昨年5月31日の宮古毎日新聞に、宮古島市の財政危機についての記事が掲載されていましたので、お伝えします。トゥリバーとは埋め立て事業であり、計画どおりに土地の売却が進まないために、市財政の危機がもたらされています。
高率補助により公共事業が推進されていますが、その維持管理、運営は自治体、住民の負担となるという構造は、他の琉球の島でも同じです。行政主導の島の自治では駄目であることがわかります。
宮古島市の財政破綻が現実味を帯びてきた。今月二十九日には、伊志嶺亮市長が緊急メッセージを発表。市職員に「不退転の決意」で財政再建に取り組むよう命じた。
迫り来る財政破綻危機とどう向き合い、どのように累積赤字十三億円を圧縮させるのか。市の現状と課題、再生団体回避の道筋をシリーズで探る。
累赤13億円 圧縮は至上命題/迫る破綻、カギはトゥリバー
◇市の焦り
「第二の夕張」、「いま動かないと、やばいことになる」−。こんな財政論議が職員間で交わされている。市幹部が指摘するように、「破綻」まで意識してきた職員は皆無だったが、北海道夕張市の財政破綻、今国会審議中の「地方財政健全化法案」が尻に火を付けた。
特別会計を含めた連結実質赤字比率は三二・九%と県内ワースト。「少なくとも二五%に落とさないと、財政再生団体になる」と市幹部らは危機感を募らせている。
その焦りが、伊志嶺市長の緊急メッセージという形で表れた。各庁舎では「不退転の覚悟で財政再建を」「宮古島市の将来を左右する二年」「失敗は許されない」という厳しい言葉が市職員らに向けられた。
しかし、具体的な健全化策が示されないままのメッセージに、どこまで説得力があるのか。一部では「ただのパフォーマンスだ」とする冷ややかな意見もあった。
◇地方財政健全化法案
現行の「地方財政再建促進特別措置法」が単年度の赤字を示す「実質赤字比率」を基準としているのに対し、新法案は地方公共団体に、一般企業の連結決算に当たる「連結実質赤字比率」をはじめ▽実質赤字比率▽実質公債費比率▽将来負担比率−の四つの指標を基準としているのが特徴だ。
いずれかの指標で基準を超えると「早期健全化団体」、将来負担比率を除く指標のいずれかの基準を超えると、「財政再生団体」となる。早期健全化団体は健全化計画を策定し、議会の議決を得ながら財政再建に取り組むが、財政再生団体は国の監督下に置かれ、自治体の自由裁量は事実上なくなる。
◇再生団体の基準比率
市は、連結実質赤字比率を二年間で二五%にするという目標を掲げた。
地方財政に詳しい専門家の意見を取り入れ、再生団体転落の危険性がある自治体を全国約千八百自治体の一%に当たる十八自治体と設定。
これらの自治体の連結実質赤字比率が三〇%台になると予測。この予測を基に再生団体になる比率を三〇−三五%、軽度の早期健全化団体の比率は、県の指導に従いながら一〇%以上と見込んでいる。
◇財政健全化策と課題
市は歳出入予算を徹底的に見直し十三億円を圧縮する方針で、トゥリバー地区の土地売却は見込んでいない。仮にトゥリバーが売れても連結実質赤字比率は一四%で、早期健全化団体は免れないのが現状。
早期健全化団体になることについては市幹部も「仕方がないことだ。再生団体になるのを避けるしかない」とあきらめムードだ。
ただ、トゥリバーが売れれば、財政状況は大きく好転する可能性も残されている。歳出入改革によって十三億円を圧縮できれば、トゥリバー売却費の四十億円と合わせて累積赤字の圧縮は一気に進む。
「売却」が大前提になるが、もともと売るために造成したのがトゥリバーだ。売却を急ぐことが大きな課題であり、最も効果的な財政健全化策ともいえる。
(山下誠、砂川拓也)
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