base Constructions in Okinawa and the Letter Sent by CERD toJapanese Government on March 9, 2012”.(以下「Update & Follow Up」)の文書と、日本
政府の回答に対しての「コメント/見解」
“Comments on the Response of the Governmentof Japan to the Request of the Committee on the Elimination of Racial Discrimination(CERD) dated 9 March 2012”を、3団体でCERDに提出しています。そしてその提出を受け
て、CERDは日本政府に対して新たな書簡を提出しています。これらの一連の動きは沖縄
BDのブログで、原文と沖縄BDの和訳とともに読む事ができます。


3「公開批判・質問状」の内容への返答

ではここから、今回の「公開批判・質問状」に対してお答えしていきたいと思います。
沖縄BDとしては「公開批判・質問状」には論点が二つあると理解しています。その1点目
は、「琉球/沖縄人」と「沖縄に居住する日本人」あるいは「在琉日本人」が「人種差別」
の対象として「並記」されているとした、抗議と批判と質問です。そして
2点目は、その「並
記」したことに対して、沖縄
BDが、AIPRが「納得もしていないのにかかわらず、勝手に、
無断で」AIPRの団体名や代表の名前を列記した、という批判と、なぜ列記したかという質
問です。回答のし易さという点で、まず2点目の問題から回答していきます。


3-1「勝手に、無断で列記した」という批判について
「公開批判・質問状」では、

同要請文において、どのような経緯で在琉日本人を琉球人と並べるようになっ
たのかを説明してもらいたい。琉球人に対して説明する義務があります。なぜ
人種差別撤廃委員会に対する要請文の中でなければならないのか。特にAIPRの
宮里代表が在琉日本人記載に納得していないにもかかわらず、勝手に、無断で
列記したのは琉球人に対する大変な冒涜だといえます。しかも
AIPRも要請文の
最初に名前を連ねており、AIPRも在琉日本人列記に理解を示している形になっ
ています。琉球人の存在や意思を無視するやり方は、日米両政府が琉球に基地
を押し付けるやり方と変わりません。

となっています。

また

今年7月、国連NGO・琉球弧の先住民族会の宮里護佐丸代表を龍谷大学社会科
学研究所「島嶼経済とコモンズ」研究会にお招きして「琉球民族とヤマトンチ


ューの関係性について―琉球民族の権利主張を阻害する在琉日本人の問題」と
題する講演をお願いしました。

琉球弧の先住民族会、沖縄・生物多様性市民ネットワーク、反差別国際運動の
連名で今年2月10日に提出された「早期警戒と緊急手続きに基づく
―国連人種差
別撤廃委員会への要請‐日本国沖縄における米軍基地建設の現状」の中で、「琉
球/沖縄の人々と沖縄に居住する日本人」のように、琉球人と並列されて在琉球
日本人が当該要請文の主体として位置付けられています。宮里代表もこのよう
な在琉日本人の傲慢な行為に対して大変怒っていました。

という形で説明がなされています。

しかし、AIPRの代表が「納得もしていないにもかかわらず、勝手に、無断で」沖縄BD
がAIPRの団体名と代表者名を列記して、CERDに提出した事実はありません。


CERDへ提出した文書の作成は、今年の
1月中頃、まず各団体から情報や資料の提供をし
てもらい、それを基にドラフト(原案)文書を私が書きました。そしてそのドラフト文書
を、メールを通して
3団体の代表メンバー、ならびに市民外交センターのメンバーで共有し、
意見を出し合い、その意見を反映させる形で、書き直すという作業を行って完成させ、2
月10日付けで提出しました。その過程において、沖縄BD、AIPR、IMADRの代表メンバー
も常に様々な形で関わってきました。

「公開批判・質問状」で問題とされている「沖縄に居住する日本人」という文言につい
ては、ドラフト文書の最初の段階から入っていました。途中から入れたものではありませ
ん。その文言をいれたドラフト文書は、
AIPR、IMADR,市民外交センターと共有されてお
り、その文言が問題であるということは、
CERDに提出するまでありませんでした。

