昨年の6月2日の宮古毎日新聞にトゥリバー関連問題についての記事がありましたので、お伝えします。大型埋め立て事業が、市財政の足を引っ張っています。島嶼経済の全体像、特性を見据えたうえで、島の発展を考える必要があるのではないでしょうか。「楽観的な経済見通し」は、厳しい現実によって打ち砕かれます。
◇港湾事業特別会計
二つの事業会計に分かれている。一つは港湾整備事業、もう一つは臨海土地造成事業で、いずれも赤字会計だ。
港湾整備事業は一億九千万円の累積赤字がある。この会計の赤字解消は急がれるが、それより大きな問題がトゥリバー地区の埋め立て費用を計上した臨海土地造成事業だ。
一九九三年着工の事業で、〇六年度末現在の累積赤字は三十一億円と膨大。解消策はトゥリバーを売ることに尽きる。
◇市の誤算
「トゥリバー売却イコール赤字解消」という港湾事業特別会計。ただ、昨年末に集中した売却交渉の失敗が、思わぬ形で尾を引いている。
市は昨年末、本土の大手企業二社と独自の交渉を続け、仮契約の寸前までこぎつけた。売買を仲介する業者を選任する予算は議会にも認められていたが、コスト(仲介料四千万円)削減を優先して選任を見送り、独自の交渉で売却を試みた。
しかし、これが大きな誤算となり、契約寸前までいった売買交渉は実を結ばなかった。トゥリバーはそのまま残った。
財政難ながら、仲介業者を選任する予算を認めた市議会は激怒。特に野党は「市独自では売れないからプロに任せることを認めた。それなのにその予算を使わずに自分たちで交渉して破談。ふざけた行政だ」と痛烈な批判を浴びせた。
市は再度仲介業者を選任することを決め、議会に承認を求めたが、議会はこれを否決。売却に向けて、市に残された道は独自交渉だけとなった。
◇トゥリバーの行方
しかし、市も手をこまねいているわけにはいかない。トゥリバー売却は再生団体回避に向けては切り離せない課題だ。独自交渉が厳しいなら、仲介業者を選任して売却しなければならない。
この件について宮川耕次総務部長は「トゥリバーが売れても黄信号。言い換えれば、火事場から一時的に避難するようなものだ」と話す。売却は市に課された必須の事案と言えよう。
市内部では、今でも仲介業者を選任することが選択肢の一つとして挙げられている。ただ、いずれにしても「予算を議会に認めてもらえるか」が大きな焦点になる。
今の議会は、与野党を問わず財政に対する監視の目が強い。その議会を納得させるためには、伊志嶺亮市長の強いリーダーシップはもとより、売却に向けた市の真摯(しんし)な姿勢が問われてくる。
(山下誠)
コメントの投稿