10月21日の八重山毎日新聞に民主党のマニフェストと八重山諸島の現実との差についての記事がありましたので、お伝えします。
民主党の最低賃金1000円に期待と懸念
■沖縄は全国最低629円
民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた全労働者の時給を800円に引き上げ、さらに3カ年をめどに全国平均1000円に引き上げるという新たな最低賃金制度創設に着手した。
本年度の全国平均は713円。沖縄は18日から新たな最低賃金がスタートしたが、その額は629円で九州の佐賀、長崎、宮崎と並んで全国最低。全国平均と84円の開きがあり、最高の東京の791円とは162円の差だ。
それだけに新たな最賃制度は、働いても働いてもぎりぎりの生活水準さえ得られないワーキングプア(働く貧困層)や世界同時不況で「派遣切り」に遭い路頭に放り出された派遣社員など非正規労働者からは歓迎され、その実現に大きな期待がかけられている。
しかし一方で経営者側からは「人件費が経営を圧迫、零細企業は人員削減をしなければならない」などと、当然のことながら反発と懸念は強い。
ただここで一ついえることは、現在はあまりにも労働者の待遇に大企業と中小零細企業、正社員と非正規社員にそれぞれ格差があり、その格差は国や自治体の政治と経営者側の努力で改められるべきだということだろう。八重山も子供がいて年収わずか100万円ちょっとの世帯は少なくない。
■格差や貧困の解消
民主党の政策は、まじめに働いた人たちがきちんと生計を立てられるよう最低賃金を引き上げることで、現在大きな問題になっている格差や貧困問題を解決するとともに、賃金上昇で消費拡大や内需拡大をはかり、そして輸出に過度に依存している日本の産業構造の体質改善を図ることにあるという。
これに対し経営者側は、▽人件費で中小零細企業は経営危機に陥り、逆にリストラや人員削減で失業者が増加する▽人件費を補うために物価が上昇あるいは生産拠点の海外移動で国内産業が空洞化し、外国人労働者が増えるなどと懸念と戸惑いを示し、実現に疑問視と反発を見せている。
これは中小零細企業が大部分の八重山はなおさらだ。
不況下の真っただ中にあって経営者側の懸念や不安は確かにありえることだ。それだけに民主党がどのような着地点を見いだすか。
中小企業の法人税率を現行の18%から11%に引き下げたりの企業支援も計画しているようだが、格差や貧困を是正しその上で企業経営も成り立つ着地点をぜひみつけ、引き上げを実現してもらいたい。
■年収100万円余の暮らし
確かに八重山は零細企業が大部分を占め、最低賃金の大幅引き上げは、不景気でなくとも大きな打撃となるだろう。しかし従業員を大事にする多くの経営者がいる一方で、企業の生き残りを名目に、いつでも切れるバイトや非正規社員の雇用で利益優先をステータスとする経営者もいるだろう。
派遣切りの現場を取材した県紙の記者が新聞週間企画記事で、33兆円の内部留保をため込んでいる大手企業が、不景気だからと大量の派遣社員をモノ扱いにして派遣切りをしている不条理に怒りを示していた。
これは八重山の経営者にもいえるが、確かにそれが皆さんの子弟だったらどうだろうか。
テレビなどで見るもうかっている企業は、「社員は人財」と給与などの待遇面、福利厚生面で社員を大事にしている。
利益追求はもちろん大事だが、働いている人々にも暮らしがあることは周知のとおりだ。子供がいてボーナスもなく年収100万円余の暮らしが当たり前の社会になってはいけない。
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