またCERDへ文書提出をした直後に、AIPR、沖縄BD、IMADRのメンバーから、ミス・
スペルの訂正や事実関係を明確にするための文言調整の必要性が指摘され、それを訂正す
る作業を行いました。そして沖縄BDが「List of Corrections (as of March 9, 2012)」「訂正
箇所のリスト」を作成し、
3団体でCERDへ提出するという手続きを行っています。その時
にも「沖縄に居住する日本人」の文言は問題にはなりませんでした。


CERDに文書を提出後に、AIPRの代表のほうから、「沖縄に居住する日本人」という文言
に対してAIPRのメンバーや関係者の中から問題ではないか、と指摘されたということの報
告を受け、私が3月6日にAIPRの代表及びメンバーの方と話し合いをもちました。この時
点まで、「沖縄に居住する日本人」の文言が問題となったことはありません。

その後提出した文書を受けて、CERDが日本政府に3月9日付けで書簡を送りましたが、その
書簡には「沖縄に居住する日本人」の文言が入っていました。

以上が、CERDに提出した文書の作成の経緯と、「沖縄に居住する日本人」という文言が
入った経緯です。


情報提供として記述しておきますが、3団体がCERDへ文書を作成し提出する直接のきっ
かけとなったのは、昨年末、辺野古アセス評価書の沖縄防衛局の強行搬入が行われた時に、
沖縄BDからIMADRや市民外交センターへ相談をしたことから始まります。そして今年の1
月、IMADRのメンバーがAIPRを通して国連の取組みの勉強会での講師として沖縄に招かれ、
視察を行う機会がありました。そこで3団体が一緒に辺野古や県議会議長への訪問を行い、
1月27日のAIPR主催の勉強会においてAIPRより、共同提出の提案を受け、文書作成の取組
みがはじまりました。

それ以前にも、沖縄
BDのメンバーがAIPRの主催する勉強会に参加させて頂いています。
それから私個人としては、2006年にIMADRの招きで国連特別報告者のドゥ・ドゥ・ディエ
ン氏が来沖した際、辺野古での通訳、情報提供者として関わっています。そういう下地が
あり、3団体で今回のCERDに文書が作成され提出されていることを、ご理解して頂きたい
と思います。

次に、今回の「公開批判・質問状」の根拠となっている龍谷大学での同研究会での
AIPR
の宮里護佐丸代表の発言や、松島さんと宮里代表とのやりとりについて触れたいと思いま
す。

沖縄BDとしては、これまでの
AIPRと一緒に活動してきた経験から、「公開批判・質問状」
で示されているような発言を宮里代表が行うとは考えていません。私個人としても、済州
島での会議の参加中に「公開批判・質問状」を初めて読んだのですが、その時も何かの間
違いだろうと考えました。そして沖縄
BDは、今回の「公開批判・質問状」ついては、宮里
代表から以下のような回答を頂いています。

「在琉日本人」文言をめぐる問題は、AIPR側に全ての責任があるにもかか
わらず、沖縄BDの皆さんが快く解決に協力していただいたことには感謝こそ
すれ、批判したことは一度もありません。

8月4日の松島さん主催の学習会で、日本人が絡む問題として辺野古、高江の件
を話しました。別の流れで沖縄BDとの件も話しましたが、私たちに非があるこ
とも含めて話しました。学習会では主として、在琉を含む日本人の問題行動に
ついて問題提起しました。

9月12日に松島さんから公開批判・質問状を送りたいとのメールを午前4時頃受
け取り、内容を見て沖縄BDとの件はAIPRとして解決済みの問題なので、
公開批判・質問状の送付を止めて欲しいと要請しましたが、その時点ですでに
送付してしまいましたとの返事でした。

龍谷大学における宮里代表の「琉球民族とヤマトンチューの関係性について
―琉球民族
の権利主張を阻害する在琉日本人の問題」と題する講演が具体的にどんなものであったか
は知りません。しかし「公開批判・質問状」で描写されている宮里代表の態度や言動と、
沖縄BDが宮里代表から頂いた回答の内容では、あまりにもギャップがあります。


沖縄BDとしては、CERDへの提出文書を一緒に作成し提出してきた経験、そして今回宮
里代表から頂いた回答を考慮すると、「公開批判・質問状」は事実誤認のもとに作成され、
送られたのではないか、と判断せざるをえません。


3-2「琉球/沖縄人」と「沖縄に居住する日本人」の「並記」について
今回の「公開批判・質問状」では、

しかし今年2月初めて、国連で世界に訴える主体として「沖縄に居住する日本人」
も琉球人と並んで自己主張を行う事態になったのです。これは国連でこれまで
活動を行ってきた琉球人、そして琉球人一般に対する大いなる侮辱であり、私
は心底から憤っております。

となっており、「琉球/沖縄人」と「沖縄に居住する日本人」が、「並記」されたことをも
って、「沖縄に居住する日本人」が「自己主張」を行っているという、松島さんたちの認識
と、それに対する憤りが示されています。

そして

日本人によって差別されてきた人種、民族である琉球人の「人種差別」の説明
と改善を日本政府に求めて来た人種差別撤廃委員会に対する要請文において、
在琉日本人が自らの被害を訴えることに疑問をもたないのでしょうか。琉球人
を「支援」するふりをして、在琉日本人のプレゼンスを高めようとしているの
ではないでしょうか。国連、国際法を活用した琉球人の脱植民地化運動、権利
主張の邪魔をしないで下さい。在琉日本人の基地被害を訴える場所や機会は他
にあるはずです。人種差別撤廃委員会において在琉日本人の被害を訴え、保護
を求めることは、琉球人の国連における活動を妨げる行為につながります。

という質問と、要求と見解が示されています。

まず「沖縄に居住する日本人」という文言が入っている、あるいは「並記」されている
ことについてですが、これは「沖縄に居住する日本人」が「人種差別」の被害者として「自
己主張」をしているのではなく、沖縄/琉球人に対する「人種差別」の一つの形としての
基地問題の被害は、沖縄/琉球人だけではなく、「沖縄に居住する日本人」にも及んでいる、
という事実として書いています。前にも書きましたが、この文言を入れたのは私であり、
琉球/沖縄人です。「日本人事務局メンバー」が「自己主張」のためにいれた、ということ
はありません。

確かに、沖縄BDには琉球/沖縄人も、「沖縄に居住する日本人」も、その他の国籍/民
族の方もメンバーとなっていますので、読み手や読み方によっては、日本人のメンバーが
「自己主張をしている」と解釈することも可能です。しかしだからといって、その解釈を
もって、「在琉日本人が自らの被害を訴えることに疑問をもたないのでしょうか。琉球人を
「支援」するふりをして、在琉日本人のプレゼンスを高めようとしているのではないでし


ょうか。国連、国際法を活用した琉球人の脱植民地化運動、権利主張の邪魔をしないで下
さい」という「批判」や「質問」が行われること、そしてそれが沖縄
BDの「日本人事務局
メンバー」に向けられるのは大きな問題だと考えます。


CERDに提出した文書のなかで、基地問題により琉球/沖縄人も「沖縄に居住する日本
人」も被害を被っているという具体的例の一つとして、ヘリパッド/オスプレイパッド建
設に反対する高江の住民とその支援者を日本政府が裁判で訴えた件をあげています。この
裁判については、住民の弁護士も、沖縄BDも、これはSLAPP(威圧的、恫喝的訴訟直訳
では「対公共関係戦略的法務」)訴訟であり、人権侵害であるとの認識を持っており、
CERD
に提出した文書のなかでも指摘しています。

すでにご存知だと思いますが、日本政府が訴えた高江の住民には、「琉球/沖縄人」も「沖
縄に居住する日本人」も入っていました。そしてその中には、「琉球/沖縄人」と「沖縄に
居住する日本の人」の夫婦も、琉球/沖縄人と「沖縄に居住する日本人」の「ダブル」の
子供も入っています。


CERDに提出した文書のなかで、日本政府にSLAPP訴訟で訴えられた夫婦の一方につい
て、「日本人」だからといって言及しないということが適切なのでしょうか。
CERDが扱う
「人種差別」の対象には「日本人」は当てはまらないからとして、日本人への基地建設の
影響については言及しないということが適切なのでしょうか。私たち沖縄
BDは、これは言
及されるべき問題であり、事実であるという認識を持っています。

差別のなかには、discrimination by association或はtransferred discriminationと呼ばれる
差別があることはご存知でしょう。差別の対象でなかった人々が、差別されている人々に
関わることにより、自らも差別されるということです。沖縄
BDでは、「差別の連鎖」とい
うことばで示してきました。今回CERDに提出した文書において、基地集中の被害や、新
たな基地やヘリパッド/オスプレイパッド建設に関連して、「沖縄に居住する日本人」とい
う文言をいれたのは、このdiscrimination by associationへの視点があるからです。

沖縄BDとしては、琉球/沖縄人への「人種差別」の問題において、discrimination by
associationを示すことは、決して、「人種差別」そのものから視点をそらしたり、「人種差
別」問題解決のための取組みを弱くすることには繋がらないと考えます。むしろ、その点
を指摘していくことも、「人種差別」の問題を解決するための動きに繋がると考えています。

ここで皆さんにぜひご理解して頂きたいのは、私たちは、CERDに提出した文書におい
て、「沖縄に居住する日本人」が「人種差別」の対象になっている、という議論はしていな
いということです。

また「公開批判・質問状」では、

人種差別撤廃条約では、人種差別の定義が次のように定められています。「人種、
皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、
制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公


的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又
は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するもの」人種差別撤廃条
約委員会による日本政府に対する勧告において対象になっているのは、アイヌ
民族、在日韓国人・朝鮮人、琉球人、インドシナ難民、ミャンマー難民、被差
別部落民等であり、いわゆる日本人が対象になったことはありません。あなた
方は「人種差別」をどのように定義し、在琉日本人も差別される人種であると
本当にお考えですか。

と、「人種差別」の定義に対する私たちの見解を求めていますが、私たち沖縄
BDも人種差
別撤廃条約の定義を、「人種差別」の定義として、
CERDに提出した文書の作成に関わって
きました。ただし、「公開批判・質問状」が引用している日本政府の「仮訳」では、条約本
文(英文)の「national」の部分が「種族的」と訳されおり、私たち沖縄BDはそこを「国
籍」という訳にして、理解しています。

提出した文書を読んで頂けると分かると思うのですが、「人種差別」が「沖縄に居住する
日本人」あるいは「在琉日本人」にあてはまる、という趣旨の文言はないはずです。むし
ろCERDという枠組みのなかで、その定義に根拠を置いて文書を作成したわけですから、
「人種差別」という概念自体を「在琉日本人」に当てはめることはできません。


CERDに提出した文書の議論は、1)歴史的に琉球/沖縄の人たちは、さまざまな形の「人
種差別」を受けており、「人種差別」は現在でも続いている。
2)現在沖縄に集中している
米軍基地や、新たな基地やヘリパッド/オスプレイパッドの建設は琉球/沖縄人への「人
種差別」の一つの形である。
3)琉球/沖縄、そして琉球/沖縄人にいろいろな形(婚姻、
就職、支援)で関わることにより「沖縄に居住している日本人」も基地の被害という「差
別」「人権侵害」を受けている、という議論です。

そしてぜひとも確認して頂きたいことは、私たちがCERDに提出した文書で焦点として
いるのは、そして文書構成と各項目の内容や量においても重点を置いているのは、1)と2)
の部分であり、3)の「沖縄に居住する日本人」については、あくまでもdiscrimination by
associationあるいは「差別の連鎖」という範囲での扱いになっているということです。

例えば「背景」の項目における「琉球/沖縄人へ」の「人種差別」、特に日米両政府によ
る「人種差別」やそれに依拠する人権侵害については、これまで
APIRや松島さんたちが指
摘してきたことも含めて、しっかりと書いているつもりです。この「背景」の部分は、量
的にも、今まで国連に提出されている沖縄関係の問題を訴える文書と比較しても、少なく
はないはずです。

また「辺野古/大浦湾における米軍基地建設」や「高江における6つのヘリパッド建設」
の項目では、建設の影響を懸念して建設に反対する主体として「琉球/沖縄人」と「沖縄
に居住する日本人」を「並記」していますが、それ以外にも「国内外のNGO」「専門家」
も「並記」しており、「沖縄に住居する日本人」の「自己主張」とはなっていません。さら
に重要なことは、軍事基地建設やヘリパッド建設は、UNDRIP(先住民族の権利に関する


国際連合宣言)とCERDの条項への違反であるとしており、つまり琉球/沖縄人の先住民
性に関わる問題という認識のもとに、この項目も書かれているのです。

最後のCERDへの「要請」の項目ですが、そこではまず、
CERDからのこれまでの差別撤
廃の要請にも関わらず、琉球/沖縄人への差別が存在すること、その差別に対してのモニ
ターリングや解決の為の取組みが、日本政府によって未だに取られてないことを指摘して
います。そして「人種差別」を扱う
CERDの文脈のなかで、4つの具体的要請が示しており、
そのa)とb)で示される「沖縄に居住する日本人」に関する要請は、「人種差別」ではなく、
discrimination by associationという認識での要請になっています。

4終わりに

以上、皆さんから頂いた「公開批判・質問」に対して、CERDに提出した文書の作成に
大きく関わり、「公開批判・質問状」で問題として扱われている「沖縄に居住する日本人」
の文言をいれた沖縄BDの前事務局長の私が、沖縄
BDの回答と見解を示させて頂きました。

繰り返しますが、私たち沖縄
BDは、なぜこの「公開批判・質問状」が、
CERDに文書を
提出した3団体ではなく、また沖縄
BDではなく、また沖縄
BDの代表として名前が記載され
た私ではなく、沖縄BDの「日本人事務局メンバー」宛に送られたのか理解できませんし、
これは大きな問題だと考えています。

また「公開批判・質問状」で示された、「沖縄に居住する日本人」の「並記」に関わる批
判や質問、また
AIPRの団体名や代表の名前の「列記」に関する批判や質問には、事実誤認
があるのではないか、そしてその事実誤認のもとに今回の「公開批判・質問状」が作成さ
れ、送られたのではないかと私たち沖縄BDは考えています。

また私たち沖縄BDは、CERDという枠組みやCERDにおける「人種差別」の定義を理解
して、「沖縄に居住する日本人」の文言は入れており、それによって「沖縄に居住する日本
人」が「人種差別」の対象になっている、あるいはそういう「自己主張」をしている、と
いう議論はしていません。

さらには、3団体が送った文書を受けてCERDが日本政府に送った書簡には、「沖縄に居
住する日本人」という文言が入っていますが、人種差別問題の専門機関である
CERDが「人
種差別」の対象としての理解で「沖縄に居住する日本人」の文言を書簡にいれているとは、
私たち沖縄BDは考えていません。

最後に皆さんにぜひご理解して頂きたいことがあります。今回のCERDへの文書の提出
と関連する一連の動きは、辺野古/大浦湾における基地建設と高江におけるヘリパッド/
オスプレイパッド建設は、琉球/沖縄における解決すべき重要問題であるとの共通認識の
もと、AIPR、IMADR、沖縄
BDの3つの団体が、お互いの違いを越えて取り組んできたもの
です。


3つの団体は、目的、理念、メンバー構成、手法などで大きく異なります。しかし、これ
らの問題に関しては、CEREDという枠組みの「早期警戒と緊急手続き」を使い、一緒にや
ることが大切である、一緒に出来ると、それぞれのメンバーが決意を持って取り組んでき
たものです。

時間的制約がある中で作成し提出した文書や関連する手続きについては、全ての人を納
得させるようなものではないかもしれません。しかし、実際、
3団体の提出した文書を反映
させる形で、CERDは日本政府に働きかけています。メディアも取り上げてくれ、沖縄の
県議会議員やCBDAlliance(生物多様性条約関係NGOグループ)などの国際NGOも関心を
示しています。この取組みを通して、辺野古/大浦湾における基地建設と高江におけるヘ
リパッド/オスプレイパッド建設の問題の解決のために何らかの展開が開けるのかもしれ
ません。これはNGOとしての大事な成果だと考えます。

沖縄BDとしては、AIPRやIMDARと共に、CERDの「早期警戒と緊急手続き」を使い、
これらの問題の解決に取り組んでいきたいと考えています。そして今私たちに最も必要な
ものは、お互いに協力していく意思と力だと考えています。

以上。
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